上の人から折り返しの電話をもらわない

このテーマは、サラリーマンが誰から教わるでもなしに知らず知らずに覚えていく技術の代表格である。
そして、覚えていく過程で失敗する代表格でもある。
さらに言うと、長年サラリーマンを経験しているにもかかわらず、いまだにこのことを知らない人が多い代表格でもある。

 

あなたは、ある用事があって部長に電話をする。
あなたは出先の営業店で働いているが、部長は違う場所にいるからだ。
あなたが電話すると、部長の秘書のような女性が出て、「部長は、あいにく電話中です。折り返し電話をしましょうか」と言う。
あなたは、「それではお願いします」と言い、電話を切る。
暫くして、部長から折り返しの電話が入る。
あなたは、「これでいいじゃないか。いったい、何が問題なんだ」と思っているはずである。

 

しかし、このやり取りを、女性がメモにして部長に渡した場合のことを考えると、問題がクローズアップしてくる。
メモは3パターンある。
①「〇〇営業所の××さんが電話をいただきたいとのことです」 (本件の場合である)
②「○○営業所の××さんから電話がありました」
③「〇〇営業所の××さんから電話がありました。また、お電話するそうです」

 

どうだろうか? あなたが部長の立場に立って考えてもらいたい。
①のメモを見たとき、少し驚くのではないだろうか。
「何があったんだ?」と思う人もいるはずだ。
それが、電話をしてみたら、「この間の件ですが………」と言われたら、少しむっとするのではないだろうか。
そして、ここが本論だが、「電話をくれ」という伝言は、上の人が下の人に言う言葉なのである。
それを言うと、「ナンセンスだ!」と言う人がいると思うが、組織とはそういうものである。
またこれが上下関係の礼儀である。

 

実際、私は、サラリーマン経験の中で、毎回毎回、上司に「電話をくれ」と言う人に、その上司がキレたという話を聞いた。
その上司はこう言ったのである。「どっちが、上なんだ?」と。
これは、やはり、毎回毎回「電話をくれ」と言う部下の方が悪いのである。毎日、上司の机の上に特定の部下から「電話をくれ」というメモが置かれている光景を想像してもらえばわかるはずである。

 

それでは、こうしたケースは、どうしたらいいかと言うと、前に示したメモのパターンの②と③がいい。
すなわち、電話に出た人に、「電話があった旨をお伝えください」「また、こちらの方から電話いたします」が正解である。
こう言うと、あなたは、「そんなまだらっこしいことよりも、折り返しの電話をもらった方が、こっちも待たなくて済むし確実じゃないか」と思うかもしれないが、大丈夫である。
日本のサラリーマン社会で上司と呼ばれる人の多くは、「××さんから電話がありました」という伝言やメモがあったときは、「どうした? なにかあったか?」と折り返しの電話をくれる。
それは、上司は、部下からの電話というものを決して疎かにしないからである。
もし、上司からの折り返しの電話がないときは、立て込んでいる場合が多い。そんなときは、頃合いを見て、もう一度、あなたから電話をすればいい。

 

さて、ここでは社内の上下関係での折り返し電話について取り上げたが、重要なことは、こうしたマナーを理解していない人は、きっと、得意先などの外部の人にもやっているということである。
やはり、お客に対しても「電話をくれ」とやっているのである。
それが、なぜ、いけないかはいちいち説明することもないだろう。それは、お客さまからいい印象を持たれないというよりは、最早お客さま対応ではないのである。ビジネスの世界ではないのである。
そして、サラリーマン社会やビジネスの世界では、デリカシーのない人は嫌われるということも忘れないでもらいたい。

 

なお、社内外を問わず、緊急で折り返しの電話が欲しい場合は、緊急の旨を電話に出た人に伝え、「ご連絡をいただきたい」と言う。この場合でも、「電話をもらいたい」というのではなく、「ご連絡をいただきたい」と言うのである。

 

 

ポイント
①社内の上役あるいはお客さまに「電話をくれ」ということは失礼である。
②緊急の場合は、「ご連絡をいただきたい」と言う。
③ビジネスの世界ではデリカシーのない人は嫌われる。

 

 

 

 

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サラリーマンの本質

 

 

 

「上の者を出せ」と言われても、できる限り頑張る

サラリーマンなら誰しも経験するのがこの言葉である。
それは、「おまえじゃだめだ。上の者を出せ」「社長を出せ」「支店長を出せ」という言葉である。
激高したお客が言う言葉である。
客先にお詫び訪問したときやお客が店頭に来て興奮したときに叫ぶ言葉である。
あなたはこの試練を必ず味わうはずである。

 

この試練にあなたは、どう立ち向かうか? これが今回のテーマである。
あなたは、「社長を出せ」と言われて、まさか社長は出さないだろう。社長に連絡はしないだろう。
「支店長を出せ」と言われた時も、おそらく出さないだろう。
しかし、「上の者を出せ」と言われたら、一瞬迷うのではないだろうか。

 

こんなトラブル対応でも原則がある。
それを、あなたと一緒に考えていこう。
仮に、「上の者を出せ」と言われ、あなたは、先輩格の社員を出したとしよう。
しかし、お客は納得しない。先輩格の社員を指さし、「お前じゃ話にならない。責任者を出せ」と言うだろう。
今度は、課長がその応対をすることになる。
すると、お客は、課長に向かって言う。「お前はここの責任者か? どうなんだ? 課の責任者? それじゃ話にならん。店の責任者を呼べ」となる。
それではと、今度は支店長を出す。
そうすると、お客は、「お前が支店長か? オレが言ったことを社長に伝えろよ。そして、社長をオレのところに連れてこい」と言う。
すなわち、誰が出ても、お客は、「お前じゃだめだ」と言い続けるのである。最終的には、「社長じゃないとだめだ」ということになりかねないのである。
しかし、どこの世界に、「はい、わかりました」と社長を出す会社があるだろうか。
だから、サラリーマンは苦しむのである。悩むのである。トラブル対応に時間をかけるのである。

 

ここから問題の整理に入る。
もし、対応した人全員が上に上にとつないでいけば、それこそ激高したお客の言うとおり社長を出さなければならなくなる。
それで、本当にいいのかという問題がある。
これが1番目のポイントである。
次に、仮に社長が出た場合に、本当に問題が解決するだろうか。
社長は実務のことをまったく知らないのである。それに、社長が出たら出たで、さらなる要求が出る可能性も大いにある。
すなわち、社長が出たからといっても問題は解決するとは限らないのである。
これが2番目のポイントである。

 

この問題は、誰かが持ちこたえない限り、切りがなく上に上にと行く問題である。
つまり、1番目のポイントである。
そして、問題は、誰が持ちこたえるかということである。
答えは非常に難しいが、私は、事情を一番知っている人が持ちこたえなくてはならないと思っている。
つまり、初期の対応をした人が持ちこたえなくてはならないと考える。
それは、あなたである。
つまり、2番目のポイントである。

 

もちろん、実際には、上の人を出して解決する場合も多くある。それは、お客が、「まあ、この人が出てきたなら仕方がない」と矛を収めるからだ。役職がまさに利いたということになる。
しかし、先に述べたように、上の人が出たからと言って解決する保証はどこにもないのである。
それに、上になればなるほど実務に疎くなるということも頭に入れておいた方がいい。
実務に疎いために、「なにもわかってないじゃないか!」とかえってお客の感情を逆なでする可能性があるのである。

