会社社会の「要回答」とは? ー 見られているのは、内容より早さ

2024.04.22更新

 

「要回答」を言い換えると「回答をよこせ」ということだ。上から目線だが、ここに「要回答」の本質がある。組織運営上、必要だからだ。

だから「内容」より「早さ」が重要なのだ。
「要回答」で見られているものを考えていこう。

 

1.要回答の種類(軽重さまざま)

要回答には、個人宛のものと、組織宛のものがある。

 

個人宛のものは、「健康診断受診希望日」「会議出欠席連絡」など、個人でしか回答できないものが多い。

 

同じく個人でしか回答できない「扶養親族の申告」「保険料控除申告書」などは、所属する部署が取りまとめることが多い。

したがって、会社社会では個人宛の「要回答」は非常に限られているということだ。

 

一方、組織宛の「要回答」は非常に多い。

 

組織宛の「要回答」には、「担当一覧表の作成」のようにすぐにでもできそうなものがある一方、

「売上見込みの報告」「前月の成果と今月の取り組み」「コンプライアンス会議報告」

のように毎月一定の時期にかならず報告しなければならないものもある。

 

また、「今年度の課題と施策」のように重いもの、

「取り組み状況報告」など前もって指示を受けたことに対する回答がある。

 

ひと言で「要回答」と言っても、軽重さまざまだということだ。

また要回答を求める先も、所属する上位部署もあれば、本社各部もある。

 

日本の会社社会では、このように軽重さまざまな「要回答」が業務の中で飛び交っている。

 

それを部署のリーダーが回答しているところに大きな特徴がある。

 

 

リーダーは「要回答」にうんざりしている

2.要回答で何を見られているか?

組織宛の「要回答」では、「内容」と答える人もいると思う。

 

しかし、「要回答」には期日が必ず設けられている。

回答を求めた部署は、その期日までに回答を得られなければ、運営上困るということだ。

回答が早ければ、助かるということである。

 

したがって、「要回答」で重要なことは「内容」より「早さ」だ。

できる限り、期日前に回答するということである。

 

考えてみれば当たり前のことだが、実際には、その意味を意外にわかっていない。

いつも期日前にに回答する人がいる一方、いつも期日を過ぎる人がいるからだ。

 

上位部署は、そんな回答状況をしっかり見ている。

期日までに回答できない人は、お客さま対応でも、きっと同じ現象が起きていると判断している。

 

出世に苦戦している人の原因は、こんな所にあることが多い。

 

次に見られているのは、質問に簡潔に答えているかだ。

 

しかし多くの人の回答には、質問されたこと以外のことが書かれている。

そのため、長文となることも多い。

その方が何か落ち着くからだ。

 

回答内容については、上の人は必ず見ている。

質問に答えられる人かどうか見ているのだ。

このことが、昇進の判断基準にもなることもあるので、注意したいところだ。

 

 

 

3.要回答で試されるリーダーの手腕

組織宛の要回答は、部署のリーダーが回答することを述べたが、リーダーは忙しい。

 

それに要回答が加わるから、さらに忙しくなるのだ。

 

だから、要回答の期日を過ぎてしまうということも無理からぬことかもしれないが、

現実には、必ず期日を守るリーダーと、いつも期日に遅れるリーダーが存在する。

 

その差はどこにあるのだろう?

 

要回答に費やさなくてはならない時間をリーダーがシッカリとっているかどうかの差だと考える。

 

要回答の是非は別にして、

要回答はやらなければならない業務の一つだ。

 

そのやらなければならない業務を、組織運営のなかに落とし込んでいるかの差なのだ。

 

会社は、そんな要回答を含めた組織運営の手腕を見ている。

 

 

要回答までがリーダーの手腕に委ねられている

4.生産性向上は要回答を減らすことから

要回答が現場に負荷を与えていることは間違いない。

 

会社では、いつも「要回答」を減らすことが議題にのぼる

その結果、いったんは減るが、また元の姿に戻るのが要回答なのだ。

 

なぜだろう?

そこには、要回答を求めないと、自分たちの業務が進まないといった理由がある。

自分たちだけでは、物事、完結できないということだ。

そんな方策も浮かばないし、自信がないのだ。

 

それならば、要回答を思い切って減らせばよいが、

要回答を一元管理する部署がない。

だから各部署の思惑で要回答が発信される。

 

考えなければならないことは、要回答は生産性にまったく結びつかないということだ。

 

生産性向上を謳う企業は多いが、生産性を向上させるには、現場の貴重な時間を奪わないことだ。

そのためには、要回答を極力求めないことだ。

 

綾小路 亜也

 

 

生産性向上は現場の人の時間を増やすこと

 

 

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