応接室で待っている間、出されたお茶を飲んでもよいか?

(題材)DVDで学ぶ!できる人のビジネスマナー から

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応接室に通され、先方を待っている間、出されたお茶を飲んでもよいのか、悪いのか?

 

実際のビジネスでよく遭遇する場面だが、みなさんは、そんな場合「かまわない」とも教えられているし、「飲んではいけない」とも教えられているのではないだろうか?
実際のところはよくわからないーこれがビジネスマナーなのである。

 

そして、こうした迷うケースは、たいがいビジネスマナーの本には載っていないものだが、このケースをはっきり取り上げている本を見つけた。
その本は『DVDで学ぶ!できる人のビジネスマナー 』である。
しかも、DVDの中に、取り上げられていた。

 

残念ながらこの本は、Amazonで検索する限り、どうやら中古しか出回っていない。
DVDでの解説は、この本の監修者である内藤京子氏が行っているが、内藤氏の話し方、話すしぐさを見ているだけで、まさしくこれがビジネスマナーだと思えるだけに、非常に残念である。

 

この本(DVD)の答えは
「飲んでもかまわない。しかし1/3以上はお茶を残しておく」である。

 

どうして1/3以上かというと、相手にお茶を入れ直さなければならないという気づかいを、起こさせないためだと言う。

 

しかし、この点に関しては、いろいろな意見があるのではないだろうか?

 

実は、私はビジネスマナーの本を書いたときに、「お詫び訪問に行く場合、一番重要なことはなにか?」の中で、出されたお茶のことを当初書こうと思っていた。
それは、お詫び訪問では、たいがいお茶が出たまま待たされるからだ。

 

そんなとき、私は「ぜったいに口をつけるな!」と書くつもりでいた。
それは、お詫び訪問で待たされている間にお茶を飲むことは、私が提唱する「自分の頭で考える」と、とてもおかしいからだ。
しかし、私はあえて書かなかった。
それは、こうしたことを書くと、とかく形から入ることを心配したからである。

 

私は、本の中で、お詫び訪問するときに一番重要なことは、「本当に申し訳ないと思う気持ち」だと書いた。
この「本当に申し訳ないと思う気持ち」なくして、いくら謝罪しても、相手はけっして納得しないからである。
そして、「本当に申し訳ないと思う気持ち」があれば、出されたお茶など飲むわけないのである。だから、私は書かなかった。

 

さて、先方を待っている間に出されたお茶について、私の考え方をお話ししたい。
私は、お茶はもちろん飲むために出されたものだが、できれば、飲まない方がいいと思っている。
もし、どうしてもというときは、口をつける程度がいいと思う。

 

その理由の一つは、先方が応接室に入ってきたとき、茶碗に入ったお茶が減っていると、相手に「待たせてしまった」と思わせるからである。

 

そして、もう一つの理由は、ビジネスというものは、相手との歩調が大事だと思うからである。
それは、「さあ、話しましょう」というときに、こちら側の茶碗のお茶が減っていると、歩調がそろわないと思う。
だから、私は、お茶は相手と同時に口をつけるものだと思うのである。

 

さて、みなさんの答えはどうだっただろうか? 私は、みなさんが「いや、私はこう思う」と自分の頭で結論を出したならば、その答えは正解だと思っている。
そして、そう考えることができたならば、ビジネスマナーの本に書かれていないどんなシチュエーションに遭遇しても迷うことはなくなる。

 

重要なことは、「自分の頭で考える」ことである。

 

私の考えは、「ビジネスマナーは、基本形はあるものの、その場その場の状況や雰囲気で答えは変わるものである。決まった正解などない。重要なことは、自分の頭で考えるということである。自分自身の頭で考えて導き出された答えは、それだけで正解である」 (なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか)から
参考にしていただきたい。

 

 

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どういう場合に「了解しました」と言うか考える

ネットを見ると、「了解しました」、「承知しました」あるいは、「了解いたしました」、「承知いたしました」の意味の違いが、いやになるほど、載っている。

 

