2024.11.09更新
「要回答」を言い換えると「回答をよこせ」ということです。組織運営上、必要だからです。ここに「要回答」の本質があります。
組織運営のことを考えると、早く回答をもらいたいのです。だから「内容」より「早さ」が重要です。
1.要回答の種類(軽重さまざま)
要回答には、個人宛のものと、組織宛のものがあります。
個人宛のものは、「健康診断受診希望日」「会議出欠席連絡」など、個人でしか回答できないものです。
同じく個人でしか回答できない「扶養親族の申告」「保険料控除申告書」などは、所属する部署が取りまとめることが多いです。
したがって、会社社会では個人宛の「要回答」は非常に限られているということです。
一方、組織宛の「要回答」は多くあります。
組織宛の「要回答」には、「担当一覧表の作成」のようにすぐにでもできそうなものがある一方、「売上見込みの報告」「前月の成果と今月の取り組み」「コンプライアンス会議報告」のように毎月一定の時期に必ず報告しなければならないものもあります。
また、「今年度の課題と施策」のように重いもの、「取り組み状況報告」など前もって指示を受けたことに対する回答があります。
ひと言で「要回答」と言っても、軽重さまざまだなのです。
また要回答を求める先も、所属する上位部署もあれば、本社各部もあります。
日本の会社社会では、このように軽重さまざまな「要回答」が業務の中で飛び交っているのです。
それを部署のリーダーが回答しているところに大きな特徴があります。
リーダーは「要回答」にうんざりしている
2.要回答で何を見られているか?
「要回答」で見られているものは、「内容」と答える人もいると思います。
しかし、「要回答」には期日が必ず設けられています。
回答を求めた部署は、その期日までに回答を得られなければ、運営上困るということです。
回答が早ければ、助かるということです。
したがって、「要回答」で重要なことは「内容」より「早さ」なのです。
できる限り、期日前に回答するということです。
考えてみれば当たり前のことですが、実際には、その意味は意外にわかっていません。
いつも期日前にに回答する人がいる一方、いつも期日を過ぎる人がいるからです。
上位部署は、そんな回答状況をしっかり見ています。
期日までに回答できない人は、お客さま対応でも、きっと同じ現象が起きていると判断するのです。
出世に苦戦している人は、意外にこんな所に原因があります。
次に見られているのは、質問に簡潔に答えているかです。
しかし多くの人の回答には、質問されたこと以外のことが書かれています。
そのため、長文となることが多いのです。
その方が何か落ち着くからです。
回答内容については、上の人は必ず見ています。
質問に答えられる人かどうか見ているのです。
このことが、昇進の判断基準にもなることもあるので、注意したいところです。
3.要回答で試されるリーダーの手腕
組織宛の要回答は、部署のリーダーが回答することを述べましが、リーダーは忙しいのです。
それに要回答が加わるから、さらに忙しくなります。
だから、要回答の期日を過ぎてしまうということも無理からぬことかもしれませんが、現実には、必ず期日を守るリーダーと、いつも期日に遅れるリーダーがいます。
その差はどこにあるのでしょう?
要回答に費やさなくてはならない時間をリーダーがシッカリとっているかどうかの差だと考えます。
要回答の是非は別にして、要回答はやらなければならない業務の一つです。
そのやらなければならない業務を、組織運営のなかに落とし込んでいるかの差なのです。
会社は、そんな要回答を含めた組織運営の手腕を見ています。
要回答までがリーダーの手腕に委ねられている
4.生産性向上は要回答を減らすことから
要回答が現場に負荷を与えていることは間違いありません。
会社では、いつも「要回答」を減らすことが議題にのぼり、その結果、いったんは減りますが、また元の姿に戻るのが要回答でもあるのです。
なぜでしょう?
そこには、要回答を求めないと、自分たちの業務が進まないといった理由があります。
自分たちだけでは、物事、完結できないということです。
そんな方策も浮かばないし、自信がないのです。
それならば、要回答を思い切って減らせばよいと思いますが、要回答を一元管理する部署がないのです。
だから各部署の思惑で要回答が発信されます。
考えなければならないことは、要回答は生産性にまったく結びつかないということです。
生産性向上を謳う企業は多いですが、生産性を向上させるには、現場の貴重な時間を奪わないことです。
そのためには、要回答を極力求めないことです。
綾小路 亜也
生産性向上は現場の人の時間を増やすこと
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