浅草の話

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浅草

『潤一郎ラビリンス(9)浅草小説集』

潤一郎ラビリンス〈9〉浅草小説集 (中公文庫) 潤一郎ラビリンス〈9〉浅草小説集 (中公文庫)
谷崎 潤一郎 千葉 俊二

中央公論社 1999-01-18

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ラビリンスは迷宮といういう意味であり、複雑に入り組んだものの比喩表現である。
谷崎潤一郎は迷宮浅草に挑んだことになる。

 

この本には、『襤褸の光』『鮫人』『浅草公園』が収められているが、『襤褸の光』は短編、『浅草公園』は随筆であり、この本の大部分を占める『鮫人(こうじん)』は未完となっている。
『襤褸の光』は明治40年代、『鮫人』は大正7年の浅草公園を舞台にしている。

 

驚くことは、小説の大半が人物描写で占められているということである。特に顔の描写に力が入れれている。
2つの小説には共通点がある。それは、登場人物はみな浅草にやってきたということである。
『襤褸の光』に登場する若い女乞食も、画家に成り切れないAも成れの果てに浅草公園に落ちてきた人物であるし、『鮫人』の画家に成り切れない服部がたどり着いた地であり、歌劇団に属する人は、どこの生まれか育ちかはわからないが、浅草に寄り集まって生計を立てている人たちである。

 

著者は『鮫人』の中でこう言っている。
「怠け者で、金がなくて、意志が薄弱で、それでやはり贅沢な物質欲から自分を救い出すことが出来ない人々、そう云う人々がだんだんと社会の壓迫に追い詰められ、不平の餘り世を茶化したり拗ねたりする料簡になり、やけ糞半分から安価な享楽に溺れる為めに集って来る土地としては、浅草ほど究竟の場所はないのであるから。………
醜悪が醜悪そのまゝの姿で現れて居る浅草が、一番住み心地のいゝ場所だとも云えないことはないであろう。其処には下町の中心地や山の手にあるような虚偽や不調和がなく、醜悪がやゝともすると『美』に近い光を放って輝いて居る」

 

著者は、そんな素のままの浅草に惹かれ、相容れない要素が詰まった矛盾だらけの人物の顔に、浅草そのものを感じたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

『浅草はなぜ世界の人々を引きつけるのか 1400年の歴史を持つ街の底力』

浅草はなぜ世界の人々を引きつけるのか 1400年の歴史を持つ街の底力 (朝日新聞デジタルSELECT) 浅草はなぜ世界の人々を引きつけるのか 1400年の歴史を持つ街の底力 (朝日新聞デジタルSELECT)

朝日新聞朝日新聞社 2017-06-10

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オンデマンド(ペーパーバック)である。つまり、注文を受けてから印刷し送るという方式を採用している本である。
正直言って、残念の一言に尽きる。
送られてきたものは、12.5cm×16.5cm、53ページの小冊子であり、そのうち、1ページ丸ごと使っている白黒の写真が18枚、地図が4枚、簡単な行事表が1枚あるから、読むページは30ページにすぎず、しかもスカスカなので15分もあれば読み終えてしまう。
あまりのあっけなさに驚きさえ覚える。

 

タイトルとも、あまりにもかけ離れているし、タイトルに対する質問自体にも答えていない。
朝日新聞という名から、論文に近いものを期待していた読者には、きわめて残念な一冊になる。デジタルSELECTのSELECTの意味もまったくわからない。
本の価格のことも言いたくないが、あまりにも本の内容とかけ離れている。

 

一応、目次を示しておく。

第1章 おせっかいが心地良い

第2章 神輿の熱気、守りつなぎ700年

第3章 元気くれる、芸人の「ホーム」

第4章 古く、狭く、楽しい「花やしき」

 

 

 

 

 

 

 

