傾聴は黙って聴くことではない

2020.12.10更新

 

あなたが上司なら、多面評価を見て驚く項目がある。

 

その項目は傾聴ポイントで、自分が考えているより、ずっと低いからだ。
自分では部下の話を一生懸命聴いているつもりなのに、部下はそう思っていないのだ。

 

いま、企業や組織は、人を昇進させようと思うときは、必ず、傾聴項目を見ている。
出世や昇進を考えるとき、いちばん重要な項目といっても過言ではない。

 

あなたが知っている出世した人は、みんな、傾聴をクリアーした人なのだ。

 

 

なぜ、自分と部下とで、傾聴に対する評価のズレが生じるのだろうか?

 

ひと言で言えば、傾聴という言葉を漠然と理解しているからだ。

 

辞書を引けば、傾聴は、「真剣に聞くこと」(三省堂大辞林)と記載されており、「 -に値する」 「静かに-する」 と例文が示されている。

また、傾聴という漢字はよくできていて、漢字を見ただけで、耳を傾けて聴くということが読み取れる。

 

いずれも、あなたが考えているイメージそのものではないだろうか。
加えて言えば、ビジネス社会では古くから、「人の話を黙って聴け」という言葉が飛び交っている。

 

そんなことから、傾聴といえば、人の話を黙って真剣に聴くことだと思っている人は多い。

 

しかし、よくよく考えれば、いま述べたことは、聴く側のことを言っている。
もちろん、傾聴の主語は聴く側だから、やむを得ないことだが、話す側が「聴いてもらえていない」と思っていないのなら、話は別だ。

 

どうしたら、よいのだろうか?

 

 

世の中には、聴くプロがいる。

 

カウンセラーだ。
なかんずく、上司と部下との関係を考えれば、キャリアカウンセラーということになる。

 

キャリアカウンセリングの場で、傾聴はどう行われているか調べてみることは、意味あることだ。

 

キャリアカウンセリングにはさまざまな技法が存在するが、いずれもクライエントとの信頼関係⦅ラポール)、傾聴を土台にしていることは間違いない。

 

現在、日本でキャリアアウンセリングといえば、アイビーと共同研究者によって開発されたマイクロカウンセリングが中心になっている。

 

そこで、マイクロカウンセリングの中で、傾聴はどのようにとらえられ、どのように行われているか、紹介しておきたい。
カウンセリング技法なので、ちょっと難しいところもあるが、ここは辛抱して聞いていただきたい。

 

マイクロカウンセリングといえば「マイクロ技法の階層表」が有名だが、その階層のいちばん下、すなわち土台にあるものは、「かかわり行動」である。

 

「かかわり行動」には、「視線の合わせ方」「身体言語」「声の調子」「言語的追跡」がある。
要約すれば、「聴いていますよ」というメッセージ、聴いているという姿勢と表情、相手に対する声の調子、相手の話についていく、ということだ。

 

この「かかわり行動」の上に、「基本的傾聴技法の連鎖」がある。

 

「基本的傾聴技法の連鎖」は、「開かれた質問、閉ざされた質問」「クライエント観察技法」「はげまし、いいかえ、要約」「感情の反映」がある。

 

要約すると、「どのように~?」「何を~?」「なぜ~?」という質問と、「はい」「いいえ」だけで答えられる質問を織り交ぜ、話を促すこと、
質問に対する相手の応答を観察すること、
「ええ」「それで?」やうなずきと相手の話を言い換えたり、要約すること、相手の感情を注意深く観察すること、である。

 

カウンセリングと、部下から話を聴くことは異なるが、部下との面談の中には、年度目標のすり合わせ、評価とアドバイス、部下からの相談など、キャリアカウンセリング的色彩が濃いものも多くあるのではないだろうか。

 

重要なことは、キャリアカウンセラーは「基本的傾聴技法の連鎖」を見ておわかりのとおり、これら一連の姿勢や行動を含めて傾聴と考えていることである。

 

 

私たちが学ぶことはないだろうか?

 

部下と話すとき、最低限、マイクロカウンセリングでいう「かかわり行動」は持っておきたいところだ。

 

部下は、上司が自分の話にどう関わろうとしているか、その姿勢を知りたいのだ。

 

他のことを考えているような定まらない目線、イライラしているような落ち着かない態度、気が乗らない声、話の途中での話題の変更などがあれば、部下は自分の話を聴いてもらっているとは、とても思えない。

 

「基本的傾聴技法の連鎖」は言葉にすると簡単なように思えるが、意識して取り組まなければ、できないことである。
しかし、いずれも、相手の話を促す動作だということに着目いただきたい。

 

自分では、よく聴いたと思っていても、部下のほうで、話し足りないことがあれば、それは、話をよく聴いてもらえなかったということになる。

 

いま、考えたことから、なにが読み取れるだろうか。

 

それは、傾聴といっても、黙って話を聴いているだけでは、話を聴いてもらっているのか、どうか、部下はわからないということである。

 

部下に聴いてもらっていると思わせる姿勢や言葉が必要なのだ。

 

「傾聴こそ重要」と言われるビジネス社会と組織にあって、あなたには真の傾聴を実行してもらいたい。

 

 

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