 

そう考えると、実務に疎い上の人が出て解決する場合も、その前に、事情を一番よく知っている人が、できる限りの説明をしなければいけないということになる。
上の人が出て解決する場合も、この下地があるからこそ解決するということを忘れてはならない。

 

しかし、まだ、あなたは、「それは、わかったけど、お客は自分の話など一切聞こうとはしない。そんなときは、どうするんだ?」と言うかもしれない。
そんなときに、相手に言う言葉、伝える言葉がある。
それは、「私は、会社を代表してお話ししているんです」という言葉である。
実際に若い社員がこの言葉をお客に言うということは、難しいことはわかっている。
それが言えないときは、ぜひ、自分の心に向かって「私は、会社を代表している」と言ってもらいたい。
この「自分は会社を代表している」という気持ちは、絶対に相手に伝わるはずである。
そして、この気持ちがトラブル解決の大きなポイントとなるのである。

 

サラリーマン社会では、このトラブル対応というものを、会社も、上司も、周りもよく見ている。
そこでの頑張り、持ちこたえというものを見ている。
そこを、「上の者を出せ」と言われて、「はいはい、わかりました」と安易につないではダメである。
もちろん、上の者に速やかに報告することは不可欠である。しかし、上の者を出す場合でも、一番の当事者である自分が、説明の限りを尽くす、あるいは、お詫びの限りを尽くす、相手の理解を得るために全力を尽くすということが必要である。
そして、そういう気持ちがあるとき、トラブルは解決するものなのである。

 

 

ポイント
①トラブルは、誰かが持ちこたえないと切りがなく上に上にと行く。
②そして、一番持ちこたえなくてはならない人は、一番事情を知っている人である。
③自分は会社を代表して対応しているという気持ちが必要であり、それは相手にも伝わる。
 そして、そんな気持ちがあると、トラブルは解決に向かう。

 

 

 

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サラリーマンの本質

 

 

 

得意先を辞去するときは、視界から消えるまで我慢する

サラリーマンが必ずやってしまう失敗の一つである。
得意先との商談が上手くいった。得意先からエレベーターまで見送られ、あなたは、課長とエレベーターに乗る。
エレベーターの扉が閉まるや否や、あなたは、「上手くいきましたね」と課長に笑いながら話しかける。
課長も、「そうだな。今日は、〇〇さんはいつもと違って機嫌がよかったな」と答える。

 

こういうことは、絶対にやってはいけない。
なにかの拍子にエレベーターの扉が開くかもしれないのだ。
もし、エレベーターが開いて、そんな笑いながら話す姿を相手に見られたら、相手はどう思うだろうか?
「そんなエレベータが開くなんていうこと、ないよ」とあなたは言うかもしれない。
しかし、不思議なことに、そんな様子は相手に伝わるものなのである。

 

また、エレベーターから降り、ロビーを歩くときも、話さない方がいい。
相手の会社の誰に見られているかわからないからだ。
実際、ビジネスの現場では、「さっき、笑いながら話していた人、どこの会社の人なんだ?」と相手の会社の上役などが社内の人に聞くことがあるのだ。
あなたは、人の会社にいるということを忘れてはならない。

 

そして、最も失敗をする場面が車に乗り込むときだ。
車に乗り込むと安心し、つい、いつもの調子に戻り話してしまう。
そんなあなた達の姿を、先方は見ている場合があるのだ。フロアの窓から見ている場合があるのだ。
また、車まで見送りされたときも注意する必要がある。
あなたたちは、先方に礼を言い、立ち去ったつもりだが、相手は、あなた達の車が見えなくなるまで見送っているということはないだろうか?
そんな人は、車に乗り込んだあなたたちの様子を一部始終見ているのである。
もし、これが、お詫び訪問のあとだったら大変である。
先方が、あなたたたちが歯を見せながら車に乗っている姿を見たとしたら、憤慨するどころの話では済まなくなる。そして、完全に、馬鹿にされたと思うだろう。

 

しかし、日本のサラリーマンは、なぜか、得意先を辞去するときに油断するのである。
これは、決してサラリーマン経験の浅い人だけではない。部長も役員も社長も、なぜか油断するのである。
そして、なおかつ、辞去したあと、とんでもない話をしているのである。
「まったく△△部長は、いつもながら理解が鈍いですね。」
「そうそう、いつもわかったような素振りを見せるが、本当のところ、何をわかっていないんじゃないか」
「あ、そうか! それを見破られないとして、いつも、声を荒らげるんですね」
「そういうことになる。頭の悪い人の特徴だよ。ワハハ」
「まったく、課長、キツイわ。ワハハ」

 

ビジネスの失敗というものは、こんなときに起きるのである。
相手が、馬鹿にされたと思うときに起きるのである。
訪問を終えて、すぐに話したい気持ちはわかる。
しかし、あなたは、相手の視界から消えるまで同行者に話しかけてはいけない。
相手の視界から消えるまで、表情を変えずに無言のまま、我慢してもらいたい。
ここを理解すると、あなたの失敗は減るはずである。

 

 

ポイント
①サラリーマンは訪問を終えたあと、安心感もあり油断する。相手の視界から完全に消えるまでを訪問と考えてもらいたい。
②ビジネスの失敗は些細なことから生じる。特に相手が馬鹿にされたと思うときは、とんでもない事態に発展する。

 

 

 

 

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サラリーマンの本質

 

 

 

面談中のメモは最小限にする

あなたは、多分、このタイトルを見て「えっ?」と驚いているはずである。
なぜならば、あなたは社内外を問わず、面談しているときに手帳に相手の話をできる限り書いているからだ。
実際、あなたの会社でもそうしている人が多い。
また、そうすることが相手への礼儀ではないかと思っている。
それに、確か、そのようにすることを教わったような気がするのだ。

 

あなたのような人は、サラリーマン社会には多い。
そんな人は面談中に、とにかく音が聞こえるくらいに一生懸命書き取る。
しかし、それは間違いである。勘違いしている。
そして、その人たちは、不幸にも、今までそのことについて人から注意を受けなかった人たちである。

 

それでは、何を勘違いしているのであろうか?
確かに、サラリーマン社会では、会議中に上役から「なぜ、人の話をノートに取らないんだ?」と叱られる人がいる。
あなたは、そのことと混同しているのではないだろうか?
また、私が最近読んだあるビジネス書にも、これと似たような話が載っていた。
それは、ある企業の若手社員がビジネスコンサルタントに相談に行った際、コンサルタントからメモを取らないことを叱られ、ご丁寧にもノートを手渡される場面が載っていた。そして、そのノートといえば、今はやりの方眼ノートだった。
私はこの箇所を読んだとき、「ああ、こうして勘違いが起きるんだ!」と思った。
つまり、あなたは、会議や打ち合わせでメモを取ることと混同していないだろうか?
そして、さらに言う! あなたには爆弾発言のように聞こえるかもしれないが、私は、会議や打ち合わせの席でもメモを取りまくるのはいかがなものかと思っている。
その理由を、あなたと一緒になって考えてみよう。

 

