ビジネスマンから見た女性の営業の強みと弱み

2018.06.23記事を更新しました。

ビジネスマンから見た女性の営業の強みと弱み

太田彩子さんの『売れる女性の営業力 リクルート『Hot Pepper』MVPセールスウーマンが教える 』(日本実業出版社)には、女性ならではの6つの感性ー「共感性」「協調性」「親和性」「繊細性」「母性」「勤勉性」が紹介されている。
太田さんは、この6つの感性をうまく利用した営業を勧めるとともに、この6つの感性が営業でマイナスに働くこともあると注意を促している。
その他、女性が生来持っている感性から、女性は「フォロー営業」「継続営業」に適していることも述べている。
太田さんは営業をよく知った人であり、男性の視点からもその通りだと思う。

 

しかし、女性には、女性が気がつかないもう一つの「強み」がある。
それは、「区切る力」である。
これはどういうことかというと、女性はものごとに区切りをつけながら、業務を進めていく力に優れているということだ。
このことは、ビジネスの世界では目立たないかもしれないが、計り知れない大きな力なのだ。
私は、かつて拙著『サラリーマンの本質 』の中で、悩める組織や人には、業務を区切ることができない特徴があることを指摘した。
業務に「区切り」をつけられず、業務を同時並行的に遂行する傾向が強いのだ。
同時並行的に業務を進めることは、格好いい言い方をすればマルチタスク型になるが、ビジネスの現場では、一つの仕事に区切りをつけられないばかりに、収拾がつかなくなったり、当初たいしたことと思っていなかった仕事も、完結できなかったために、将棋の歩が金に成り上がるごとくトラブルを引き起こしたり、緊急の問題に昇格してしまう。
したがって、一つ一つの仕事に区切りをつけられない組織や人は混乱するのだ。

 

だが、男性はこうした現象をよく経験している。
このことは、学生時代のことを思い起こすとよくわかる。
男性で学生時代に年度末に一斉に実施される各教科の試験対策を、教科別に着実に対策を打った人はまれだ。おそらく、短期集中的に一斉に各教科に取り組んだ。
授業中もノートを取るのが苦手で、試験前に人のノートを借りたりして、一挙に穴埋めをした。
ビジネスマンになってからも、酒を飲んで家に帰りスーツのまま寝てしまい、朝、パンを口に放り込んで、ワイシャツに袖を通し、あたふたと会社に向かう人も多いのではないだろうか。
また、仕事をためてしまって、徹夜して当座を繕ったビジネスマンもきっといるはずだ。
いわば、男性は区切りがない生活に慣れてしまっていると言える。一斉に物事を処理することに慣れてしまっているとも言える。

 

女性はどうだろうか。
女性の多くは、このように一斉にいろいろなことを同時に処理するというよりは、計画的に、区切りをつけながら物事を進めることが得意なのではないだろうか。
営業というと、つい、華々しい成果、行動力の方に目が行きがちだが、計画的に、区切りをつけながら、営業をする姿勢はきわめて重要だ。間違いが生じにくく安定的である。
このことが顧客からの信頼の拠り所になっているのである。
女性活躍が叫ばれているいま、女性の華々しい活躍ぶりを紹介することは、たいへんけっこうだが、組織の下支えともなっている女性の区切る力というものに、もう少し焦点を当ててもいいような気がする。
実際、そんな女性特有の力があるから、組織は回っている。

 

ところがである!
この女性の特有の能力が発揮できない状態になったとき、女性は男性よりも混乱し、男性よりもはるかに疲れ、はるかに悩んでしまう。
私は、女性の営業職の悩みの原点はここにあるのではないかと思っている。
それは、こんなことを急に言われるときだ。
「夕方からミーティングやるぞ」
「みんな、明日までに報告書作っておいてくれ」
「〇○商事に暫く行っていないな。今日、アポとってくれないか。一緒に行こう」
「たまには、みんなで今日、飲みに行くか」………

 

このような突発的なことや、多くのメニューが重なったときにもろくなり、頭がパニくってしまうのである。
自分のペースが乱されたとき、もろくなってしまうのである。
だが、実際の営業の現場では、毎日のように、このようなことが言われたり、行われたりしている。
もちろん、そんなことは、言う方が悪いに決まっている。
だが、組織の一員である以上、ある程度合わせなくてはならない。だから、悩んでしまい、女性特有のパワーが発揮できないのだ。

 

営業の成果に男性も女性もない。だが、女性がパワーを発揮しやすい環境を考え、作るということも、組織のために絶対に必要なことだ。
そして、女性自身も、自分が力を発揮しやすい環境を作ることも重要だと思う。
拙著『企業で働く 営業女子が輝く35のヒント』では、「仕事メーカー」をスケジューラーでブロックする、社内での仕事をきまり悪く思わない、相性のいい人をバートナーに選ぶ、など自分の働きやすい環境づくりの方法を紹介した。
営業女子は、営業自体も重要だが、自分の働きやすい環境を自ら作るということも、それと同じように重要なのだ。

 

 

 

 

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