ビジネスマナーが変わり始めた!

ビジネスマナーの内容は、どの本もだいたい同じで、しかも変わらないと思っている人は多い。
しかし、最近発刊されたビジネスマナーの本を読むと、ビジネスマナーに変化が起きている。
変化が起きている箇所は、名刺切れを起こした際の対応と初対面の人との会話の2箇所である。
たしかに、その箇所はいままでのビジネスマナーの本の内容と現場感覚が、まったく合っていなかった箇所である。

 

2019年3月に発刊された『社会人のための基本のビジネスマナー』の内容を見ていきたい。

 

1.名刺切れを起こした場合の対応について

 

記載内容(抜粋)

(1)その日のうちにメールを送る

名刺をいただいた相手に、本日のお礼、名刺を切らしていたお詫びのメールを送る。
文面の最後に、社名、名前、住所、電話番号などの署名を入れることで、相手に連絡先を教えることができる。

(2)後日、名刺を渡す

後日、相手に会った際、「先日は、申し訳ございませんでした」と述べ、名刺を差し出す。

 

名刺を切らした際の対応については、いままでのビジネスマナーの本は、帰社後「郵送する」で一致していた。

顧客が遠方などで滅多に行けないときは郵送も仕方がないと思うが、そうでない場合は、この本記載のとおり次回お会いするときに渡すほうが自然である。
また、名刺を送られてきた人も、郵送にはどこか違和感を覚えるはずだ。

 

この本には、名刺をお渡しするまでのメールでの対応もしっかり記載されている。
相手からすれば、名刺が手元にないと、連絡しようにも連絡の取りようがない。
本記載のとおり、当日中にお詫びのメールに連絡先も記載しておくことが必要である。

 

 

わからないのは、従来からのビジネスマナーの本がどうして郵送にこだわっているかということである。

あるビジネスマナーの本には「郵送が早ければ、かえって好印象につながることもある」との記載がある。
あくまでも郵送にこだわっていることをうかがわせるが、失敗後のフォローで好印象を得ようとするならば、遠方の場合などを除き、郵送よりは速やかな持参である。
その際には、相手の予定等もあるのでアポなどとらず訪問したほうがいい。本人不在の場合は受付の人に名刺をお預けすればいい。

 

また、郵送という手段は、自分が失態を犯したのに、急に割り切ってしまったような冷たさがある。
ビジネス感覚からしても、やはり持参である。

郵送という手段を考えるとき、郵送していちばんスッキリする人は誰かといえば、失態を犯した本人である。
自分はスッキリするかもしれないが、受け取った相手はどう感じるかを考えなければならないのが、ビジネスマナーだと思う。

 

 

名刺切れを起こした際の対応については、下記記事と著書『「出世しぐさ」のすすめ』に記載しているので、参考にしていただきたい。

記事:「名刺を切らした場合、後日、一筆書いて郵送するは本当か?」

https://shinyuri-souken.com/?p=29692

 

 

2.初対面の人との会話

 

記載内容(抜粋)

初対面の場合、相手に関する情報がないので、相手のことを知ろうと多く質問しがちになるが、家族や出身校、結婚の有無など、プライベートに立ち入る内容を避ける。

 

この記載の重要な箇所は、「相手に関する情報がないので」「相手のことを知ろうと多く質問しがちになる」である。
私も、この本記載のとおり、初対面から相手のことを知ろうとすると、相手のプライバシー情報に踏み込もおそれがあることを、著書『「出世しぐさ」のすすめ』に書いた。

 

ところが、いままでのビジネスマナーの本は、相手に関する情報がないからこそ、相手のことを知ろうと工夫を凝らしたのではないかと思う。
その代表的な手段は、相手の名刺を見ての質問である。
名字から出身地、名前から推測できる家族構成を聞くことで話を広げることをすすめる本もあった。
名刺に現れた情報を基にした質問とはいえ、質問の向かう先は相手のプライバシー情報である。
これだけ「個人情報、個人情報」と言われている時代に、ビジネスマナーの本だけが独り歩きしていたような印象を受ける。

 

それには、ビジネスマナーの本の体質が深く影響しているように思える。
いままでのビジネスマナーの本は、いかに自分を知ってもらうか、いかに自分をアピールするか、そのために、いかに相手と親しくなるかといったところに軸足があったからだと思う。
この点が、著者側の売り込みポイントであり、本の特徴ともなった。
しかし、そこに相手はいない。ビジネスマナーの心は相手への思いやりである。
ビジネスマナーの原点に立ちかえれば、相手が知られたくないと思っているかもしれないプライバシー情報に踏み込むことは、ぜったいに避けなければならない。

 

 

3.その他

 

この本には「重要情報を含む物品を送る場合は、宅配便・バイク便・書留など、追跡可能なサービスを利用する」との記載があった。

ビジネスマナーの本として、初記載の内容である。

記載のとおり、追跡可能なサービスは、万が一紛失があった際、紛失経路を特定する機能があるので、重要情報を含む書類などを送付する場合は必ず利用すべきである。

 

この本は「なぜビジネスマナーなのか」をシッカリ説明している。
(ビジネスマナーは)「相手を思いやり、不快な思いをさせないことで、良好な人間関係を築くことができ、それが信頼へとつながって、仕事をスムーズかつ効率的に進めることができる」と述べている。
ビジネスマナーは信頼へとつながるツールなのである。

 

実務感覚に合ったビジネスマナーの本であり、おすすめである。

 

 

4.おわりに

 

名刺を切らした場合の郵送での対応、初対面の人との会話とも、いままでのビジネスマナーは現場感覚に合っていなかった。
名刺の郵送は、書類などと一緒に送付されたならば違和感はないが、名刺のみ送付されたということならば、受け取る人はなにか冷めた感情を覚えると思う。
初対面の人との会話も、材料を見つけていろいろ突っ込んでくる人には、一般的には「なに、この人?」といった感情を持つ。
いま、ビジネスマナーが問われるものは、実際のビジネスの現場で、どう受けとめられるかということである。

 

 

いままでも、ビジネスマナーの本に書いてあることは現場感覚とは違うということは言い続けられてきた。
その理由として、ビジネスマナーの本の著者の多くは必ずしも実際のビジネスの経験者ではないということがよく挙げられた。
しかし、著者側の提案と現場感覚とはどこが違うのか、うまく表現できずにきたこともたしかである。
その際、一般のビジネスマンやビジネスウーマンの参考になるものは、机上で考えたものかどうかという視点ではないかと思う。
たしかに、机上で考えれば、いろいろな案が無限に浮かぶ。しかし机上で考えた案はビジネスの現場にうまくはまらず、どこかおかしいのである。
そんな視点でビジネスマナーを見ることが必要な時代になったと思う。

だが、いま、ビジネスマナーはようやく実際のビジネスに近い形で動き出した。

 

 

 

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