自己紹介でいちばん重要なことは、話のまとまり

「どのような自己紹介がよいのだろう?」と悩む人は多いはずだ。
そんなとき、「話のまとまり」をつけられるかという観点で考えると、自分なりのスムーズな自己紹介ができる。

 

自己紹介に悩む人は、どんなことを話してよいかわからない。
そんなことから、ビジネスマナーの本を参考にする人も多いと思う。
ビジネスマナーの本には、名前の由来で印象付けを図り、アピールポイントを話し、ときには自分を知ってもらうためにエピソードを交えるとよいと記載されていることが多い。
つまり、これが話す内容ということだ。

 

しかし、自分が実行側に立ち、その方法で話をまとめらるか、考えてもらいたい。
ここで少しでも不安を覚えたならば、うまく行くはずがない。
だが、なぜ不安を覚えたのか考える必要がある。
それには、「詰め込み感がある」「長くなる」「的が絞れていない」といった要素があるのではないだろうか。

 

そう、「詰め込み感がある」「長くなる」「的が絞れていない」といった要素があると、話がまとまらなくなるのだ。
このことは、実際に、私たちがパーティや結婚式で人のスピーチを聞いて感じていることだ。
そうすると、これらの要素を取り除いた形で、自分の頭の中で自己紹介の内容を組み立てる必要があることになる。
こうした作業を経ると、自己紹介はうまく行く。

 

 

しかし、よくよく考えてみると、私たちは自己紹介の模範例といったものを目にしていないのではないだろうか?
ビジネスマナーの本に書かれている例は、たいがい名前の由来トーク部分だ。
だから、私たちはビジネスでの自己紹介の基本形といったものを知らないでいる。
言い換えると、自己紹介の完結例を知らないのだ。
これでは、「自己紹介は簡潔に」と言われてもピンと来ない。

 

 

じつは、ビジネスでの自己紹介の基本形は、驚くほどあっさりしている。
そのことを知るうえで参考になる本がある。
建設会社の総務経理、大学講師、セミナー講師、コンサルタント、税理士の5つの仕事をしている石川和男氏とコミュニケーションコンサルタントである宮本ゆみ子さんがコラボした『最新ビジネスマナーと 今さら聞けない仕事の超基本』(朝日新聞出版)だ。
この本はいままでのビジネスマナーの本とは異なり、ビジネスを進めるなかにビジネスマナーがあるという印象を受ける本だ。
そんな本の性格から、ビジネスでの自己紹介の基本形がわかるのだ。

 

この本には、「ビジネスで自己紹介する場合に欠かせない3要素」が掲載されている。これがビジネスでの自己紹介の基本形だ。

「ビジネスで自己紹介する場合に欠かせない3要素」とは、

1 あいさつ
2 所属と名前
3 意欲の表明(社外の人に対しては、自分の担当している仕事内容)

である。

 

「なーんだ」と思うかもしれないが、考えてみれば、これがオーソドックスな自己紹介ではないだろうか。
私たちは自己紹介をむずかしく考えすぎているのだ。だから何を話していいのかと悩む。
しかし、「なーんだ」と思った人も、この3要素を充たした自己紹介例を見ていただきたい。
(下線は筆者が付けた)

 

一例目
「おはようございます。営業部に配属になった室屋輝一です。海外に日本のおいしいお酒を届けたくて、日本酒の輸出取り扱いナンバーワンのこの商社に入りました。精一杯頑張りますので、どうかよろしくお願いいたします」

 

二例目
「はじめまして。内田怜です。株式会社オールアウトで、キャリアコンサルタントをしています。転職希望の方の魅力をすべて引き出して、よりよい環境で働いていただけるよう頑張ります。よろしくお願いいたします」

 

 

どうだろうか?
3要素を充たしただけの簡潔な自己紹介だが、聞く側に訴えるものがあるのではないだろうか。
二例とも、「自分はどういう人間」で、「これから何をしたいのか」ということ、その人の人柄のようなものもちゃんと織り込まれている。
そして、驚くほど話がまとまっている。

 

一例目は、新入社員の配属先の職場での自己紹介だが、下線部分に注目いただきたい。
「なぜ、この会社に入社したか」ということが明確に、しかも簡潔に述べられている。聞く側は「なるほど!」と深くうなずくはずだ。
話のなかから、新入社員自身が日本酒ファンであることもうかがえる。
こんな自己紹介を聞いた人は、こんな新入職員を支えていこうという気持ちになる。

 

二例目は、社外の人を前にした挨拶だ。ここも下線部分に注目いただきたい。
聞く側は、自己紹介した人が目指しているもの、仕事へのスタンスがわかり、安心感を覚えるはずだ。それと同時に、なにか励ましたく気持ちにもなるのではないだろうか。

 

 

二例とも、誰もがうなずくような話の筋道がある。
話をまとめるということは、誰もがわかるように話の筋道をつけるということなのだ。

 

現実には、記載例のようなうまい表現で、簡潔に話すことは、なかなかむずかしい。
どうしても入社した理由や今後どうしていきたいかの部分は長くなり、時間も要してしまう。
だが、仮にそうなったとしても、話の筋道がついてさえいれば、話としてはまとまりがある。聞く側も聞きやすいし頭にも残るのだ。

 

どうか、この基本形をベースにして、自信をつけてもらいたい。
そして、「意欲表明」の部分を、自分の頭で、自分の表現で反芻してもらいたい。
そうすれば、オリジナルな自己紹介ができあがる。

 

 

自己紹介の場はさまざまである。それゆえビジネスマナーの本に記載されているような自己紹介を否定するものではないが、紹介されているような自己紹介例は、どちらかといえば、自分が主役の、しかも紹介時間がたっぷり与えられている職場の歓迎会の席にピッタリのような気がする。
重要なことは、時間との兼ね合いで、話をまとめられるかということである。

 

 

コロナ後は、自己紹介は、より簡潔化が求めらられる。
このことは、会議自体が減っていること、会議が開催された場合でも、簡潔な発言を求められていることと関係がある。
これからは、ビジネスマナーの本に記載されているような自己アピールに割く時間は生まれないだろう。
したがって、自己紹介にも要約力が求められる。

 

しかし、この「要約」という言葉はなかなかクセ者だ。わかったようで、なかなか実行はむずかしい。
辞書では「要約」を「文章や話の要点を短くまとめる」(三省堂大辞林)と書いてある。
「短く」のほうに力点を置くと、不思議なことに、なかなか短くならない。
「まとめる」というところに力点を置くと、どう「まとめる」ということに考えが及ぶ。

 

ここで、記事の冒頭に書いた「まとまらない」理由を、思い起こしてもらいたい。
「まとまらない」のは、「詰め込み感がある」「長くなる」「的が絞れていない」からだ。
「長くなる」は「まとまらない」結果なので、「詰め込み感がある」「的が絞れていない」が「まとまらない」原因だ。

 

「詰め込み感がある」「的が絞れていない」を解消するには、重要でないことは、そぎ落とすことだ。
逆に言えば、自分が本当に伝えたいことを話すということだ。
そんな観点で、自己紹介を考えてもらいたい。

 

 

 

 

 

 

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「ビジネスで自己紹介する場合に欠かせない3要素」が記載されている

 

 

 

 

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