まず、出発点は、なぜ面談中にメモを取りまくることがいけないかである。
1に、相手に対して失礼である。
それは、相手の顔も見ずに、ひたすらメモを取りつづける光景を考えてみればわかるはずである。
2に、わざとらしい。
いかにも、「あなたの話を寸分漏らさず、書き取りますよ」といったわざとらしい感じを受ける。
もし、この1と2を感じ取れなかったとしたならば、残念ながら相当にビジネスセンスが悪いということになる。
私も書きまくる人を見てきた。
社内ならまだしも、得意先との面談中に、こういうことをやられると同席者として本当に恥ずかしい気持ちになった。
書きまくる人の思惑とは別に、相手から決して好印象は持たれないということを、ぜひ知ってもらいたい。

 

そして、ここが一番重要だが、もともと、面談とは何かということも考えてもらいたい。
人と会っているのである。人と会って話しているのである。
そこには、人の表情がある、人の感情がある。そこから、その人が言わんとすることがわかるということである。
言葉だけではないはずだ。その人の全身からにじみ出ているものがメッセージなのである。
このことを忘れてはならない。
それを、その人が話す言葉をひたすら書き取っていては、人と会っている意味はないのである。
面談途中でメモを取る場合は、メモを取る必要が生じたときに限ると考えてもらいたい。
すなわち、忘れてはならないものをメモに取るのだと考えてもらいたい。

 

これと同じようなことが、会議や打ち合わせの場合でも言える。
なんのために、人が集まっているかである。
話している人の言葉のニュアンス、語気、表情、感情を体で感じ取れるから集まっているのである。
そして人は体感したものから、会議の要点、目的、重要なものを知るのである。
それをひたすら、下を向いてノートに書き取っていては、会議に参加している意味はないのである。

 

かく言う私も、このことを体で覚えていった。
下を向いて会議資料を見たり、ひたすらノートに書き取っていたのでは、意味がない、空しいということを知った。
それに、そんなことをしていては、全然会議に参加している気がしなくなる。集中力も欠けてくる。
そんなことがないように、ひたすら、話している人に集中してもらいたいのである。
話している人が言わんとすることを「読み取って」もらいたいのである。

 

最近、竹田恒泰氏の『日本人が一生使える勉強法』を読んだが、同氏は講演では一切、資料やレジュメを配布したり、映像やパワーポイントなどは使用しないと言っている。
そして、本書では、「せっかくの講演会ですから、生身の人間が身振り手振り、表情、声の強弱を駆使して話すのを直接見聞きしてもらったほうが、聴衆にとっても価値があるはずです」(P184)と言っているのである。

まったく、同感である。

 

さて、「サラリーマンの守る技術」の目的の一つになっているが、サラリーマン社会では、世に言われていることを十分に咀嚼し、現実の世界にあてはめる必要がある。
そして、ここで取り上げた面談中でも、会議中でもメモを取りまくる人は、多分、きっと誰かにそんなことを言われたか、なにかの本を読んでそう自分で解釈した人ではないかと思うのである。
こうした鵜呑みは、サラリーマン社会では本当にこわい。
実務で上手くいかない人は、こんな鵜呑みをした人に多い。
ここで取り上げた面談中にメモを取りまくる人は、きっと今でもそれが正しく、その行為が人の印象をよくすると思い込んでいる人なのである。
そして、こんな鵜呑みにする人が、一番影響を受けるのはビジネス書かもしれない。
自分で本の内容を十分に咀嚼しないと、読めば読むほど、現実の世界から遠ざかるということになりかねない。
ここは、十分に注意してもらいたい。

 

 

ポイント
①面談とは何かということを考える。言葉だけではないはずだ。相手の全身からにじみ出ているものがメッセージである。
②会議でも同じことが言える。メモを取りまくると会議に参加している意味がなくなる。集中力も欠けてくる。
③世の中で言われていることを十分に咀嚼し、現実の世界にあてはめてみることが必要である。

 

 

 

 

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サラリーマンの本質

 

 

 

サラリーマンは借りを作らない

あなたは、得意先から「もう1軒行かないか?」と誘われる。
酔った勢いもあり、行きたいような気持ちにもなるが、「きっと、また高い店だろうな」と思うと同時に、奢ってもらうことに抵抗感もあり、すぐには返答できない。
そして、不思議に思うのは、最初は、軽く一杯から始まっても、2軒目、3軒目と梯子をするうちに、だんだんと飲み代が高くなっていくことである。
そんなこともあり、あなたは尻込みするのである。

 

今回は、ちょっとシリアスな内容になるが、あなたと一緒に、この問題をじっくり考えていこう。
この話は、サラリーマン生活の中で誰もが経験することである。
問題は、あなたが危惧しているように、奢られることにある。
そして、真の問題は、そのことが原因で、奢ってくれた人からの依頼がことわりづらくなることにある。
こうしたことは、社外だけではない。社内でも十分あることだ。
この問題の怖いところは、こうしたことが積み重なって不祥事の温床になってしまうことがあることだ。
だから、「十分に注意しなさい」ということになるが、ここで議論を終えたしまったら意味がないので、この問題の中身を掘り下げて考えてみよう。

 

奢られることの大きな要因は、金銭的な負担にある。
あなたよりも相手の方が金銭的な余裕があるから、奢るのである。
また、あなたは、心では、「借り」を返さなくてはならないと思っていても、現実的には、会社の交際費を使うことは難しい。
それは、会社の交際費は役職者ががっちりと管理しているからだ。
だから、あなたは、奢られ続けることになってしまう。

 

それでは、他のサラリーマンはこの問題に対して、どうしているかと言うと、なかには、あなたが考えているような不安も覚えない「ちゃっかり型」社員も確かに存在する。
この人たちは、自分から、「さあ、もう1軒行きましょう。いつもの店に。〇〇ちゃんの店に」などと言う人である。
甚だ不公平な気がするが、こういう人たちは、悩まないのである。
この問題に悩むのは、あなたのような真面目なサラリーマンであり、真面目ゆえに相手の目的までも察してしまうのである。
「そんなに悩むのなら、誘いをことわればいいじゃないか」と言う人もいると思うが、確かにその通りであり、試してみる必要が大いにある。しかし、現実には、なかなかビジネスの世界では難しいのである。
特に、相手より弱い立場にあるときは、ことわれないのである。気後れしてしまうのである。

 

そんなあなた解決法をアドバイスしたい。
1つは、このことを上司に話すことだ。言いづらいのはわかっているが、話すことだ。
「昨日〇〇商事の××さんに、赤坂に連れていかれ、ごちそうになりました。非常に高い店だと思います」と、事実を一気に話してもらいたい。
あなたの上司も、こういう経験がきっとしてあるはずである。
気がつく上司ならば、「そうか………」と事情を察し、組織としての「借り」のお返しを検討してくれるはずである。
個人でお返しができなければ、組織で借りを返さなくてはならないからである。
多分、そのときは、こちらの方から、かなりいい店に招待するはずである。

 