そして、目上の人には、「了解しました」ではなく、「承知いたしました」と言うのがマナーであることは、よく知られているところである。

 

しかし、私は、言葉の語源や本来の意味、どの言葉が敬語であることを考えることは、とても大事だと思うが、そのことを厳密に調べ出すと、きりがなくなるということを、まず、みなさんに知ってもらいたい。

 

私は国語学者でないので詳細はわからないが、「承知いたしました」は謙譲表現であることに間違いはないが、その謙譲表現であるゆえは、実は「いたしました」の方にあり、「承知」自体にはその意味がないという説と、「承知」には、「承る」という言葉があるから、謙譲語であるという説もある。

 

そして、私は、こんなことを言うとお叱りを受けるが、厳密を期す必要など、ないと思っている。

 

そんなことよりも、言葉を使うときに、その言葉を使うことに「違和感」を感じるか、感じないかが非常に大事だと思っている。

 

ビジネスマナーだって同じである。
本来の意味を厳密に探ると、きっと諸説紛々になる。

 

それよりも、ビジネスパーソンの「あれ? これちょっと変だぞ」、「おかしいぞ」、「これでいいのか?」という感覚の方がよほど大切で、私は、そんな「違和感」を感じたら、「違和感」を避ける方の道を選べば、ビジネスマナーはたいがいうまくいくと、『なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか』で書いた。

 

そして、言葉の意味という点で、私は、その中で、「得意先の部長に、『ご無沙汰しております』と言うべきか」を取り上げた。
ご無沙汰の「沙汰」は消息や便りのことをいうから、表現上は、得意先の部長に「ご無沙汰しております」と言うことは、まったく正しいことになる。
しかし、私は、得意先の部長にそのように言うことをためらったのである。

 

さて、「了解しました」、「承知しました」であるが、私は、「了解しました」が、どんな場面で使われているのかを、みなさんに考えてもらいたいと思っている。

 

電車の業務放送で使われていないだろうか?

 

「業務連絡。3号車のお客さまが………」と流れ、
それに呼応する形で、受け側は「了解しました」と答えていないだろうか?

 

「了解しました」は、まさに、こうした場面で使う言葉なのである。

 

それは、受け側が、「理解した」、「わかった」という場面で、使う言葉なのである。

 

ということは、やはり、上司などの目上の人に「了解しました」と言うのは、ちょっと相応しくないということになる。

 

いろいろ、理屈をつけて議論することも大事だが、こう考える方がわかりやすくないだろうか?

 

私は、言葉づかいで迷うときは、その言葉が、「どういう場面で使われるとすっきりするか」を考えることが、とても大事だと思っている。

 

そして、みなさんは、日常の生活で、そんな言葉の使われ方に、ちょっと耳を澄ませてもらいたい。
こんなことに注意を向けていくと、みなさんは、言葉づかいで迷うことがなくなる。

 

言葉づかいも、ビジネスマナーも、その場面で、その言葉が、その作法がすっきりするかどうかである。
そこに焦点を当てたのが、私が提唱する実践ビジネスマナーである。

 

 

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上司におごってもらったときは、体も引き下がる

『なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか」で書き残したことがある。
それは、先日、若いビジネスマンから「私のビジネスマナーを見てください」と言われ、私が昼食をおごったときに感じたことである。

 

それは、「上司におごってもらったときは、体も引き下がる」である。

 

よく、上司におごってもらうことがある。
そんなとき、部下は、お礼の意を尽くそうとして、上司が会計しているとき、レジの傍でずっと待っていることが多い。

 

しかし、上司は、そんな会計をしているとき、あまり傍に立たれると、あまりいい気はしない。

 

この上司の感覚が、どこから来るのかは、けっこう複雑である。

 

