忙しく振る舞うことはいいことではない

長くサラリーマンをしている人でも勘違いしていることがある。
その典型的な例に、忙しく振る舞うことはいいことだと思っている人がいる。
あなたも入社間もないころ、先輩の、電話をかけていたかと思うと、小走りに社内のある部署に向かい、そしてあわただしく外出していく姿を見たはずだ。そして、そのとき「この人、すごい人だな。自分も早くああなりたい」と思ったはずだ。
しかし、あなたもサラリーマン経験を積み重ねていくと、こうした先輩に対して思ったものが別のものに変化していく。
それは、「ああ、また、始まったな」くらいにしか思えなくなってしまう変化である。

 

そして、忙しく振る舞う人への周囲の感情が変化しているにもかかわらず、その変化を感じていないのは当の本人だけということが多い。
この人たちの勘違いは、忙しく振る舞うことが、会社に、そして組織にとってもいいことだと思っていることにある。
そして、その裏には、「ああ、あの人はやり手だ」「あの人はウチの組織には欠かせない」と思われたいからであろう。
だから、オーバーアクションにもなるのである。

 

しかし、この人たちには酷だが、サラリーマン社会では、この人たちのことは「段取りの悪い人」という一語で片づけられてしまう。
そして、おまけにオーバーアクションで変な奴というレッテルまで貼られる。
実際、この「段取りが悪い人」というのは、あたっている。
この人たちは、たえず時間に追われているからだ。
多分、冒頭の例で言えば、違う部署に走るのも、もうミーティングが始まっているからだろう。また、あわただしく外出するのもアポの時間に間に合うかどうか、ぎりぎりだからだろう。
そんな姿に、あなたは、「それならば、電話なんかかけないで、ミーティングの開始に備えればいいじゃないか。また得意先とのアポも、そんなに予定が立て込んでいるなら、時間をずらせてもらえばよかったじゃないか」と思うはずである。
しかし、当の本人は決していしないのである。
それは、自分は忙しいと思われたいからである。
だから、予定を押し込むのである。

 

さて、こんなに忙しく振る舞う人の業務進捗や営業成績はどうかというと、ダメなことが多い。
ここは、よくよくその原因を考える必要がある。
それは、この人たちの目的は、「忙しい」にあるからである。自分が忙しく思われたいことにあるからである。
考えてみれば、ミーティングを実のあるものにする、また得意先との面談も内容の濃いものにしようとすれば、こんなタイトなスケジュールなど入れるわけがないのである。こんなにバタバタすることはないのである。
すなわち、目的が違うところにあるということになる。
これでは成果が上がるはずはないのである。

 

重要なことは、忙しくすることと成果とはまったく関係がないということである。
あなたも、ぜひ、ここを押さえてもらいたい。
確かにサラリーマンは、行動に移すことが重要だが、やみくもに行動を起こしても何も生まれない。
行動を起こす前に、もう一度目的を考える必要がある。
考える時間というのも非常に大切なのである。
そして、この考える時間が成果を決めるのである。
あなたも、周りからの印象と、成果という観点から、この「忙しくする」ということをもう一度考えてもらいたい。
そして、ここで例に挙げた人を反面教師にしてもらいたい。

 

 

ポイント
①忙しくすることと成果とはまったく関係がない。
②行動を起こす前に、目的を考えることが重要である。
③考える時間が成果を左右する。

 

 

 

 

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