時代の振り子は大きくマッキンゼーから動く?

今は、マッキンゼーという名前をだせば売れる時代である。マッキンゼーといえば、古くは大前研一氏、そして勝間和代氏の名前が浮かぶが、このマッキンゼー威光はいっこうに衰えていない。むしろ全盛期ではないだろうか。
そんな中で、今話題の『頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?』を読んだ。
本の中身は本当に役立つものだと思う。

 

しかし、それ以上にすごいと思ったのは、本の表表紙、帯に、マッキンゼー、ボスコン(BCG)、東大合格生…とあるではないか。
そして続いて、「トップエリートが使うノートで、6つの能力がみるみる上がる!」と書いてある。
本の内容は素晴らしいのだが、この本の中で外資系コンサルタントという文字がいったいどれだけでてくるだろうか?
数えないくらいの数だ。
そして、ビジネス書をよく読んだ人ならすぐに気づくと思うが、本の内容も、マッキンゼーのコンサルタントが使う「空=事実認識 雨=状況解釈 傘=行動・提案」を主軸に置いている。
その他、フレーム、事実(ファクト)、再現性など、マッキンゼー系コンサルタントが使う用語だらけだ。
本にざっと目を通すだけならば、勝間和代氏の本と思う人も多いのではないだろうか。
また本中に28才という年齢が多く出てくるが、これは、ビジネス書のターゲットは、28才を狙えという鉄則を守ったものと思われる。

 

一方で、『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40あげて慶應大学に現役合格した話』が売れていると思ったら、最近、新聞広告を見て、目を剥いた。
本は読んでいないが、今度は、『偏差値30でもケンブリッジ卒の人生を変える勉強』という本の広告が載っているではないか。
これでは、慶應をケンブリッジに変え、偏差値40をさらに10下げインパクトを狙ったと思われてもしようがない。

 

いったいなにがどうなっているんだろうか?
実は、このマッキンゼーとビリギャルとは、共通点がある。
それはブランドである。
マッキンゼー、ボスコン(BCG)というブランド、東大、慶應、ケンブリッジというブランドを前面に出しているという共通点がある。
つまり、今のビジネス書の売れる条件は、一言で言えば、ブランドということになる。

 

さて、問題はここからである。
この状況がいいとか悪いとかという問題を抜きにして考えた場合、ブランドの次に、今度はいったい何を売るのであろうか?
また、われわれは、全盛期のあとに必ず衰退期が来ることを、歴史からも社会現象からも経済現象からも学んでいる。
そして、いま、まさにマッキンゼーというブランド、ケンブリッジ、ハーバード、スタンフォード、東大、慶應というブランド、MBA卒というブランド、外資系コンサルタントというブランドは全盛を極めているのである。
これから必ず衰退期を迎えることになる。
それは、そのときの社会が決めることである。そのときの人びとが決めることである。
しかし、その衰退は、なんとなく予想ができる。
多くのビジネスコンサルタントが言うように、振り子は真逆に大きく振れるのではないだろうか。
この反動は彼らの言うとおり大きいのではないかと思う。

 

考えてみれば、今の状況が異常なのかもしれない。
「外資系コンサルタントが使用しているからいいツールだ」「外資系コンサルタントが言っているから正しい」という風潮があり、それゆえに、マッキンゼーという名前を出した本が売れている。
しかし、常識的に考えれば、「外資系コンサルタントが使用しているからいいツールだ」ではなく、「いいツールを外資系コンサルタントが使用している」と言った方が正しいのではないだろうか。
同様にして、「外資系コンサルタントが言っているから正しい」のではなく、「正しいことを外資系コンサルタントが言っている」ではないだろうか。
ここの混同が意図的かどうかは別にして、あるような気がする。
私は、この常識的なところから、修正が始まるような気がする。

 

私が知りたくて知りたくてたまらないことは、「時代の振り子は大きく反対に振れる」と言っているビジネスコンサルタントの人たちが、どういう反動が来るのかを予測しているかである。
まさか、このマッキンゼー現象やブランド現象がいつまでも続くと予想しているわけはないと思う。

 

一つの予兆の参考になるのが、マッキンゼー等のブランドの流れをくむビジネスコンサルタントの方のfacebookやtwitterのファン数の変化ではないかと思っている。
facebookやtwitterは言うまでもなく、気軽にファンになれるところに特徴がある。
今は、マッキンゼー絶頂期であるから、それらの方のページのファン数は、うなぎ上りになっているはずである。
しかし、そのファン数がピタッと止まったときは、一般の人の関心は冷めて、違うターゲットに向かったということになる。
こんなところから、振り子が始動するのではないだろうか。
まず、振り子が始動する瞬間に着目したい。

 

 

 

 

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