こう言うと、あなたは、「ダメです。ウチの上司は、そんな気が利く人ではありません。見て見ぬふりをしますから」と言うかもしれない。
こうしたときは、あなた自身が自衛手段を取るしかない。
自衛手段の1つは、一次会が終了したとき、店の外でまごまごしないで、「今日はありがとうございました。それでは失礼します」と、すぐにその場を立ち去ることである。
実は、サラリーマン生活では、この一次会の店を出るときが、社内でも社外でも大きなキーポイントなる。
確かに、店を出たときには、酔いも手伝い、なにか1軒では物足りないような気持ちになるからである。
そこで、店の外で、行きたいような行きたくないような自分の気持ちと戦いながら、場の空気を見るのである。
そして、多くは、翌朝、「あーあ、行くんじゃなかった。ろくなことにならなかった。おまけに気持ちが悪い」ということになる。
ぜひ、この一次会のあとのスパッとした立ち去り方を試してもらいたい。

 

しかし、得意先との接待の場合は、スパッとした立ち去りをトライしてもらいたいが、そう簡単にいかない場合も多いと思う。
そのときには、「二次会は、私が払います。私に払わせてもらわないと行きませんよ」と言ってもらいたい。
実際の会計の段には、そうはいかない場合もあるが、ぜひ、そう言ってもらいたい。
いつもいつも、ただただ、奢られることを前提についていくように見られることを避ける狙いもあるからである。

 

それでも難しいときは、ぜひ、その人あてに、贈り物を送ってもらいたい。
旅行に行ったときは、ちょっと高い名産品を送るなりしてもらいたい。
旅行の機会がなかったときは、デパートの地下で、ちょっと高価な季節のものを送ってもらいたい。
この「季節のもの」というのは、けっこう使えるので、ぜひ頭に入れておいてもらいたい。
贈る理由づけがないときでも、「ちょっと、いいものが目に入りましたから」と言えるからである。

 

どうだろう? 以上述べてきたことは、なるべく「借り」を作らないための手段である。
そして、「借り」はすぐに返した方がいいということも言いたかった。
この「借り」の意味は、改めて話すこともないだろう。あなたが理解している通りである。
サラリーマン社会での「借り」はあなただけの「借り」ではない。
組織としての「借り」でもあることを忘れてはならない。
だから、「組織」で返すことを原則とする。
先ほどの例で、「上司に報告せよ」と言ったのは、その意味である。

 

また、このことは、あなたに得意先からお中元やお歳暮が届いたときも同じである。
これを会社に言おうか言うまいかと悩むより、上司に一言話すのが正解である。
それは、上司に話したことにより、組織の問題に置き換わったことを意味するからである。
多分、上司は、「そうか」というはずである。この「そうか」の意味には、よほど高価なものを除き、「わかった。お受けしておきなさい」という意味である。
こうした方が、あなたも気が楽ではないか。

 

社外の人から奢られたり、贈り物をいただいた場合は、組織で対応するが原則である。
このことを、頭の中にしっかりと入れてもらいたい。

 

 

ポイント
①サラリーマン社会では、社外の人から奢ってもらったり、贈り物をいただいた場合は、組織で対応するのが原則である。
 こうした場合は、個人の「借り」と考えるのではなく、組織の「借り」と考えることが必要である。
②そして、サラリーマンは、「借り」を作らないことが重要であり、仮に「借り」を作った場合は、すぐに返す必要がある。

 

 

 

 

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サラリーマンの本質

 

 

 

手みやげをケチらない

あなたの迷うことの一つに手みやげがある。
その迷いを分析すると、まず、どのくらいの値段のものをあげたらいいのかわからない。次に、どのようなものを用意したらいいのかわからない。
先ほども、上司から、「〇〇商事の接待の際の手みやげを用意しておくように」と言われた。
さすがに、上司に、「いったいどんなものを、そしてどのくらいの値段のものを用意しておけばいいんですか」とは聞けない。
あなたは悩むのである。

 

これも、サラリーマンが教えてもらっているようで教えてもらっていないことの一つである。
私も経験があるが、たかが手みやげ一つのことで憂鬱になるのだ。家に帰っても、そのことが気になって気になって仕方がなくなる。
あなたは、先輩に相談すると、「そんなの適当に選べばいいよ」と軽く言われる。しかし、きっとそんなものではないと思う。

 

実は、手みやげに関しては、日本のサラリーマンは見よう見まねで覚えている。
上司や先輩が手みやげを用意するのを傍で見たり、聞いたりして、「へぇー、そんなもの用意するのか」とか「菓子でも、そんなブランドがあるのか」と覚えていくものなのである。
そして、自分が用意することになった場合は、最初のうちは、それこそ時間をかけてデパートの食品売り場を何週もするのである。

 

さて、こうして、自分で覚えていかなければならない技術の一つだが、ここにも原則がある。
私は、原則と言ったが、世の中には、こと手みやげのことになると、妙にこだわる上司と、「そんなもの適当でいいよ」と言う上司と真っ二つに分かれる。
だから、サラリーマンは迷うのである。
あるビジネス書の中に、はたして手みやげのことが書いてあった。そこには、「出世された方は手みやげにこだわる人が多い」と書いてあった。
確かにそういう面もなくはないが、こんなことを言うと、話を難しくしてしまうのである。サラリーマンを悩ませてしまうのである。
そして、実際の現場では、あまり、「これは、〇〇の△△です」と勿体つけられると、嫌味になってしまうこともあるので注意してもらいたい。

 

前置きが長くなったが、ここから間違いのない手みやげの選び方について、ズバッと、実務経験者の立場からお話しする。
まず、値段。
これは、2,500円~3,000円の範囲内だったら、まず間違いない。
そして、もちろん若干の上下もOKである。
こう言うと、「バカだなおまえ。接待した上に、3,000円のものを用意したのか」と言う上司はきっといる。
そういう上司は、無視してもらいたい。ここでケチったら、それこそ何のための接待だか、わからなくなってしまうのである。
そして、相手は、それをわかってしまうのである。
高い分にはOKくらいの割り切りを持たないと選べない。
しかし、相手がビップだったり、接待を受ける側で、その接待場所がかなりの高級店だとわかったら、5,000円くらいのものを用意しておいた方がいい。
値段についてはこれだけである。
どうだろう? だいぶすっきりしたのではないだろうか。

 

次に、どういう品がいいかである。
菓子だったら間違いがない。
次はと聞かれたら、さけ茶漬け、牛肉しぐれの類である。つまり、ご飯に乗せると、ご飯がはずむものである。
そして、選ぶときにイメージしてもらいたいことがある。
それは、相手が家に持ち帰ったときのイメージである。
先ほど紹介した本には、手みやげを渡した人ともらった人の満足度のようなものが書かれていたが、接待の場合は、相手が家に手みやげを持ち帰ったときのイメージが大事である。
接待を受けた人は、家に帰ると、「疲れた~」と靴を脱ぎ、「こんなもの、もらったよ」と手みやげを家族に渡す。
家族の人は、すぐに包装紙を開け、中を確認するだろう。
そんなとき、家族も喜び、そして疲れた相手もほっと一息つくようなものがいい。
そんなものがあると、「今日は、××商会さんと一緒だったんだ。日本橋の△△という店だったが、けっこうよかったよ」と接待を受けた人は話す。
すると、その人の家族も、「へぇー、よかったわね。お茶でも入れましょうか」となるのである。
こうした場合は、接待の余韻が残り、接待が生きるのである。
そんなことから、菓子が無難だと考えるのである。

 

