一流の男 一流の風格 あの人はなぜ、一目置かれるのか
中谷 彰宏 日本実業出版社 2013-03-09 |
著者の名前を知っている人は多いだろう。なんと900冊以上!の著書があるからだ。
私もいつか、この人の本を読もうと思っていたが、なかなかその機会がなかった。
私は、常々「一流の人ってどういう人だろうか?」と考え、いまだに、よくわからないでいる。そんなときに、「一流」で検索したところ、ズラリと中谷氏の本が出てきた。「一流」にこだわっている人だなと思い、購入した本がこの本である。
先日、ある人に中谷氏の本を読んだと話したところ、「そうですか、読まれたんですか………。古本屋に行くと、ズラッと著書が並べられていますね」と言われた。
また、中谷氏の著書の書評をざっと見たところ、評価が両極端に分かれているのである。各著書がこれほど、両極端に分かれるということは不思議だなと思っていた。
さて、この本は1時間もあれば読めてしまう。64項目に及び「一流の『風格』の作法」を二流の人との対比で述べている。
「あっけなく読み終えてしまった」というのが多くの読者の読後感だと思う。
これは、(本の中身ではなく)各ページの空白部分が多くスカスカであるからこそ読みやすかったということかもしれない。
このことについては、私は若干、弁護(?)しておきたい。
それは、本書の22「一流の男は話が短い」にあるように、著者は多分、ぐだぐだ言うことが本質的でないと思っているのだろう。ズバッと自分の思うことを言い、「それ以上のものでもそれ以下のものはない」と考える人なのだろう。
それは著者が、これが一流の人の特徴であると考えているからである。
その証拠に、この本の前袖に、「一流の人は、話が短い」と書いてあるではないか。
これが、この本のテーマと言っていいのである。
正直、この本について、色々な批判はあると思うが、まずこの点は押さえておかなければならないことだと思う。
本の中身に入るが、確かに一流の人はこういう特徴を持っているとは思うものの、「あれ?」と思うところも結構ある。
その代表が、「02 一流の男は、名刺を帰りがけに出す」である。
しかも、「全員ではなく、『この人』と決めた人だけに渡します」と言っている。
その適否は別にして、みなさんは、このことを、実際のビジネス社会で本当に実行した場合、どのようなことになるかイメージいただくだけで十分だと思う。
逆に、これは、参考になるなと思うところを挙げておく。
「06 一流の男は、すすめられた上座に、さっと座る」
「自分が上座に座ることでみんなが早く座れるというシチュエーションでは上座に座り、下座に座ることでみんなが居心地悪くなく座れるなら下座に座ればいいのです」
「41 タダは、悪いものを引き寄せる」
「60 一流の男は、より好みをしない」
「一流の男は、選別しません。
自分に起こっていることは、いいことに違いないと信じているのです。
起こったことはいいことに持っていこうとします。
来た仕事も断りません。
せっかく来たチャンスを大切にするのが、一流の男なのです」
これは、非常に大事にしたいところだが、先に述べた名刺を、「全員ではなく、『この人』と決めた人だけに渡します」とちょっと矛盾しているような気がする。出会い、縁を大切にするなら、やはり、全員に名刺を渡すべきだと思うが、どうだろうか?
また、興味深いのは、ビジネス書によっては、来た仕事などを選別すると書いている本もあることである。
正直、それ以外の項目は、著者がそう思っていること、あるいは、どの本でも言われていることである。
すごく気になる点は、各項目にはポイントが書いてあるが、内容と一致しないものが多い。どうしてそんな風なポイントに凝縮されてしまうの?と思うことが多かった。
あとは、「一流の人」「一流の人はこうだ」とちょっと、読者をあっちにこっちに振り回し過ぎの印象を受ける。
もしかして、この本は著者が口頭で語ったものを、編集したのではないかと思ってしまうのである。
私は、本というものは、読者の心に残ることが非常に大切だと思っている。
どうだろうか? みなさんで、その判断をしてもらいたい。
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