やってから、ものを言う癖をつける

「やってから、ものを言う」の反対は、「やらないのに、ものを言う」である。
そして、サラリーマン社会では、「あいつは、どうせやらないんだから」というレッテルを貼られている人が多い。
言うまでもなく、サラリーマン生活でこういうレッテルを貼られると前途は暗い。
あなたは、自分の周りを見渡してみると「確かにこういう人はいるな」と思うと同時に「なぜ、やらないのか?」と思っているはずだ。
それがここでのテーマである。

 

実際、この人たちが「なぜ、やらないのか」は謎に包まれている。
それは、この人たちは、雄弁家であることが多いからだ。雄弁家であるにもかかわらず、「なぜ、やらないか」と周りの人は思っている。
そんなに、ものを語れ、分析できているのに、「なぜ、やらないか」と思っているのである。

 

この人たちは、会社や部の施策が発表されたとき、新しい取り組みが始まろうとするときに、間髪を置かずに、施策や取り組みに対して批評を開始する。
「それはあたるわけがない」「現実的でない」「現場の状況を踏まえていない」「効率的でない」「時間の無駄だ」「他にやるべきことがあるはずだ」………。
それは、批評というよりは批判であるが、重要なことは、こんな批判にものすごいエネルギーを使うのに、なぜ、やることにエネルギーを使わないかである。
私は、サラリーマンを始めた頃、この人たちのことをものすごい優秀な人たちだと思っていた。
それは、これだけのことを分析でき、雄弁に語れるからである。居酒屋に行っても独り舞台の勢いだからだ。
そして、最初は、やらないのは、持論に基づき抵抗しているのかと思っていた。

 

しかし、私は、サラリーマンを続けるうちに、この人たちへの見方が変わってきた。
それは、単純に、「やらない」という癖がついているだけではないかと思い始めたからだ。
そう考えてみると、彼らの批判は、自分が「やりたくない」理屈付けに思えてくるのだ。
そして、もう一つ。こうした人たちは、けっこうベテラン社員が多い。
もしかして、やった結果を気にしているのではないか。やって上手くいかなかったときのことを考えているのでは思えてきた。
つまり、彼らはプライドが高いということになる。

 

確かにサラリーマン社会は色々な意味で厳しい世界である。たとえば、彼らが心配しているように、新商品の販売など新しい取り組みが実施されたとき、入社2年目の社員の方が入社15年目の社員より成果を上げたということは、ざらにあるのである。
もしかして、彼らは、こんなことまで想像して自分のプライドを傷つけまいとしているのかもしれない。
だから、その前に布石を打っておきたいと思っているのかもしれない。

 

多分、以上述べたことが折り重なり、積み重なって、「やらない」という癖になったのだと思う。
しかし、あなたが感じている通り、この人たちの意見は、「ああ、またか」くらいに思われ、まったく重んじられないことに注意してもらいたい。
そうなったら、おしまいなのである。

 

実際、サラリーマン社会には現場の直観のようなところがある。
あなた自身も、新しい施策が現場に下されたときに、「えっ? なんだこの施策は」と感じるときが多いと思う。
もちろん、ここで意見を言ってもいいが、「やってみる」という動作も必要なのである。
それは、「やってから、ものを言う」人と「やらないで、ものを言う」人とでは、受け止め方が違うからである。
やはり、「やってから、ものを言う」人の意見は、尊重される。
そして、そのことが積み重なって、やがてその人の意見自体が尊重されることになる。

 

どうだろうか? この「やる」「やらない」そして、「やってから、ものを言う」「やらないで、ものを言う」は、癖のようなものである。
癖のようなものだから、いったん付いたものは、なかなか剥がれない。
ぜひ、いい方の癖を身に付けてもらいたいと考えている。
そうすれば、あなたの社内でのポジションもずっと高まるはずである。

 

 

ポイント
①「やってから、ものを言う」「やらないで、ものを言う」は癖のようなものである。
②「やってから、ものを言う」人の意見はたえず尊重される。そしてこうしたことが積み重なり、その人の意見自体が尊重されることになる。

 

 

 

 

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