それでは、どんな菓子がいいかと言うと、あなたがよく知っている有名な和菓子屋などがあればそれでいいが、普段、そこまで関心を持っていないことも多く、仮にあるイメージが浮かんでも、そんな有名になりすぎている店のものを渡していいのかという抵抗感もあると思う。
そんなとき、デパートを回るのである。ここは経験である。
そして、あなたがいいと思うものを選べばいい。「なにかしっくりこないな」と思うときは、違うデパートに行き、しっくりくるものを選べばいい。
これを積み重ねていくと、どこのデパートには、〇〇のものがあり、あそこのデパートには××があるということを自然に覚えていく。
すなわち、頭の中でバリエーションが増えていく。
そして、そんなことをやり出すと、知らず知らずのうちに、有名店のよいものも覚えていくのである。
先ほどの本のようには、最初からそうは上手くいかないのである。
むしろ、こういう積み重ねの方が、なにかあなたのスキルを高まっていくようで楽しいではないか。

 

しかし、一つだけ注意点ある。
それは、デパートに入っている店のものを買う場合は、デパートの包装紙に包んでもらうのではなく、その店の包装紙に包んでもらうということである。手さげも同様である。
デパートの包装紙と手さげでは、いかにもデパートで時間をかけずに選んだように思われ、あなたの労力が評価されない恐れがあるからである。
また、手みやげ自体も味気なくなってしまう。
どうだろう? 簡単に言うと、値段と物。その判断基準さえ間違えなければ、心配はいらない。
そして、これこそ、経験を増すごとに、手みやげ選びも上手くなっていくので安心してもらいたい。

 

最後にもう一度言う。夜の席もゴルフ接待の場合も、手みやげをケチってはいけない。
手みやげをケチると、せっかく実施した夜の懇親の席もゴルフも、安っぽくなってしまうのである。
そして、相手が、「今日はよかった」と思うときは、意外と家に帰ってほっとするときなのである。
だから手みやげは大事だということになる。
また、あなたの上司は、「なんだ、そんな高い手みやげを買ったのか」と言うかもしれないが、せいぜい3,000円が4,000円になるくらいの話である。たかが、1,000円程度の差なのである。元の懇親の席やゴルフでかかった費用に比べれば、取るに足らない差額なのである。
ぜひ、私の話を参考にして、経験を積んでもらいたい。

 

 

ポイント
①おすすめしたいのは、デパートめぐりである。あのデパートには〇〇屋の××があり、このデパートには△△屋のものが置いてあるといったものを楽しみながら覚えていく。
②そんなことをやり出すと、知らず知らずのうちに有名店を覚えていく。
③相手が家に持ち帰ったときのことをイメージすると、いいものを選べる。

 

 

 

 

綾小路亜也のビジネス書
ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!

なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか

企業で働く 営業女子が輝く35のヒント

サラリーマンの本質

 

 

 

お祝い、餞別はこっそり渡す

長らくお世話になった得意先の課長が、転勤することになった。上司と、その課長を訪問することになる。
あなたは上司からの指示で、デバートで商品券を買い、その会社のロビーで上司と待ち合わせることになった。
あなたは、デバートの商品券売り場に行き、全国百貨店共通の商品券を買った。
店員は、商品券をデパートの包装紙で包装し、小さな手提げ袋に入れてくれた。
そして、あなたは、その手提げ袋を持って、その会社に向かう。
あなたが、その会社に着くと、すでに上司はロビーで待っていた。
ところが、上司はあなたを見るなり、「えッ?」と驚くのである。
あなたは、この上司の「えっ?」の意味がわかるだろうか?

 

実は、わからなくて当たり前なのである。
私自身も、サラリーマン生活で、お祝いや餞別の渡し方など誰からも教えてもらわなかった。
見よう見まねで覚えていった。
しかし、私は、のちのち、誰も本当のところ、正しい渡し方など知らないことに気がついた。
そして、自分で、これが最も適切だろうという方法を考えていった。
それを、あなたにお話しするので、ぜひ、ここは覚えて自分のものにしてもらいたい。

 

上司が「えっ?」と驚いたのは、あなたの方法では、相手先の誰もが、あなた達が餞別を渡しに来たことを、わかってしまうからである。
あなたは、デパートの手提げ袋を持っているのだから、「餞別を渡しに参上しましたよ」とみんなに宣言しているようなものである。
そうすると、受け取る側は受け取りにくいのである。また、私は餞別くらいはいいと思っているのだが、どの会社も、社外の人からものをもらうということにはナーバスになっている。この方法では、相手に迷惑をかけてしまうのである。

 

確かに、デパートの手提げ袋はまずいというところまではいいとしても、それでは、どうするかである。
しかし、前にも言った通り、ここから先は千差万別なのである。誰も本当のところは、わかっていないのである。
おそらく、「えっ?」と驚いたあなたの課長も、「おまえなぁ、商品券は、自分のカバンにしまって、渡すときに取り出せよ」くらいにしか思っていない。
多分、あなたの課長と同様に、カバンに商品券を忍ばせておいて、渡すときに出す、という方法を取る人が一番多いのではないだろうか。

 

結論から言うと、この方法もダメである。
なぜダメかと言うと理由は3つある。
1つは、それでは、「頭隠して尻隠さず」になる。さすがにデパートの手提げ袋はないものの、商品券を包んだ包装紙はデパートのままである。
これでは、お茶を入れに来た先方の女子社員や、帰り際に渡す場合でも、他の社員にこのデパートの包装紙が見られてしまう。
デパートの包装紙を見られた瞬間に、中身は想像されてしまうのである。
2番目の理由は、こうして渡した場合、受け取った人は、それをどうするかいう問題がある。
スーツの内ポケットにでもしまってくれればよいが、そのまま自分の席にデパートの商品券に包まれたものを持ち帰るのは、さすがに抵抗感があるだろう。つまり、困ってしまうのである。
3番目の理由は、いくら包装紙に包んであるといっても、それは商品券という生の状態に等しい。
こういう状態を日本では、むき出しで渡すという。これは相手に失礼なのである。

 

このように私が指摘すると、「よし、わかった」とばかりに、「封筒に商品券を入れ、手渡すばいいじゃないか」と言う人が多いと思う。
この方法は△である。〇ではない。
なぜなら、受け取った相手は、封筒を開けると、いきなり商品券の包装紙を目にするからである。
むき出しよりはましだが、これでは、まだまだ、むき出しの部類に入る。まだまだ失礼なのである。

 

それでは、正解を言おう。
まず、デパートの包装紙に包まれた商品券を、あなたの会社の小封筒に入れる。
私は、いつも思うのだが、会社の小封筒は、この商品券が入るサイズぴったりなのである。上手くできていると思う。
そして、その上で、この小封筒をや会社の大封筒の中に入れる。
そして、その大封筒を渡すのである。
これなら、仮に人が目にしても、あなたの会社の封筒である。しかも、あなた方が帰ったあとも、受け取った側は、その大封筒を自分の席に持ち帰ることができる。 しかも相手に失礼にあたらないということになる。すべて丸く収まるのである。

 

さて、私が不思議に思っていることは、日本を代表する企業の社員であっても、ここで述べた「技」に相当することを実施していることは滅多にない。
せいぜい、大封筒どまりである。そう考えると、こうしたことは、教える対象になっていないと言うよりは、語る対象にもなっていないのではと思う。
「営業とはこういうものだ」と散々、議論したり、研修したりしているのにおかしなものだと思う。
ともかく、あなたはこの「技」を活かし、「あいつ、なかなか気がつくやつだ。気の使いようは半端じゃないぞ」と評価されてもらいたい。
こんな評価が、仕事全体の評価に結びつくことも多いのである。

