本田健『大富豪からの手紙』感動の秘密は第9の手紙にある!

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大富豪からの手紙 大富豪からの手紙
本田 健

ダイヤモンド社 2018-03-08

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なぜ本田健氏の『大富豪からの手紙』はヒットしているのだろうか?
成功法則については、言いつくされ感、書きつくされ感がある。
ブログを見ても、いろいろな人が同じようなことを書いている。
本田健氏の本と並び成功法則本の代表格である水野敬也氏の『夢をかなえるゾウ』の中でも、ガーシャは「ワシが教えてきたこと、実は、自分の(注:大阪弁 あなたの)本棚に入っている本に書いてあることなんや。ワシの教えてきたことには何の目新しさもないんやで」と言い、実際、『夢をかなえるゾウ』の巻末にはおびただしいほどの成功法則の参考文献が掲載されている。
『大富豪からの手紙』にも、巻末に参考資料と引用が掲載されている。
つまり、成功法則は過去からずっと言われてきたことであり、それをまとめ上げたのが成功法則本ということになる。

 

それにもかかわらず、『大富豪からの手紙』はヒットしている。
その理由には、もちろん、本田健氏が上っ面の言葉でなく、練りに練ったストーリーと言葉で語っていることもあるが、その謎は、この本の第9の手紙にありそうだ。
『大富豪からの手紙』には9通の手紙が紹介されているが、読者は、第1の手紙~第8の手紙までの「偶然」「決断」「直感」「行動」「お金」「仕事」「失敗」「人間関係」を読むと、「あれ、これと同じことを読んだ記憶がある」と、きっと思う。
ところが、最後の手紙である第9の手紙「運命」を読み終えると、読者は、読み終えたという感覚に加え、成功法則が自分に溶け込んだような感覚を覚える。感動の余韻も残る。

 

この第9の手紙の存在が、『大富豪からの手紙』を他の成功法則本とは違った存在にしていることはたしかだ。
第9の手紙には何が書かれているのだろうか?
大富豪であった祖父は、
「『運命』と同じような言葉に、『宿命』という言葉がある。でも、実は、この2つの言葉は似ているようで、まったく違う意味を持つんだよ。
・『宿命』は、宿る命。自分がうまれたときにきまっているもの
・『運命』は、運ぶ命。どうやって生きるかは、キミが自由に決められる」と言い、
その後に
「宿命と運命の境界線は、自分で引くことができる」と言っている。
つまり、運命は自分で切り拓くことができるーこれこそが、この本のテーマのはずだ。

 

読者は、本の最後にこの本のテーマに気づき、第1~第8の手紙は、運命を切り拓く要因、手段だったことがわかる。
きっと、第2の手紙で「決断をすること=自分の新しい未来を創り出すこと」と言った主人公の祖父の言葉を改めて振り返るはずだ。
『大富豪からの手紙』の真骨頂は、成功法則を逆残で振り返させることにあったのだ。
そして、成功法則の根底には源流のようなものがあることを、読者に知らしているのだ。
この設定が読者に感動を与えている。

 

 

人は「成功」という概念は、あまりにも曖昧なことを知っている。その概念は、どれを、どこまでやり、どのような結果、程度になったら成功と言えるのか、まったく示していない。
誰も答えを出せないものだから、社会的に地位を得た人、富を得た人、売れっ子を成功者にしてしまう。そのうち、成功には幸せといったものも必要なことに気づき、今度は「幸せな成功者」という概念を作り上げる。こうした成功者の成功要因を分析し、共通項をまとめ上げたものが成功法則と言える。
そして、ビジネス書作家やセミナー講師などは「成功したいなら、成功者をまねる」ことを徹底的に勧め、一方の口で、「成功者とは、人と違ったことをやった人だ」と言い切る。
みんな、何が何だかわからなくなるが、それ以外の拠り所がないため、こうした成功法則を受けいれる。

 

しかし、『大富豪からの手紙』の第9の手紙を読んで、忘れかけていたことに気づく。
それは、自分という存在だ。
いままでの成功法則には、自分はいなかった。あったのは他人の成功であり、しかも結果論だった。
第9の手紙が示すように、人には、たしかに宿命も存在するし、宿命の影響度合いも人により大きく異なる。
その上、宿命と運命の境界線の引き方も人によって異なる。
このことは、成功法則自体を議論しても、そこから得るものはほとんどないことを示している。
そんな手ごたえのない議論より、重要なことは、第9の手紙で著者が示した、人生には宿命と運命が存在することを知り、その線引きを自分の意思で行い、自分の人生を生きることではないかと思う。

 

 

 

 

(成功を考えるとき、参考にしたい他の本)

夢をかなえるゾウ文庫版

仕事は楽しいかね? (きこ書房)

 

 

 

 

 

 

◆新百合丘総合研究所の「こっそり差をつけたい」人のための本

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