『平成二十八年度 浅草神社例大祭 三社祭 公式読本』

平成二十八年度 浅草神社例大祭 三社祭 公式読本 平成二十八年度 浅草神社例大祭 三社祭 公式読本
浅草神社金風舎

2016-04-21Amazonで詳しく見る by G-Tools

こうした公式読本が電子書籍で残るということは、たいへんいいことだと思う。
また、三社祭のことをしっかり知りたい人にも役立つに違いない。
一点注意しなければならないのは、公式読本を画像として保存しているため、記事を指で拡大して読むことはできない。

 

この本の魅力は、なんと言っても「『三社祭』見どころ解説」にある。
三社祭は例年、5月17日と18日に近い金曜日~日曜日に行われるが、その前日の木曜日には「本社神輿神霊入れの儀」、金曜日には、「大行列」と「びんざらさら舞奉納」、土曜日には「例大祭式典」「町内神輿連合渡御」、日曜日には「本社神輿各町渡御」「宮入り」「本社神輿神霊返し儀」が行われる。
そんな三社祭の行事が時系列で載っているし、「本社神輿渡御図」も掲載されている。

 

嬉しいのは浅草四十四ヶ町が載っていることである。
この駒札を読むだけで、これらの町と浅草との関わりがわかってくる。

 

三社祭フォトコンテスト入賞作品も掲載されている。
おかあさんと揃いの半纏を着て手を引かれる子供、祭りの合間に、建物のガラスかステンレス板に姿を写し、髪を整えるおねえさん、神輿渡御のスナップがある。すごく大事なものが詰まっているような気がしてならない。

 

最後にちょっと疑問に思ったことは、なぜ平成二十九年版がないかということである。

 

 

 

 

 

 

『浅草紅団・浅草祭』

浅草紅団・浅草祭 (講談社文芸文庫) 浅草紅団・浅草祭 (講談社文芸文庫)
川端 康成 増田 みず子

講談社 1996-12-1

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川端康成先生と浅草とが上手く結びつかない読者は多いと思う。
しかし、この本は、浅草について書かれたどの本よりも詳しく、どの本より写実的である。
それゆえ、よほど浅草の地理に詳しくなければ、この本に登場する光景を思い描くことができないだろう。おまけに、浅草ながらと思える登場人物も多数出てくるから、多少、浅草という所を知っておかなければ、なんのことを言っているのわからないと思う。

 

逆に言えば、それほど川端先生は、浅草探求に燃えていたことになる。
川端先生は、浅草の何を発見したかったのだろうか?

 

『浅草祭』は、『浅草紅団』を書いてたのち、暫く経ってから書かれた『浅草紅団』の続編である。
その『浅草祭』の中で著者は、こんなことを言っている。
「一口で言えば、浅草公園は恵まれぬ大衆がここに棄てる、生活の重みと苦しみとがもうもうと渦巻いて、虚無の静けさに淀み、だから、どんな賑やかな騒ぎも寂しく消え、どんな喜びも悲しげに見え、どんな新しさも古ぼけて現れるのだ」

 

いまの浅草の盛況ぶりからは到底、想像できないが、浅草を訪れた人の中には、そんなことを思った人がいるのではないか。
そして、この大衆も幾重にも層のようになって重なり合って、その中、したたかに生きていく。これが浅草だと思う。

 

 

さて、この本は、浅草の不良集団「浅草紅団」の女首領・弓子との接触を通して、著者が見た浅草が書かれている。

 

私は、『浅草紅団』の最後に書かれている弓子の大島の油売りの娘姿、そして、大黒屋前の人垣に隠れて立ったまま琴を鳴らす弓子と思われる人物の姿が、いつまでも記憶に残って消えないのである。

 

 

『ぼくの浅草案内』

ぼくの浅草案内 (ちくま文庫) ぼくの浅草案内 (ちくま文庫)
小沢 昭一

筑摩書房 2001-10

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残念ながら、中古本でしか入手できない。
本の冒頭に、著者は代田橋、日暮里、高円寺、蒲田、池袋などに住んだことがあるが、浅草生まれでもなく、浅草育ちでもないことを紹介している。この点は、『小説浅草案内』を書いた半村良氏と同じである。
このことが、この本を決定づけていると言える。
それは、変な言い方になるが、浅草生まれでもなく、浅草育ちでもない人の浅草は詳細なのだ。浅草に執着を持って、関わろうとしているところに特色がある。