 

そんなあなたのために、若干、補足しておく。
個人へのお祝いは、できる限り、自宅に送るということを覚えてもらいたい。
そして、昇格等のお祝いで、ちょっと高額の商品券を届けるときは、上司と相談のうえ、自宅に届けてもらいたい。
本人が不在でもいっこうに構わない。
しかし、訪問する際には、必ず事前に電話しておく。きっと家族の人が出るはずである。
そのときは、「〇〇様にいつもお世話になっている△△商事です。このたびは、ご昇格おめでとうございます。ちょっとお祝いの品をご持参したいのですが、××時頃、どなたかご在宅でしょうか」と話してもらいたい。
そうすれば、ご家族の人は、待っているはずである。

 

なぜ、お祝いを自宅に送ったり、届けたりするかは、もう、あなたは理解しているだろう。
やはり、受け側の立場というものもあるからだ。
それに加え、送る側の立場というものもある。やはり、相手先の他の人から、「そうなんだ………、あの会社は。あの人と結びついているんだ」と思われたくないからである。
このように、お祝い、餞別というものは、ちょっとナーバスな問題も含んでいるので、その取扱いには慎重を期してもらいたい。
以上のことを総括すると、表現は悪いが、相手の気持ちに立って、こっそり渡すが基本である。
そして、お祝い、餞別にも、「本当によかった」「本当ににお世話になった」という気持ちが大事である。

 

 

ポイント
①お祝いや餞別は受け取る側の立場や気持ちを大事にする。
②同時に、送る側の立場というものもよく考えた上で、慎重な対応が必要である。

 

 

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サラリーマンの本質

 

 

 

車に乗る場合は臨機応変も必要

あなたは、いまだにわからないことがある。
それは、タクシーを拾って乗り込むときだ。
いつも、乗り込む前に、上司の顔を見てしまう。すると、上司は必ず、「何やってんだ、早く乗れよ」といらいらしながら言う。
しかし、あなたがすぐに乗らないのには理由がある。
それは、「運転手のすぐ後ろは、偉い人が座る」と聞いたことがあるのだ。また、自分が最初に乗っていいのかという迷いもあるのだ。
そのことで、いつも上司からいらいらされているが、本当のところ、どうなのかと思っている。

 

実は、あなたのようにわからないままでいる人が日本全国にいる。
試しに、サラリーマン2人連れがタクシーに乗り込む光景を、立ち止まって見てもらいたい。
必ずといってよいほど、若い方の人が、乗り込むときに一瞬のためらいを見せている。
こんなに、みんなが迷っているのなら、一度誰かがちゃんとこのことについて教えてやればいいと思うが、なぜかしないのである。
私は、その理由がなんとなくわかる気がする。
それは、やはり、日本では実務を経験した人が本を書くということが少ないからである。
実務を経験した人でないと、本当のところ、この問題はわからないからである。
今回、車に乗るときの原則、注意点をバシッとあなたにお話ししたい。きっと、あなたは、よく気がつく社員だと言われるはずである。

 

結論から言う。
タクシーを拾って乗り込むときは、あなたが早く乗り込む。
そして、その際、軽く「私が中に入ります」とか、「私が先に入ります」と言う。
なぜか? タクシーの中に入り込むということは、結構大変だからだ。
そして、降りるとき、上司は出やすいからだ。
また、タクシー代を支払うとき、奥に座っていた方が便利だからだ。
上司が奥に座ってしまうと、ドア付近の上司が、あなたの支払いを待たなければならないからだ。
この3つの理由を聞くと、あなたは納得すると思う。次回から迷わず乗れるはずだ。

 

さて、ここから応用問題を考えてもらいたい。
それでは、あなたと、部長、課長の3人がタクシーに乗り込むときは、どういう乗り方になるのだろうか?
むしろ、こっちの方が、あなたは迷わないはずである。
あなたが前に座り、後部座席の奥には課長、左には部長が座る。
それでは、あなたと、部長、課長、係長の4人が乗り込むときは、どうか?
これは、後部座席の奥に課長、真ん中にあなた、左に部長、そして前に係長が座る。
あなたがなぜ後部座席の真ん中に座るかというと、一番座りにくいからである。その座りにくいところにあなたが座るということである。

 

一見、当たり前のように思えるかもしれないが、原則があるのである。
その原則は、1に降りやすさ、2に乗り込みやすさ 3に乗りごこち である。
この原則を理解すれば、あなたは迷うことがない。
しかし、次のケース、あなたは、どう判断するか?
あなたと部長、課長の3人でタクシーに乗り込むとき、課長は体格がよく、後部座席の奥に入るのが大変そうに見えるとき。
ここは、あなたは気を遣うべきである。
こうしたときは、あなたは、「課長、すいません。私が奥に入りますので、前に乗ってください」と言うのである。
その理由は、私が先ほど原則の順位をつけたではないか。体格のいい人が奥に座ってしまうと、1の降りやすさ、2の乗り込みやすさが大変だからである。 実際、体格のいい人が、体を横に移動するということは大変なのである。
しかし、もっと違う理由も考慮しなければいけない。
それは、タクシーには機敏に乗りこまなくてはならないということである。ここでぐずぐずしていたら、タクシーの後ろに車が並んでしまうことになる。
このことを考えると、やはり、体格のいい人は、乗り込みやすい前の席に乗ってもらうのが一番いいということになる。
そのとき、あなたはきっと抵抗感を持つと思う。だから、先ほどのことわりを入れるのである。
こうした臨機応変も必要なのである。

 

そして、臨機応変が必要なもっと違ったケースもある。
それは、空車を探している時のあなたと部長、課長の3人の立っている位置というものを考慮した場合だ。
部長が一番、道路側に立っている時に、すーっと空車が現れたら、あなたは、「部長、すいません、入ってください」と言って、奥の座席から詰めてもらっても構わない。
理由はシンプルである。こちらの方が早く乗り込めるからである。
これを、「課長、中に入ってください。私が前に乗りますから、そして、部長、最後に入ってください」とこだわっていてはダメである。
タクシーの運転手さんも、「早くしてくれよ」といらいらするし、周りの車にも迷惑をかけることになる。
要はシチュエーションと機敏さなのである。すなわち、臨機応変なのである。

 

さて、ここでこの問題を取り上げたのは理由がある。
ここで取り上げたケースは、些細なことである。
しかし、重要なことは、いつも、こんなケースで、おどおどしている人がいるということである。
もっと言うと、いつも自信なさげに、お伺いを立てるような眼をする人がいるということである。
上の人は、こんな現象が続くと、「うーむ。まったく………」と思い、レッテルを貼ってしまうことがあるということである。
それでは、もっと自信を持って振る舞えばいいじゃないかと議論になるかもしれないが、私はそんな単純なものではないと思っている。
私は、こういう人たちは、けっこう学生時代に勉強ができたのではないかと思っている。
それは、こうしたひとたちは、学生時代、勉強の場で「わかろう、理解しよう」と努めてきたが、実社会に入り、「ルールがあるようなないような」状況に遭遇してしまった。だから、戸惑いとともにおどおどしているのではないかと思うのである。
そして、こうした人たちに、ルールとその背景をきちっと説明すれば、自信を取り戻すができるのではないかと私は考えるのである。

