2023.11.02更新
マッキンゼー―――世界の経済・政治・軍事を動かす巨大コンサルティング・ファームの秘密
ダフ・マクドナルド 日暮 雅通 ダイヤモンド社 2013-09-21 |
私たちは、マッキンゼーが多大な影響を与えていることは知っているが、それ以外のことはほとんど知らない。
それがマッキンゼーというコンサルファームだ。
また、誰もが心の奥で「『マッキンゼー流のやり方』が実際に成果を上げたのか?」と思っている。
じつは、それすらも明らかになっていないのだ。
この本は2013年発刊と若干古いが、マッキンゼーの実像を知るには十分だろう。
注目すべきは、この本に書かれていることは「事実」だということだ。
マッキンゼーを知るうえで、押さえておきたいところを、この本から引用しておきたい。
・マッキンゼーの功績について
「クライアントの問題を解決するための客観的で懐疑的、事実に基づいた分析的なアプローチを通じて、マッキンゼーが世界をより効率的で合理的、客観的な場所にしたのは確かだ。空論家やほら吹きが溢れている世界で、焦点をデータと調査にひき戻し、効率や効果に結びつけることにマッキンゼーは最高の能力を持っている」(P386)
「科学的なアプローチを現実的に経営に取り入れ、仮説とデータ、証拠を用いる手法でビジネスの問題を解決した最初のコンサルティング・ファームだ」(P11)
・マッキンゼーの失策について
「マッキンゼーのコンサルタントは、GM(ゼネラルモーターズ)が破産したとき、その場にいた。Kマートが大混乱に陥ったときも、その助言者だった。スイス航空を崩壊に導いた。そしてエンロンという爆弾を作りあげる決定的な役割を果たし、この会社が大爆発を起こす瞬間まで巨額の報酬を手に入れてつづけていた」(P9)
・マッキンゼーの特徴について
「マッキンゼーが、みずからの提案の結果ではなく、解決すべき問題そのものに集中しつづけていることは、おそらく同社の最大の弱点だろう」(P387)
「彼らはビジネスの状況を解決し合理的に処理することにはたけていても、しばしば人間的要素には欠点を持っている。現代のビジネス用語になった『リストラクチュア』や『ダウンサイズ』『合理化』などの言葉が、すべて従業員の解雇をあらわす遠回しの表現なのは、こういう理由からだ」(P40)
「マッキンゼーの仕事のほとんどは、コンサルタントがクライアントのCEOに『このプロジェクトで得たいものは何ですか?』と聞くことから始まる。言い換えれば、結論はあらかじめ決めることができるので、少なくとも驚くような内容にはならない」(P103)
「大勢の優秀な人材を引きつけ、同じ思考パターンを持つ頭のいい人間に作りあげるー意欲的で影響力の強い集団ー比類のない能力だろう。これは型にはまらない人間を排除することで行われており、マッキンゼーで最も重要な仕事はさまざまなレベルで人材を型にはめていくことだ」(P383)
本のさわりに過ぎないが、マッキンゼーの姿が少し浮かび上がってきたのではないだろうか?
みなさんは、エンロンという会社をご存じだろうか?
エンロンは売上高全米7位、世界16位の巨大企業だった。
しかし、エンロンは破綻した。
じつは、エンロンのコンサルティング業務を行っていたのがマッキンゼーだったのだ。
そしてCEOのジェフ・スキリングもマッキンゼー出身だった。
このことについても、この本には詳しく記載されている。
『マッキンゼー』
エンロンの破綻については、下記記事を参照ください。
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