『amazon 世界最先端の戦略がわかる』

2019.03.13更新

 

最近、GAFA(ガーファ Google、Apple、Facebook, Amazon)のなかで、とりわけ、Amazonの話があげられることが多い。
アマゾンの話は常に進化するところに特徴がある。
日本でも、いま、アマゾンエコーが盛んに宣伝されているし、アマゾンが出版物を直接出版元から買うといったこともニュース報道された。

 

この本は2018年8月に発売となったが、その直後の2018年10月に下記のようなニュースが流れた。
受け流してしまったかもしれないが、みんなアマゾンと関係がある。

  1. アメリカの老舗小売り「シアーズ」の経営破綻
  2. 「ローソン」のREID(無線識別)タグを活用した「ウォークスルー決済」の体験
  3. 「ユニクロ」のダイフクとの提携による倉庫の自動化

 

 

amazon 世界最先端の戦略がわかる

 

1.「シアーズ」の破綻はアマゾンだけの影響ではないらしいが、アマゾンの影響による小売業の淘汰が進んでいることはたしかだ。
アメリカのアパレル小売最大手の「メイシーズ」は閉店ラッシュに追い込まれ、玩具業界の巨人と言われた「トイザらス」も2017年に経営破綻した。
アマゾンと販売商品がかぶった企業への影響が進んでおり、「アマゾンエフェクト」と呼ばれている。

 

2.「ローソン」の「ウォークスルー決済」の放映を見て「すごい!」と思った人もいると思うが、アマゾンのことをよく知っている人やこの本をすでに読んだ人はそうは思わなかったはずだ。
アマゾンは2016年にコンビニストア事業への進出(「アマゾンゴー」)を発表し、すでに2018年に一般向けに開店している。
「アマゾンゴー」では、店内のセンサーやカメラを使って、客が手に取ったり棚に戻したりした商品と数を人工知能が認識し、ネットを経由してアプリを連動させている。
この方式は、今回の「ローソン」の発表のREIDタグ方式とはまったく違う。
REIDタグ方式を採用するとなると、全商品にREIDチップを埋め込まなければならない。その費用と手間は莫大なものになるはずであり、実用化はまだ先という印象を受ける。運営段階に入ったアマゾンとの差を感じてしまう。
だが、この時期に「ウォークスルー決済」のデモを行うことは、アマゾンを強く意識している。

 

3.「ユニクロ」もアマゾンに脅威を感じているはずだ。
「ダイフク」との提携は「ZARA」追撃かもしれないが、アマゾンをにらんでいる。
アマゾンはなんと言ってもアメリカで最も衣料品を売っている企業だからだ。
アマゾンは周知のとおり物流には絶対なる強みがあり、商品到着後30日以内ならば返品も無料だ。
そんなアマゾンを意識しないわけがなく、この報道もアマゾンへの対抗手段のように見える。

 

 

なぜ、アマゾンが各企業、各業種を呑み込んでしまうのだろうか?
これこそがこの本のテーマだが、アマゾンは「地球上で最もお客様を大切にする企業」であることを掲げ、実行しているからだ。
現実に「地球上で最も豊富な品揃え」をし、「お客様への圧倒的サービス」を行っている。
世界に1億人以上もいるプライム会員になれば、配送も無料で翌日には届く。映画やドラマも見放題で楽曲も100万曲以上聴ける。
一度でもアマゾンの味を知ってしまったならば、アマゾンから離れることはなく、アマゾンの利用を加速させていく。
この消費者動向が、企業の淘汰を加速しているのだ。

 

 

アマゾンのすごいところは、お客さまへのサービスをたえず進化させていることだ。
生鮮食品を配達する「アマゾンフレッシュ」も、日本では2017年4月から始まった。
物流に圧倒的強みを持つアマゾンだが、ドローンを利用した配達も検討し特許出願を行っている。
会話型スピーカー「アマゾンエコー」の販売台数も500万台とも1000万台とも言われるほど好調だ。

 

 

しかし、驚くことにアマゾンは1997年の上場以来、株主に配当を一度も支払ったことがない。配当に回すほど利益を出していないからだ。
それでは「利益はどこに行ったのか?」ということになるが、次から次に超大型の設備投資に回している。
この先手、先手の莫大な投資があるから、他社はアマゾンに勝てないのである。
この投資を裏付けているのが、強力なキャッシュフローだ。
すなわち、アマゾンの絶対なる強みは投資とキャッシュフローにある。

 

いままでの企業経営の考え方として、より多くの利益を出し、利益の中から株主により多くの配当を支払う企業がいい企業と言われてきた。
しかし、アマゾンは違う。しかもアマゾンは絶好調であり、市場の評価も高い。
つまり、アマゾンは従来型の経営スタイルとはまったく違う道を突き進んでおり、このスタイルに従来型の企業は勝てないということだ。
このことは、従来の経営感覚や経営戦略がもはや通じなくなっていることを示している。

 

 

本の目次

プロローグ アマゾンがなかったら生活できないかも

チャプター01 「品揃えが大量で、安い」を実現する仕組みとは

チャプター02 キャッシュがあるから失敗できる

チャプター03 アマゾンで一番利益をあげているAWS

チャプター04 アマゾンの「プライム会員」とは何なのか

チャプター05 アマゾンからM&Aを知る

チャプター06 巨大な倉庫と配送力で物流を制す

チャプター07 プラットフォームの主になるには

チャプター08 アマゾンを底ざさえするのがテクノロジー

チャプター09 アマゾンという組織

 

 

 

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2018年10月21日