聞き上手になるための裏ワザ

聞き上手になるための裏ワザは、「話し手は出来事より、そのときの感情を語りたがっている」ことを理解することから始まる。

 

聞き上手というと、浮かぶのは相づち。
相づちが上手い人、気の利いた相づちを打てる人が聞き上手と信じられてきた。
これが表ワザといえる。

 

しかし、聞き上手かどうかをジャッジするのは話し手であり、話し手がいかに自分の話を語れたかというところに論点がある。
相づちが上手い、気の利いた相づちの判断には、多分に聞き手側の自己満足的要素が含まれているように思えてならないのだ。

 

話し手は自分の話を聞いてもらうことで、たしかに満足するが、「話せた!」と実感できるのは、自分の感情をわかってもらったときだ。
話し手の感情までわかることが、本当の聞き上手と思う。

 

 

二つの例を考えてみたい。
一つ目は、得意先担当者から昇進したことを告げられたケースだ。
一般的に、「すごいですね! おめでとうございます」という言葉を返す。
ちょっと気を利かせるなら、「益々のご活躍をお祈りしております」という言葉をつなげる。
これなら、ビジネスマナーの本に書いてあるようなソツない対応となる。

 

しかし、「おめでとうございます」のあとに、「いつ知ったのですか?」と返したら、どのような展開になるのだろうか。
相手は、待ってましたとばかりに、「それがね。外出先で携帯が鳴ったんだよ。部長の表示が出ていたので、慌てて電話すると、部長から『すぐに会社に戻れ』と言われた。会社に戻ると、部長が顔で『会議室へ』と合図したんだよ。会議室に入ると、……」といったように話が尽きなくなる。
これこそが、この得意先担当者が話したかったことなのだ。

 

 

もう一つの例は、新幹線の駅で単身赴任中の得意先にばったり出会ったケース。聞けば、子息があこがれのW大に合格したので、これから家に戻るということ。
ここも、「おめでとうございます! すばらしいですね!」と返すのが一般的。
そのあとに「これから楽しみですね」と続けると、ちょっと気の利いた対応になるかもしれない。

 

だが、ここも、「おめでとうございます」のあとに、「奥さまから連絡があったのですか?」と返したら、どのような展開になるのだろうか。
得意先は、「そうなんだよ。家内が興奮して電話をかけてきてね、もう何を言っているのか、さっぱりわからなかった……」と話が進むだろう。
じつは、この奥さまからの電話の話に、得意先の感情がこもっている。

 

 

いま例に挙げた「いつ知ったのですか?」「奥さまから連絡があったのですか?」は、話し手のそのときの感情を呼び起こす質問だったといえる。
話し手は、そとのときの感情を話したくて仕方がないから、そこから先、話が止まらなくなる。
一方、「益々のご活躍をお祈りしております」、「「おめでとうございます。これから楽しみですね」は、教科書的には満点に近い解答だが、そこで話は終わってしまう。
話しが終わってしまうから、話し手は自分の感情を十分に話せないでいる。

 

 

話し手の感情に直接触れるか、そのときの感情を呼び起こすような質問をすることで、話し手は話しかったことを話しだす。
その意味では、二番目の例は、いそいそと家に戻る得意先の姿が目の当たりにあるのだから、「嬉しいですね!」と話し手の感情をダイレクトに表現してもいい。

 

 

聞き上手と言われるには、条件がある。
話し手が話したかったことを話せたかということだ。
多くの場合、話し手は出来事を話す。だが、本当に話したいことは、その出来事を受けとめた自分の感情なのだ。
話し手の感情に焦点を当てれば、話し手は話しだし、自分の気持ちをスッキリさせる。
相手をスッキリさせることが、聞き上手なのだ。

 

そして、話し手は自分の感情までわかってくれた人のことを忘れない。
あの人になら、また話したいと思う。
そんな気持ちを抱かせる人が、聞き上手なのである。

 

綾小路亜也

 

 

 

 

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