 

ここが、浅草生まれの久保田万太郎、沢村貞子の本とは異なるところである。この二人は、自分が見たままの浅草を書いている。

 

 

すごいなと思ったのは、浅草のニオイについても触れていることだ。
地下鉄銀座線のニオイ、地下鉄田原町駅を出て、地上に出たところにある2軒の焼きそば屋のニオイが書かれている。
たしかに、浅草のことをよく知っている人はこのニオイを感じるし、このニオイが好きでもある。

 

さて、この本には昭和52年、53年頃の浅草の姿が描かれている。
著者は昭和4年生まれだから、著者が48歳~49歳のときの浅草である。
よく言われているように1970年代の浅草は灰色の時代だった。テレビの普及と娯楽の多様化により興行街である六区が大不振に陥ったからである。

 

この時代の浅草は、どこもかしこも、すさんでいた。観音さまの裏の石碑などには、とても手を出すこともできないように、砂やほこりにまみれていた。吾妻橋や駒形橋の欄干なども、触りたくないほど汚れていた。人もすさんでいた。六区には、なぜ昼間なか歩いているのだろうと思えるような人たちもいた。
それゆえ、この本に描かれているような名所や名跡前とはちょっと違っていた。
だが、それも浅草であった。そこら辺が、ぜひ、著者に聞きたかったところである。

 

 

 

 

 

 

『携帯 東京古地図散歩ー浅草編ー』

携帯 東京古地図散歩 ―浅草編― 携帯 東京古地図散歩 ―浅草編―
原島 広至

青幻舎 2017-04-07

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古地図散歩というと、携帯地図を片手に散歩をイメージすると思うが、この本の「切絵図」と今の地図を比較しながら散歩と考えてもらいたい。

 

この本の「切絵図」は主に1853年(寛永6年)の「尾張屋板切絵図」だが、この「切絵図」がすぐれものである。
まず「切絵図」が色彩豊かできれいである。川や池、海は青、道路、橋は黄、武家地は白、神社仏閣は赤、町家は灰色、畑や山林、土手や馬場は緑というように色分けされたうえに、有名な自社の建物や名所はイラスト表記されている。

 

そればかりではない。大名の上屋敷は家紋付き、中屋敷は■、上屋敷は●といった表示もあるし、切絵図の名は表門の向きを表している。

 

この本には、A雷門・姥ヶ池コース、B浅草寺コース、C西浅草・浅草六区コース、Dかっぱ橋コース、E今戸コース、F花やしき・吉原コース、G入谷・下谷コース、H橋場コース、I石浜神社コース、J南千住・小塚原コース、K三ノ輪コースと11のコースが示されている。
この本の切絵図と今の地図とを比較しながら回るという設定だ。

 

不思議なことに、読んでいるだけで、スポットが頭の中に入ってくる。
これは、名所、史跡などのスポットは、歴史的経緯があるからスポットになっているのであり、いまあるスポットだけ見ても、頭に入らないことを意味している。
それが、切絵図と一緒だと、当時の状況といったものが蘇ってくる。

 

この本は浅草ファンにとってもたまらない一冊だろう。
姥ヶ池、久米平内堂、真先稲荷神社、妙亀塚、出山寺など、通常の観光案内とは違った伝説の世界がそこにある。
浅草に、田んぼや池、浅茅ヶ原(チガヤ)があったときの話である。

 

この本を手に、当時に思いを馳せて、上質な時間を送ってもらいたい。

 

 

 

携帯 東京古地図散歩 ―浅草編―

 

 

 

 

『浅草風土記』

浅草風土記 (中公文庫) 浅草風土記 (中公文庫)
久保田 万太郎

中央公論新社 2017-07-21

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久保田万太郎は生粋の浅草生まれ(当時の住所では田原町。いまの雷門)の作家として知られている。
同氏は小説家というよりも、もっとフィールドが広く、俳人、劇作家、演出家でもある。

