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ビジネスマン・ウーマンの生き抜く技術!

イスを元に戻すという気持ちは、どこから湧いてくるのか?

イスを元に戻すという気持ちは、どこから湧いてくるのか?

今藏ゆかりさんが書いた『みんなに必要とされている人の「ひと工夫」の習慣』に、今藏さんと上司が、新規の仕事の打ち合わせを兼ね、先方の担当者2名と一緒に食事をしたときの話が載っていた。
先方の二人は清潔感あふれる素敵な着こなしで、楽しく品のあるトークをし、気配りのある振る舞いをする、とても印象がいい人たちで、仕事の内容も期待以上だったという。
ところが、店を出ようと席を立ったとき、二人とも座っていたイスを後ろに引いた状態のまま、放置したという。
おまけに、一人はお札を投げるようにレジの人に渡した。
先方と別れたあと、今藏さんの上司は「今回の話はお断りしよう」と言った。

 

この手の話、この手の人は多い。
実は、この手の人はイスを元に戻さないというよりは、あえてイスを元に戻さないのだ。高級店でそんな態度をとることが多い。
なぜか?
高級店でも、普段どおりの自分でいられる自分を見せたいからだ。そんな姿を見せることで、自分のステータスを感じてもらいたいからである。
今蔵さんの話では、相手が支払ったのだから、きっと今蔵さんと上司を接待したのだろう。この店をいつも利用している自分、この店でいつも気軽に振る舞える自分を見せたかったのだと思う。

 

だが、この人たちは、決定的に、あることを忘れている。
それは、「場を借りている」ということだ。
店にお金を支払っているかもしれないが、店から場を借りているということを忘れているのだ。
しかし、この人たちはお金を基準にものを考える人だから、場を借りるも、借りないもないのだろう。

 

イスを元に戻すという行為は、「場を借りている」という意識がないと、けっしてできない。
イスを元に戻さない人の原点はここにある。
ビジネスでは、先方の会社に出向き、会議室を借り、打ち合わせることはよくある。
打ち合わせが終わり、退席する際にイスを元に戻さないのは、「場を借りている」という意識がないからだ。
社内でも同様のことが言える。社内の会議室はさまざまな部署の会議や打ち合わせに利用されるが、それらが終了したあと、イスを元に戻さないことも、「場を借りている」という意識がないからである。
社内といえども、みんなの共有の場を借りているのだ。

 

この「場を借りている」という発想が、なぜ必要なのか?
「借りている」という言葉に対応するものは、「戻す」だからだ。
借りているということが頭にあれば、元に戻すという気持ちが湧いてくる。
ビジネスマナー的発想では、ここは、きっと「あとの人のこと、直す人のことを考えろ」ということになる。
それは正しいのだが、ビジネスマナーも、マナーを守れない人への対応を、もう一段掘り下げる必要がある。

 

そして、ビジネスマナー的発想で進むと、今度は、「いかにもイスを元に戻しましたよ」という動作をとる人も出てくる。
そんな人の目を意識したビジネスマナーは評価されない。嫌味さえ感じる人も多い。
だが、「場を借りている」という意識があれば、自然な動作でイスを元に戻せる。
そう考えた人は、イスを直すという動作は、もはや特別な動作ではないからである。
こんな人が、人から好かれ、出世していく人なのだ。
ビジネスマナーは形をとるということではなく、自分の腹に落とすことが必要なのである。

 

 

 

 

みんなに必要とされている人の「ひと工夫」の習慣

 

 

 

 

「できる社員」はビジネスマナーを自分の頭で考える

なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか

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本の目次

スマホで読む方法

 

 

 

◆新百合ヶ丘総合研究所の「こっそり差をつけたい」人のための本

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