前任者のことは言わない方がいい

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サラリーマン社会は、理屈だけではすまない社会である。
学生時代の教科書や世のビジネス書のように、必ずしも数式通りにはいかない社会である。
その一つに前任者の存在がある。
自分が受ける様々な評価も、自分がスタートラインに立ち、そこから走り、「やれ遅かったとか、ゴールにたどり着けなかった」ということならば納得できるが、そのスタートライン自体が前任者によって、ずーっと後ろの方になったり、競技場にさえも入れないということになったら、やはり、納得できないものだ。
そして、そんなことはよくあることなのである。これが世のビジネス書には決して書かれないが現実の世界でもある。
今回は、このことを、あなたと考えてみたい。

 

あなたも、実は、そのことで悩んでいる。また、腹立たしくて眠れないことがある。
あなたは、今の職場に転勤して前任者から引き継ぎを受けた。前任者も別の職場に転勤していった。
ところが、あなたはすぐに前任者の仕事は、すべていい加減だということがわかった。
そのために、あなたは、後処理ばかりをしている。
あなたの会社では、目標制度のことを「目標チャレンジ」と呼んでいるが、とてもチャレンジするどころの話ではないのである。
時々、不明点を前任者に電話するが、「うんうん、それはな、………」と言ってごまかす。要はやっていないのである。
あなたは、このことを課長に話すが、課長も、「そうか………」とばかり言って、真剣ではないのだ。
そして、そんな前任者だが、意外と、今の職場や得意先から人気があることに気づく。それは、話の中で、よく前任者の名前が出るからである。
あなたは余計に腹が立つ。

 

サラリーマン社会で、よくある話である。
サラリーマン社会は、ピシッと教科書通りにはいかない。たえず、でこぼこした状況の中で戦わなければならない。
そして、その中で、確かにあなたが思うように、前任者によって、今の仕事は大きく影響を受けるのである。

 

そして、これもよくある話だが、そんなだらしがない、調子がいいだけの前任者でも、意外と、今の課長や職場の人、そして得意先から人気があることも多い。
それは、仕事の面ではからっきしダメだが、人への気遣いだけは天下一品という人も中にはいるからだ。
あなたもこの点は感づいているはずだ。
ということは………、あまり、あなたが、前任者の悪口を言うと、あなたを取り囲む人は、おもしろく思わないケースが多いということではないだろうか。
そして、あなたが、前任者の悪口ばかり言うと、あなた自身が周りの人から悪口を言われるかもしれないのである。
このケースでは、たまたま、あなたは、前任者の人気を感じ取ったが、ほとんどの場合、このことはわからない。
そして、あとで、前任者は、よく課長とゴルフに行っていたとか、得意先と釣りに行っていたということがわかる。
その上、暫く経って、職場の女性から「課長は、前任者の〇〇さんのことが、可愛くて可愛くて仕方がなかったんですよ」なんていう話を聞くのである。

 

要は、私は、あなたが赴任して間もないときは、色々なことがわかるまで、冷静に待った方がいいと言いたいのである。
時が経てば、今度は、前任者の失敗談や、足りなかったところを言う人が出てくるかもしれない。
つまり、前任者の全体像というもの、人が本当のところ前任者をどう思っているかが、わかるまで待った方がいいと思うのである。
その間、あなたは、前任者のやった事実、あるいはやらなかった事実のみを申告し、黙々と仕事を進めた方がいい。

 

ところが、サラリーマン社会では、なかなか、このことができない。
赴任してすぐに言いたくなるのである。
そして、その結果、逆に、「なんだ、今度来たアイツは、前任者の悪口ばかり言いあがって」ということになりかねないのである。
そうすると、スタートからつまずいてしまう。職場になじめなくなってしまう。

 

こんなことばかりを話すと、きっと世のビジネスコンサルタントから「まったくもって、ナンセンス! そんなことは、ものごとの本質ではない。前任者が未処理だったもの、対応していなかったものは、はっきり言えばいいじゃないか」という声が聞こえそうだが、ナンセンスだろうとなんだろうと構わない。
それに、私は、悪口あるいは悪口に聞こえることは言わない方がいいと、言っているのである。
そして、私は、あなたと、いかにビジネスの現場でものごとを上手く処理していくかを目的にしているから、ここで、このテーマを取り上げているのである。

 

サラリーマン社会では、現実問題、あまり、「前任者が、前任者が………」と言うと、人はあまりいい気がしない。
こわいのは、その結果、あなた自身の評価が下がってしまうことがある、ということである。
そんな前任者のことは、たいがい、みんなは知っているのだ。わかっているのだ。
だから、あなたの気持ちはよくわかるが、あまり前任者のことを言わない方がいい。
そして、一方で、まったく逆のケースもあることを頭の隅に置いてもらいたい。
それは、あなたが過去、活躍できたときのことを考えてもらいたい。
前任者が色々畑を耕してくれたおかげだったということはないだろうか。
逆の場合もあるのである。

 

納得はいかないかもしれないが、サラリーマン社会では、大人になるということも必要である。
もし、ここで取り上げたような前任者だったら、話題からも、頭からも放っておいた方がいい。
そして、こんなことで、あなたは、評価を下げる必要はないのである。

 

 

ポイント
①前任者のことを周りの人がどう見ているかがわかるまで、あまり言わない方がいい。
②あまり前任者のことを言うと、自分自身の評価を下げることがある。

 

 

 

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