 

慶應義塾大学文学部に進んだとことが、運命を決定づけた。
教授に「三田文学」を創刊した永井荷風がいたからである。同氏は小説『朝顔』、戯曲『遊戯』を「三田文学」に発表し、三田派の作家となっていく。

 

さて、『浅草風土記』だが、風土記は歴史や文物を記した地誌だということを頭に入れておかなければならない。
この本にはおびただしい数の店の名前や光景が出てくるが、浅草のあの辺、この辺がわかっていないと、まったくわからない。

 

もう一つ、考えなくてはならないのは、時代である。
この本に描かれている光景は、主に昭和2年~昭和7年頃の浅草である。
本の中の「雷門以北」の執筆は昭和2年だから、著者39歳(著者は明治22年生まれ)の作ということに着目する必要がある。

 

そのときの浅草の光景はどのようなものだったのか考える必要がある。
それは、関東大震災後の変わり果てた浅草の姿だったのではないだろうか。
著者が、田原町から馬道の浅草小学校に通ったときの光景とはだいぶ異なっていたはずである。
だから、当時を偲び、万感の思いがあったと思う。

 

この本のちょっと違った読み方もある。
それは、浅草の老舗の昔の姿は、どうだったかということである。
この本には、「ちんや」「中清」「川松」「松喜」「梅園」「大黒屋」「やっこ」など当時からあった店がふんだんに載っている。
老舗の店主たちが語る姿と、ちょっと違っているところが、おもしろい。

綾小路亜也

 

 

 

 

 

 

 

『小説浅草案内』

小説 浅草案内 (ちくま文庫) 小説 浅草案内 (ちくま文庫)
半村 良

筑摩書房 2017-04-06

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北海道から浅草に引っ越してきた小説家である著者。
引っ越してきてから、小料理屋などを舞台に浅草の濃い人間模様を描いたのがこの本の内容である、と一見思えるかもしれないが、実は違う。

 

浅草の人に成り切ろう、成り切ろうと思っても、成り切れない、著者の焦り、淋しさというものが描かれている。

 

そんな著者の気持ちは、「第九話国木屋」での、結城伸次との会話に表れている。

 

著者自身、下町の出身であり、本所、深川、立石、柴又に住んだことがある。そして、浅草で毎日飲み歩いているならば、立派な浅草の人じゃないかと思えるかもしれないが、違う。

 

本所、深川、立石、柴又も代表的な下町だが、そんな下町に住んでいた人だからこそ味わう浅草の魅力、浅草へのあこがれといったものがある。
著者もそんな思いで、浅草に引っ越ししてきて、浅草の人に成り切ろうと思ったに違いない。

 

しかし、成り切れない。
それは、浅草の人に成り切ろうと思っている人の浅草は心で描いた浅草であり、素顔のままでいる浅草とは違うからである。
根っからの浅草っ子は「浅草の人になろう」なんて思うはずもなく、いまある浅草をあるがまま受け容れて暮らしているからである。

 

 

 

小説 浅草案内 (ちくま文庫)

 

 

 

『浅草のおんな』

浅草のおんな (文春文庫) 浅草のおんな (文春文庫)
伊集院 静

文藝春秋 2013-07-10

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浅草の小料理屋「志万田」の女将志万(しま)が、17のときに男を追って東京に来て、浅草の女になっていく姿を描いた小説ですが、描写がきれいですね。

 

志万と志万の店で働く美智江が吾妻橋の袂から見た夕暮れの墨田川はこう描かれている。
「美智江は黙って雨に煙る川面を見ていた。
ぼつぽつと家灯りが点って水墨画に彩色がなされた。五月の雨の川辺はため息が零れるほど美しかった。吾妻橋の袂にふたつの傘が寄り添うように並んでいた」

きれいな情景ですね。

 

この本には、「浅草暮色」「橋の夕暮れ」「花火のあとで」「暮鐘」「無言詣り」「弁天の鼠」「浅草のおんな」という目次があり、それぞれ物語として完結しているが、主人公、ストーリーは一本の糸で結ばれている。それが時の経過であり、浅草のおんなになっていく姿でもある。
浅草の情景描写も見事ですが、浅草の人の思いや、感情といったものも見事に描かれていると思います。