一つには、金額がわかってしまうということがある。
また、照れくささのようなものもある。
あるいは、いつまでも、自分にまとまりついていることを、鬱陶しく思うのかもしれない。

 

もっと言うと、上司の中には、自分の財布の中身を知られることを嫌う人がいるかもしれない。

 

それでは、こういう場合、部下は、どうしたらいいのだろう?
答えは一つ。それは、お礼を言い、上司が会計している際に、店の外で待つことである。
そして、会計を済ませた上司が店から出てきたときに、改めて、「ごちそうになりました」ということである。

 

こんなことは、ビジネスマナーの本には書いていない。
しかし、非常に惜しい記述のビジネスマナーの本があった。

 

その本には、「上司がごちそうしてくれる場合は、お礼を言って引き下がります」(『DVDで学ぶ!できる人のビジネスマナー 』西東社)と、記述されていた。

 

しかし、この本で書かれている「引き下がります」は、上司の申し出を素直に受けることも必要という意味だと思う。

 

そして、私は、同時に体も引き下がってもらいたいと思うのである。

 

さて、「できる人」、「気がつく人」は、こんな上司が会計をしているとき、傍で立っていることに、なにか違和感を感じる。
この違和感が、私は、ビジネスマナーの根幹だと思っている。

 

そして、ビジネスパーソンが、ビジネスの場で、上司と一緒のとき、得意先を訪問するとき、お客さまと一緒のとき、違和感を覚える瞬間を、拙著『「できる社員」はビジネスマナーを守らない」に思いつくまま書いたつもりだったが、どうやら、漏れがあったようだ。

 

同署には、本題と似たような上司の気持ちを表現した「『できる社員』は出張先で上司と一緒に朝食をとらない」を掲載しているので、興味のある方は、参照願いたい。

 

・なお、本テーマの補足編を3月12日配信予定の私のメルマガ「本に書かれていないビジネスの流儀」に掲載しているので、興味のある方は、併せてご確認いただきたい。
テーマは、「上司が部下に見られたくない一瞬」である)

 

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恐縮しすぎるのもマナー違反?

前回、名刺を切らした場合の対応について、ある週刊誌の記者の方からの取材を基にお話しした。
しかし、実は、その方のお話には、まだ続きがあるのである。

 

その方は、「若いビジネスマンは、名刺を切らしたことを、よほど気にしたと見えて、何度も何度も私に謝るのです」とお話しされた。

 

この話を聞いて、みなさんはピンと来ないだろうか?

 

それは、週刊誌の記者の方は、何度も何度も謝れたことも、不快に感じているということである。
そして、そのビジネスマンは、そんな相手の感情を察することなく、「名刺をあとで送らせていただきます」と言っているのである。

 

しかし、私は、その若いビジネスマンの気持ちも痛いほどわかるのである。
それは、そのビジネスマンは、きっと、ビジネスマナーの本をかなり熱心に読んだのだろう。
そして、自分が名刺を切らしたことを、たいへんなこととして受け止めたからだろう。

 

きっと、ビジネスマナー違反がコンプライアンス違反と同等のように思えたのだろう。
だから、何度も何度も謝ったのだと思う。

 

しかし、そのビジネスマンの方には、もう一歩、そこから考えてもらいかったと、私は考えている。
それは、私がビジネスマナーについて、いつも語る相手の気持ちである。

 

きっと、何度も何度も謝れる相手は、(もう起きちゃったことなんだから、仕方がないじゃない)と思っているはずである。
もっと言うならば、それを、うじうじ言われること自体に腹が立ってくるのではないかと思う。

 

私は、ビジネスマナーの先生方からはお叱りを受けるかもしれないが、ビジネスマナーを完璧にこなすことは、難しいというより、不可能に近いと思っている。
しかし、自分がビジネスマナーに反したと気づいたときは、心から失礼を詫びる必要があると思っている。

 

だが、その失礼に、あまりこだわってばかりいると、相手は不快になる。
だから、私は、失礼を詫び、その失礼と早く決着をつけることも、ビジネスマナーだと思うのである。

 