 

そんな観点から、ルールについて若干、補足しておく。
確かに、昔は、車の乗り方について、「運転手の後ろには偉い人が座る」と言われた時代があった。
そして、そのとき、その理由づけとして、「運転手の後ろの席が事故の際には一番安全だ」と、まことしやかに言われたのである。
私自身もそう教わった。もしかすると、今でもそう教わっている人もいるのではないかと思う。
それが、いつしか、乗りやすさ、降りやすさを重視するようになった。
実際、あなたは、お偉いさんが乗る黒塗りの社有車を想像してもらいたい。
お偉いさんは、100%と言ってよいほど、後部座席の左側、すなわち道路側に乗っているではないか。
これは、乗り込みやすく出やすいからである。
今は、上役が座る位置は、その位置だと確定しても大丈夫である。

 

そして、お偉いさんと一緒に車に乗ることがあるかもしれないあなたのために、運転手つきの社有車の乗り込みルールについて話しておきたい。
座る位置は、基本的にタクシーに乗り込む場合と一緒である。
しかし、タクシーの場合と違うのは、後部座席の右側に座るときである。
間違っても、左側すなわち道路側から乗って、体をスライドして左側に移ってはいけない。
あなたは、車の右側のドアを開けて乗らなければならない。降りるときは、車が後ろからきている場合もあるので、運転手さんの誘導の下、細心の注意を払ってドアを開き外に出る。これがルールである。
また、降りるときに限って、交通量が多く右側のドアから出られないときは、その旨ことわった上で、体をスライドさせて左側のドアから出る。
ここも臨機応変が必要である。

 

以上細かい説明となってしまったが、今まで述べたことは、私自身、遂に誰からも教わらなかった。
自分でつかみ取ったものである。それをあなただけに教えたかった。
それは、こんなときにテキパキと対処することが、意外とサラリーマンの評価に結びつくからである。

 

 

ポイント
①世の中には、教わっているようで教わっていないルールのようなものが存在する。
 その一つが車の乗り方である。そこには原則がしっかりと存在する。
②また、原則に対しては必ず例外がある。車の乗り方で言えば、臨機応変も必要となる。
 機敏に乗りこむことが根底にある。

 

 

 

 

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サラリーマンの本質

 

 

 

座る場所には原則があるが、ケースによって異なる

サラリーマンで意外と迷うのが応接室、会議室、そして接待の席での座る場所である。
私も、サラリーマン成り立ての頃は正直、さっぱりわからなかった。
いつも、上司や先輩にいらいらされ、私が座る場所を指さされていた。
あなたも、おおよそのことは、わかっていると思う。
しかし、復習の意味を込めて、整理してみよう。そして、最後の方には、「え? そういうことなの?」と思うかもしれない。
実は、この座り方については、あなたの上司自身もよく知らないことが多いのである。

 

応接室、会議室、接待の席での座り方の基本は1点に集約される。
すなわち入口に近い方に目下の人が座るということである。
このことは、サラリーマンを長く経験すると、「なるほどな」と思えてくる。
なぜなら、会議や応接しているとき、よく上の人から、「ちょっと、あの資料持ってきてくれ」とか、「確認の電話をしてくれ」とか言われるではないか。
やはり、用を頼まれる人が、入り口の近くにいる方がなにかと便利なのである。
これは、仲間内での懇親会の場合も同じである。
料理や飲み物の追加等、用を頼まれる人が入り口近くにいた方が便利である。
時々、懇親会の場で、若い人が、長テーブルの席の真ん中に座り、おまけに壁に体をもたれかけて談笑していることがある。ダメである。
それでは、入り口近くの先輩に用をお願いしていることになるからである。

 

こんなことを言うと、「そんなことナンセンスだ。懇親会の席にも上下関係を持ち込むのか」と言う人がいると思うが、この問題をこう考えてもらいたい。
確かに上下関係による座り方という側面もあるが、こうした知らず知らずに決められた席の座り方には、合理性と、誰がそれをやるのに相応しいかという側面も強くあることを忘れないでもらいたい。

 

また、時々間違えることがあるのが、3人で先方の企業を訪問したり、接待した場合。
入り口近くは、一番目下の人が座ることついて異論はないと思うが、3人の中の一番の役職者は、どこに座るかということである。
これは、わかっていることだと思うが、真ん中である。そして次の役職の人が、入り口から見て一番奥になる。
それは、やはり、一番の役職者は、相手方の全員を見て話しをしなければならないからである。また、相手方全員の話を聞かなければならないからである。つまり、会社を代表して応対しなければならないからである。
ところが、意外に、この通りとなっていないケースもある。私も、かって訪問客を迎えることが多かったが、偉い人から順に奥に入っていく企業も相当あったのである。
そうした場合、やはりお互いに話しにくくなるのである。
また、言う必要もないくらいだが、訪問する側は、応接室に通されたらソファーの方、すなわち長椅子の方に座る。
実は、私は入社したての頃、それがよく呑み込めなかったので念のために書いておく。

 

さて、ここで、あなたに質問がある。
あなたの職場に、あなたの会社の役員が訪ねた。
こうしたとき、多くの場合は、応接室で話すことになる。
そのとき、「あなたは、この役員を応接室のどの席に案内するか?」 これが質問内容である。
じっくり考えてもらいたい。
あなたは、「訪問者は、ソファーだろ。さっき言ったばかりじゃないか」と答えるかもしれない。
しかし、正解は、ソファーの向かい側のアームチェアの方である。
理由を一緒に考えてみよう。
応接室は、文字通り、訪問者と応対する場所である。
だから、あなたは、アームチェアの方に座り、訪問者と応対することになる。
なにかアームチェアの方が偉そうな感じを受けるが、訪問者を迎えるということを考えると、やはり、迎える方はアームチェアなのである。
それが相手を迎えるということなのである。それが迎える側の構えなのである。
だから、あなたがどんなに若くても、会社として迎えているのだから、やはり、あなたはアームチェアに座るべきなのである。

 

そうすると、あなたの会社の役員は訪問者であるから、あなたはアームチェアに座るべきだという結論に達しそうだが、一般の訪問者と決定的に違うことがある。それは、同じ会社に所属しているということである。
そうすると役職の高い人が、アームチェアに座った方が自然なのである。収まりがいいのである。
ところが、このことは、意外にそうなっていないケースが多い。
あなたも、時々応接室に呼ばれて入ってみると、あなたの上司があなたの職場を訪れた役員と打ち合わせしたり、談笑していることがある。
そのとき、きっと、役員がソファーに座っているのを目にしているはずだ。
どうだろう? それでは、あなたの上司が、役員の話を聞いてやっているという光景ではないか。
やはり、おかしいのである。
こうしたことを非常に気にする人もいるので、ぜひ注意してもらいたい。
逆に、そんなことを一見、全然気にしないようにみえる役員もいる。しかし、人の腹の内はわからないのである。
仮に、こうしたことを全然気にしないと思われる人にも、「どうぞ」とアームチェアの方をすすめなくてはいけない。
こうした気遣いが大事である。

 