 

素敵な言葉も出てきます。

「恩返しは恩を受けた人に返せないんだ。受けたものを違う人に返すんだって」

 

「君は浅草って街がわかってないね。この街で見た奇麗なものも醜いものも、すべて、あの川の水とともに流れていくんですよ」

 

 

巻末の道尾秀介氏の解説の中に、伊集院静氏が書いた『白秋』の話が紹介されていたが、私もこの本を読んで『白秋』のことが頭に浮かんだ。それは、『浅草のおんな』は酒の肴を、『白秋』は花を、ストーリー展開の上で相当こだわったと思うからだ。

 

綾小路亜也

 

 

 

浅草のおんな (文春文庫)

 

 

 

 

『あゝ浅草オペラ』

あゝ浅草オペラ: 写真でたどる魅惑の「インチキ」歌劇 (ぐらもくらぶシリーズ) あゝ浅草オペラ: 写真でたどる魅惑の「インチキ」歌劇 (ぐらもくらぶシリーズ)
小針 侑起

えにし書房 2016-05-16

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この本の表紙を見ると、なにか悪いものでも見てしまったような気持になる。それと同時に、ちょっと、こんな世界を覗き見したいような気持ちにもなってくる。

 

浅草にオペラがあったと聞くと驚く人がいると思う。
それは、芸術と言われるオペラと浅草とはどうしても結びつかないからだ。

 

だが、大正の中期、浅草オペラは全盛期を迎えた。
観客の熱狂ぶりはすさまじく、「ペラゴロ」と呼ばれるファン同士が乱闘するありさまだった。

 

 

この本には、浅草で活躍したオペラ女優、俳優の名がズラッと出てくるが、一回読んだだけでは、なにがなんだかわからない。
著者の資料蒐集と、検証力はものすごいものがあるが、読者は関連性すらもわからないと思う。

 

浅草オペラについては、一般の人は読み方があるように思う。
キーワードを覚えることが必要だと思う。
そのキーワードは、「帝国劇場歌劇部」「ローシー」「原信子」「高木徳子」「女軍出征」「おってくさん」である。

 

 

キーワードを使って、浅草オペラを述べると、
明治44年、帝国劇場に歌劇部ができた。これが日本のオペラの始まりである。
ところが、歌劇部は採算があわないということで閉鎖されてしまった。
だが、帝国劇場の歌劇部にダンス教師として招かれていたローシーが、パトロンに援助を要請し、私財も投げうって、オペラシアターを赤坂に作ったことにより、帝国劇場のオペラを受け継いだ。

 

しかし、そのローシーもいろいろなトラブルを起こし、日本を去ってしまう。
それを、受け継いだのが、原信子である。原信子は東京音楽学校の出身であり、帝国劇場の教師として招かれ、その後ローシーの歌劇団でも活躍していた。原信子は原信子歌劇団を浅草で旗揚げした。

 

一方、原信子とはまったく別の流れで、渡米しバレエを修得した高木徳子が浅草に進出した。彼女が上演したのが、浅草オペラで伝説的な演目となった「女軍出征」である。「女軍出征」は各歌劇団で上演されているが、出演者たちは、本の表紙の右上のような姿をしている。

 

この2軸を押さえれば、あとは枝葉がついていくと思う。
「女軍出征」のフランス女士官、「カフェーの夜」の劇中劇である「おってくさん」を演じた女優が、当時の代表的女優ということになる。

 

インチキくさいような気配が漂うかもしれないが、かならずしも、そうではない。
この本には貴重な写真が満載されているので、写真を見るだけで楽しくなる。
また、女優たちの数奇な運命も知ることになる。

綾小路亜也

 

 

あゝ浅草オペラ: 写真でたどる魅惑の「インチキ」歌劇 (ぐらもくらぶシリーズ)

 

 

 

 

 

 

 

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