部下の仕事を待てないのは、「待てる時間」をハッキリ伝えていないから

いつも、「あれ、どうなった?」と言う上司より、黙って待ってくれる上司の方が好かれるに決まっている。

 

私は、「出世する人」の究極は「待てる人」ではないかと考え、拙著『ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!』の最終項で説明した。

 

それからも、私は「待つ」という動作を見続けてきた。
上司と部下の会話に、いっそう耳を澄ませた。
その結果、やはり上司は部下に「あれ、どうなった?」を連発している。
そんな上司と部下の会話を聞いていて、あることに気づいた。
上司の優先順位や期日感が部下とズレていることだ。
もっと言えば、「上司はちゃんと期日を伝えているのだろうか」という疑問が湧いてきた。

 

じつは、この点について、私と同じような考えを持っている人がいる。
安田正氏は、著書の中で、「『なぜ』と『いつまで』を2点セットで言うことが必要であり、2点セットにプラスして、相手の「許可を得る」形で依頼することが必要だと述べている。つまり、「お願いします」ではなく、「お願いできますか?」と言うことだ。(『できる人は必ず持っている一流の気くばり力 (単行本)』

 

上司には、安田氏が言う「なぜ」が欠けていることは事実だ。
「来週の水曜日に会議があるから」「今週の金曜日に、役員に報告しなければならないから」という理由をハッキリ言わない上司は多い。

 

考えたいのは、安田氏が言う、「お願いします」ではなく、「お願いできますか?」と言い方の部分だ。
上司が部下に依頼するときも、依頼の形をとることが必要だ。
しかし、現実は、上司は部下にお願いすることが苦手なのだ。

 

お願いするときも、部下の手が空いたときを見計らい、依頼するときも、「やってくれるか」といったニュアンスで言う。
いまの世の中、上司はパワハラをおそれて、「必ず、○曜日までにやっておけよ!」と言えないのかもしれない。
問題は、その結果、ちゃんと頼んでいないことも多いのだ。

 

上司が部下に依頼するとき、「なぜ」の部分が欠け落ちていることは間違いないが、ちゃんとお願いしていないことによるズレの方が、私は、上司と部下の会話を聞いて思ったのだ。
だから、上司はちゃんとお願いしていないことを、待っているという、おかしな現象が生じている。

 

 

あなたが部下に仕事を依頼するときは、安田氏が言うように、依頼の形をとり、また理由も示して、「来週金曜日に開かれる〇〇会議に、ウチの課の報告があるから、火曜日の午前中までに作ってくれるか」とお願いしたらいい。
そのうえで、部下の返答を聞くのだ。

 

部下から、「来週の水曜日までだったら、なんとかできます」という答えが返ってきたら、
「OK。それでいいよ。だが、できれば午前中でお願いできるか」と言い、また、部下の返答を聞いたほうがいいと思う。
いまの例で、なぜ「午前中」にこだわっているかと言えば、「〇〇日中」という期限を切ると、いろいろな解釈が成り立ってしまうからだ。
また、「午前中」という言葉を使うことによって、期日意識を強める狙いもある。
その意味では、「〇〇時まで」という言い方がいいが、その時刻によほど意味がないと、形だけの言葉になる。

 

どっぷり疲れてしまうような話だが、ここで労を厭わないことが、のちのち、上司を楽にさせるのだ。
部下にとっても、いつも、「あれ、どうなった?」ときかれるよりマシなのである。

 

 

さて、問題はここからだ。
部下と期日を握ったならば、その瞬間から、頼んだことには触れないことだ。
それが、「待つ」ということなのだ。
部下を信頼するということなのである。
そんな「待てる」上司は、部下から好かれる。

 

いまの時代、部下からの評価は出世の決め手になっている。

「待てる」ために、「待てる」状況を作り出すことが必要なのだ。

 

 

 

年末発売予定の
『出世するビジネスマナー 「出世しぐさ」を身につければ、あなたは出世する!』から抜粋

 

 

 

 

 

 

 

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