「事実」は変わる!:『現実はいつも対話から生まれる』から

2023.07.30更新

 

 

ケネス・J・リーガンとメアリー・ガーデンが書いた現実はいつも対話から生まれるは、社会構成主義の入門書です。

しかし、なかなか難解です。

 

二人の著者が、私たちに何を問いかけているのかという観点から、この本を考えてみたいと思います。

 

 

現実はいつも対話から生まれる

『現実はいつも対話から生まれる』表紙

 

著者は、私たちが『現実』だと思っていることはすべて『社会的に構成されたもの』であり、

「人が『何が現実か」を定めるとき、常にそれは、ある一つの文化の伝統から話している」と言います。

 

続いて、例が示されています。

 

「彼のお父さんが亡くなりました」ということを描写しようとするとき、

通常は「特定の身体機能の停止」と「構成」しますが、

 

「彼は昇天しました」

「彼は彼女の心の中に住み続けます」

「これは彼の生まれ変わりの新しいサイクルの始まりなのです」

「彼は苦しみから解き放たれました」

 

と語られるかもしれないのです。

 

これが、(語る人の)文化的伝統から、話しているということなのです。

 

 

 

この文化的伝統という言葉を、本のなかに記載されている言葉から、置き換えてみたいと思います。

 

それは、私たちが所属しているコミュニティー(共同体)ではないでしょうか。

 

コミュニティは「社会的関係性」によって成り立っています。

コミュニティには、それぞれ特有の判断基準があります。

 

そう、私たちは、コミュニティの価値判断に基づいて、話しているのです。

 

 

それゆえ、私たちが「事実」をとらえるときも、

それはコミュニティの価値判断に基づく「事実」なのです。

この本では、「限定された真実」という言葉、「見方の一つ」という言葉もつかわれています。

 

 

こう考えると、この本のタイトル「現実はいつも対話から生まれる」という言葉が、俄かに頭をよぎるのではないでしょうか?

 

 

その言葉はコミュニティの言葉

 

しかし、著者の意図は、もっと違うところにありそうです。

 

同じコミュニティ内で対話している限りは、「現実」は変わりませんが、
たとえば、違うコミュニティに所属する人と話した場合はどうでしょうか?

 

互いに自分のコミュニティから見た「現実」はありますが、対話することにより、互いの「現実」に気づき、新たな「意味づけ」を作ることも可能だということです。

 

すなわち、対話することにより、新たな「現実」が生まれるのです。

それは、「意味の創造」と言えます。

 

 

これが、著書が言う「現実はいつも対話から生まれる」の意味であり、私たちへの問いかけではないでしょうか。

 

 

著者は「私たちが日頃慣れ親しんでいる伝統の中にい続ける限り、人生はそのままでしょう」と言い、

「一緒に話し、新しい考えを聞き、問いを投げかけ、別の(代わりの)メタファーを考えることで、新しい意味の世界の敷居をまたぐのです。未来とは私たちが「一緒に創造する」ものなのです」と述べるのです。

 

 

 

 

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