さて、私は、多くのビジネスマナーの本を読んで、けだし名言と思ったものがある。
それは、以前にブログでも紹介したが、2015.05.04号のPRESIDENTに載っていたアイランド・ブレイン代表取締役 嶋 基裕の「雑すぎても丁寧すぎてもマナー違反」という言葉である。

 

まさに、雑なマナーを受ける人だけでなく、丁寧すぎるマナーを受ける人も不快に感じることがあることを端的に表現していると思っている。

 

そして、その嶋氏の言葉を真似れば、私は、「恐縮しすぎるのもマナー違反」だと思うのである。

 

 

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名刺を切らした場合、後日、一筆書いて郵送するは本当か?

ある週刊誌の記者の方から、『なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないか』の取材を受けた際に、聞かれたことがある。

 

私は、その方から、「先日、まだ入社して間もない感じのビジネスマンの人が来られたのですが、その人は、名刺を切らしていたことをたいへん気にして、後日、郵送すると言うのです………。どう、思われますか?」と聞かれた。

 

そして、その週刊誌の方は、「その方からは、メールももらっているし、どこの誰だかわかっているんだから……」とも言ったのである。

 

たしかに、多くのビジネスマナーの本には、「名刺を切らした場合は、後日、名刺とともに一筆書いて郵送する」と書かれている。

 

さあ、そのビジネスマンが取ろうとした行動が、本当に正しいのか、ぜひ、みなさんに考えてもらいたい。
きっと、拙著を読まれた方は、もう自分なりの結論を出しているのではないかと思う。

 

ヒントを言おう。
拙著では、「ビジネスマナーを鵜呑みにしない⇒自分の頭で考えることが大事」と書いた。
これが、ビジネスマナーを考えるとき、すべてのヒントである。

 

それでは、私の答えと考え方をお話ししたい。

 

本件のような場合、もう相手に、違和感を持たれているのである。
きっと、週刊誌の編集の方の頭には、「そんなあとで、名刺を送られてきても……」と思っている。
自分の頭で考えると、そんな違和感に気づくのである。

 

そして、さらに自分の頭で考えると、
「たしかに、後日、名刺を送るというのも、なにか変だな」と思えてくる。
そして、「後日、郵送された名刺を受け取った人も、ちょっと迷惑するのでは……」と思えてくる。
「かえって、失礼にあたるのではないか」とも思えてくる。
また、その人が、わざわざ、送った封筒をはさみを入れ、名刺を取り出す光景のようなものもイメージできる。

 

しかし、一方で、「相手の手元に、自分の名刺がないことは、自分に連絡をつけたり、郵送物を送るときに不便かもしれない」とも思う。

 

ここまで、自分の頭で考えることができたら、もう答えは自ずと導き出されている。

 

(私の解答例)

 

1.訪問した会社が、自分の会社の近くだった場合は、後日、訪問して名刺を届ける。

 

2.その際、アポなどもちろんいらない。
・名刺を渡すことができなかった人が在席していた場合は、「先日は、失礼いたしました」と言って、渡す。
・不在の場合は、受付に出てきた人に、事情を話して渡す。

 

3.訪問した会社が遠隔地の場合で、めったに行けないときは、ビジネスマナーの本に倣い、一筆書いて郵送するか、
それをやることに違和感を覚えるとき(名刺を切らした際の相手の反応、雰囲気)は、名刺を送らない。

 

上記は、あくまでも私の考え方である。
もし、みなさんが、違う答えを考えたということならば、その答えは、考えて思いついたこと自体で、正解に限りなく違いはずである。

 

重要なことは、その場の雰囲気や状況から、みなさんの頭で考え、結論を出すことである。

 

みなさんが、その場の雰囲気や状況から見て、違和感を覚えない方法を考えることができたなら、それは、限りなく正解に近い。

 

 

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