席の座り方は、一種の合理性を持っている。その合理性に従った方がいい。
そして、その根底にあるものは、気遣いである。
先ほどの仲間内での懇親会の場合でも、入り口付近にいる人は、料理が運ばれてくる場所でもあるし、みなが出入りする場所でもある。また、飲み物や料理を注文しやすい場所でもある。
そこに、自ずから役目というものが生まれるということである。また、上司や先輩に対する気遣いが必要な場だということである。
この気遣いがない限り、席の問題は、表面的な部分だけがクローズアップしてしまうのである。
逆に、気遣いさえあれば、その気遣い通りにすれば、どんなときも、正しく判断することができると考える。
ぜひ、その根底の部分を考えてもらいたい。

 

そして、サラリーマン社会には、次のような人もいる。
先ほどの懇親会の席で、その人は、一番入り口に近いところに座った。ところが、その人が、近くに座っている先輩に目をやると、先輩は、座った場所がちょうど長テーブルと長テーブルのつなぎ目にぶつかり窮屈している。これでは、足も満足に出せない。
そんなとき、その人は言うのである。「そこは、窮屈でしょう。僕、換わります」と。
その人は、席の問題の本当の意味をわかっている人である。その背景にある気遣いをわかっている人である。
こうした人は、サラリーマン社会では、やはり成功する。
それは、こうした気遣いができる人は、仕事でも気遣いをしているからである。
人からの評価も高くなるし、少なくとも、「なんだ、あいつの態度は!」と人から絶対に減点をもらわない人である。

 

この問題を、ぜひ、あなた自身の頭で整理してもらいたい。

 

 

ポイント
①席の座り方については、表面的に考えるのではなく、背後にある合理性も考えてみる。
②また、表面的なルールばかりに頭が行くと、判断を間違えることがある。
 相手への気遣いという視点で考えると、正しく判断できる。

 

 

 

 

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サラリーマンの本質

 

 

 

お詫び訪問では、出されたお茶を飲まない

あなたは、業務遂行編-報告編-会議出席編-評価・面接編-上司との関係編を通して、「守る技術」を修得したと思う。
これだけでも十分と思うが、サラリーマン社会には、知らなければ、わからない対応というものがある。
もっと言うと、知らなければ、失敗してしまうという対応がある。
そして、不思議なことに、誰もそのことを教えてくれない。

 

私は、この「知らなければわからない対応」について、なぜ、上司や先輩は、そのことを教えないのだろうかと、ずっと考えてきた。
そして、一つの結論に至った。
それは、上司も先輩も、「教えない」のではなく、本当のところはわからないのである。わからないから、「教えられない」という結論である。
確かに、この編で取り上げる題材は、色々な人の考えがある。
逆に言うと、色々な人の考え方があるから、いまだに正解というものが確立していないということになる。
しかし、ここで、あなたと一緒に真剣になって正解を考えみよう。
もし、あなたが、解にたどり着くことができたら、他の人より、絶対にアドバンテージを持てるはずである。
皮切りは、比較的、正解にたどりやすい題材を取り上げた。

 

あなたは、上司とあるお客のところにお詫びに来ている。
応接室に通された。
先方の女子社員が部屋に入ってきて、無表情にあなたと上司の前にお茶を置く。
そして向かい側のお詫び先である先方の部長と課長が座ろうであろうテーブルの前にも、お茶を置いて軽くお辞儀をして出て行った。
先方の部長と課長はなかなか現れない。
出されたお茶も、冷めていく………。
あなたの喉は、これからこの応接間で展開されることを想像しただけでカラカラになっている。
思わず、この冷めたお茶に手を出しそうになる………。

 

サラリーマンなら、こうした場面は必ず経験する。
そして、こうしたケースでは、必ず、待たされるのだ。
今、あなたが、心の中で思っているとおり、このお茶に手を出してはいけない。
なぜだろう?
この理由を、一緒に考えていこう。お詫び訪問という意味が理解できるはずである。

 

もし、あなたがお茶に口をつけた場合のことを考えてもらいたい。
先方の部長と課長が部屋に入り、向かい側のあなたの茶碗を見る。お茶は減っている。
おかしくないだろうか? そう、おかしいのである。
こうしたケースでは、先方の着席を、ひたすら待つということが絶対に必要なはずだ。
そして、ひたすら待ったあとで、先方の着席を待って、お詫びを申し上げることが必要なはずだ。
しかし、その前に、お茶が減っているということは、何を意味しているのだろうか?
神妙に待っていなかったことを示しているのである。
先方は、絶対にいい印象を持たない。だから、絶対に飲んではいけないのである。

 

次のシチュエーションも考えてみよう。
今度は、先方が着席して、なかには、「まあ、どうぞ」とお茶をすすめる人がいる。
こんな場合でも、絶対に飲んではいけない。
お茶を飲んでお詫びするなんていうことは、ビジネスの世界では、絶対にありえないのである。
もし、飲みながらお詫びをしたならば、それはお詫び訪問ではないと考えてもらいたい。

 

こうしたケースはあまり難しく考えない方がいい。
一番重要なことは、お詫びする気持ちである。
「心から申し訳ない。すまない」と思っている人は、お茶など飲むわけないと考えてもらえばいい。
もし、お茶を飲んだならば、お詫びを受ける側は、「形だけ来あがって。お詫びの気持ちなど全然ないじゃないか」と思い、かえって関係がこじれるだけである。

 

そして、もう一つ注意しなければならないことがある。
それは、あなたの服装である。
お詫びに気持ちが入っていないと、派手な色のスーツにカラーシャツあるいはストライブのシャツ、そして、レッド系のネクタイをするなんていうことが考えられる。
特に、自分は悪いと思っていないとき、いやいや上司に連れてこられたとき、こんな服装になる。
ここで、相手がどう思うか、説明する必要もないだろう。
しかし、実際、こんなことが頻繁にあるのである。
どうしてだろうか?
それは、お詫び前日の心構えが影響していることが多い。
前日、遅くまで飲んで朝を迎える。すると、アイロンがかかっているシャツが派手目なものしかなかったということもあるのである。
私の例で恐縮だが、私は、前日の夜に、白いシャツと濃紺あるいはダークグレーのスーツ、そして地味なネクタイを用意しておいた。
もし、前日に、白いシャツがないとわかったならば、買いにいくくらいの気持ちを持っていただきたいと思っている。
そして、重要なことは、そんな心の準備をしているときは、翌日のお詫び訪問は上手くいくことが多いのである。
それは、相手にも気持ちが通じるからである。

 

いままでちょっと細かいことを言っできたが、要は、お詫び訪問で一番重要なものは、気持ちである。
お詫びの気持ちがあれば、色々言われたり、色々な過程を踏まなければならなかったとしても、結局は相手に意が通じる。
それは、決して言葉ではないのである。
いかに言葉巧みにお詫びしても、お詫びの気持ちがなければ、相手は受け容れないだろう。
相手は、お詫びする人の体全体から発散される気持ちを感じ取ろうとしているのである。
ぜひ、この原点を忘れないでもらいたい。

 

 

ポイント
①お詫び訪問で一番重要なものは、お詫びの気持ちである。
 相手は、お詫びする人の体全体から発散される気持ちを感じ取る。
②お詫び訪問の際に、お茶を飲んだり、派手な服装をしているということは、お詫びの気持ちがないということになる。

 

 

 

 

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