潤いの広場

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出張の楽しみ

私は一人だけの出張が大好きである。
上司や同僚と行くときの煩わしさがないからだ。
そして、岡山や広島に行くときには、必ず新幹線を使う。
確かに東京からだと3時間~4時間かかるが、社内での行きと帰りの楽しみがあるからだ。
そんな私の出張の楽しみを、みなさんに紹介したいと思う。
あるいは、みなさんも私と同じようなことを考えているかもしれない。

 

まず行きの新幹線。
私は煙草を吸うので、必ず喫煙ルーム近くの座席指定を取るようにしている。
しかも、その際には、車両の真ん中あたりの通路側の席を取るようにしている。
それは、車両の入り口近くだと、やはり人が通るたび、扉が開閉するので落ち着かないからだ。
そして、弁当とペットボトルのお茶、そして微糖の缶コーヒーを買って乗り込む。
私は、コーヒーはいつもブラックだが、新幹線では微糖入りのコーヒーにしている。
なぜか、その方が、席に座った時の最初の感覚として落ち着くのである。ほっとするのである。
そして、ビジネス書を最低でも2冊、多いときは3冊持参する。
車両が動き出してしばらくして読みだすが、出張中、2冊目に差し掛かることはない。
(しかし、なぜか、念のために2-3冊持っていく)

 

なぜか? 確かに本は読みだしても、やはり外の景色とか乗客とかが気になる。
しかし、それ以上に、本を読みだすと、必ず「そう言えば、前にあんなところに行ったな」とか、楽しかったことや苦しかったことなどが思い出されるから、ペースが遅くなったり、本を閉じて思い出にふけることが多くなるからだ。
そして、そんなときは、喫煙ルームに行き、外の景色を漠然と見ながら、煙草を吸う。
実は、私は、そんな時間がたまらなく好きなのである。
だから、一人での出張が好きなのである。

 

そして、全然ペースが進まなかったビジネス書は、ホテルでの就寝に役立つことになる。
出張中、ちょっとさびしいときがあるとしたら、それは、ホテルの自分の部屋で眠りに就こうとするときだ。
何もやることがない瞬間が襲う。そして、部屋の壁やテーブルなどが味気なく思えるときだ。
そんなとき、横になり、ビジネス書を読む。
自分の頭の中に、部屋のわびしさとは別な世界が浮かぶ。
しかし、必ず、読みはじめてすぐにどうしようもない眠気が襲ってくる。
これが、ビジネス書を持っていく一番の効能である。

 

そして、帰りの新幹線。弁当とビールを買って乗り込む。
そこには、行きの緊張感とは異なる安心感がある。
弁当のおかずを肴に、ビールを飲み、少しまどろむ。
弁当は乗車駅の食材が入ったものを買うから、これも楽しいのである。
そして、その後も、まどろみが周期をおいて訪れる。
その合間にビジネス書を読むことになる。
もちろん、適当に席を立って、煙草も吸う。
帰りは、このまどろみが何とも言えないのである。

 

そして、出張が終わると、「ああ、行ってよかったな」といつも思う。
多分、人間には、ときには非日常的な空間の移動が必要なのだと思う。
「旅」に人は感じるところがあるというのも、なんとなくわかる気がするのである。
しかし、翌日から、また、何もなかったかのように日常的な生活が始まるのである。
不思議なものである。
しかし、人生の経験を増すほどに、旅が好きになっていくのである。

 

福山駅で買った弁当
あなごとタコが入っている。

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