ビジネス書ジャパン

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ビジネス書ジャパン運動の展開について

「マッキンゼーでもないハーバードでもない日本ブランドのビジネス書」を読む!

ビジネス書を読者自身が選ぶ!

背景 

日本のビジネス書にはハッキリとした特色がある。
それは、マッキンゼーとかBCG(ボストンコンサルティンググループ)とかの外資系コンサルタント会社、ハーバード、スタンフォード、MBAという名前や著者を日本の出版社がブランドと考えていることだ。
そのため、そんなビジネス書を読むと、マッキンゼーではこういうことをしている、外資系コンサルタント会社の社員はみんなこんなことをしているといった内容が、これでもかというほど盛り込まれている。
一方、読者自身も、マッキンゼーとかハーバードという名前がつくと、なにやら特効薬を飲んでいるような錯覚に陥り、酔いしれてしまう。

そして読者は、仮に本の中身がピンとこなくても、マッキンゼーとかハーバード、外資系コンサルタント会社、MBAという名前がついている手前、口が裂けても「この本、何度読んでもわからないよな」とか、「この本、内容はいま一つだよな」、「現場感覚とはほど遠いよな」とは言えない。
つまり、わからなくても、わかったような顔をしなければならない苦痛がここにある。
そして、出版社は、このわからなくても、わかったような顔をしなければならないブランドの威光を笠にかけて、ブランド本の出版ラッシュを続ける。
本の著者も、これでもかとそのブランドを本に織り込むのである。


一方、それに対抗する日本のビジネス書はどうであろうか?
結論から言うと、日本のビジネス書は、マッキンゼーとかハーバードというブランドに完全に恐れ入っている。
その結果、大きく2つの道をとる。
1つは、成功体験本に走る。
この世界にはブランドが必要ないからである。
2つ目は、非常に特定な分野の仕事のやり方に絞り込む。
この世界にも、ブランドが必要がないからである。
つまり、日本のビジネス書には、総合ビジネス書というものがほとんどないことになる。


そして、最近日本のビジネス書を見ていると、非常に気になる嫌な傾向がある。
それは、最近、一流の人はこうした行動を取る、こうした考え方を取る、こういうネクタイをしているという本が現れてきている。
こうした本は、実務を経験している人が書いた本ではなく、主にサラリーマンを外から見ているコンサルタントが書いた本である。
すでに読者の方でお気づきの人がいると思うが、こうした類の本は、いわば、マッキンゼーなどの外資系コンサルタントの延長線上にあり、日本版に置き換えたものである。
本当に現場で一生懸命に頑張り、悩み苦しむサラリーマンやビジネスマンに失礼極まりないと思っている。
これらの本の目的はいったい何なんだろうと思わざるを得ない。残念な気持ちでいっぱいになる。
言うまでもなく、外形分析をしてみて、何が生まれるというのだろう。
もし書くならば、外形にたどり着くまでのサラリーマンやビジネスマンの必死の努力の軌跡ではないかと思うのである。
誤解を生じやすい類の本だと思っている。


こんな状況を見て、「本当にそれでいいのか?」というのが「ビジネス書ジャパン運動」の背景である。
これでは、日本経済を担う日本のビジネスマンの頭脳が、日本人独自の思考法や経験に基づくものではなくなっているということにはならないだろうか。
詰まる所、残念ながら日本のビジネス書には、アイデンティティーがないということになる。

考察

ここは冷静に考えなくてはならない。
重要なことは、ブランドではなく本の中身である。
確かにブランド本記載のマッキンゼー社で定着していると言われている「空」(事実)「雨」(解釈)「傘」(行動)という情報処理の組み方は参考になるところ大である。
しかし、マッキンゼーだからすべてあっている、外資系コンサルタントが言うことだからすべて正しい、傾聴に値するということではないはずだ。
ここは注意しなければならないところだ。
もし、この仮定が正しかったとするならば、それでは、外資系コンサルタントにコンサルを依頼した日本の企業は、すべて上手くいっているということを証明しなければならない。
それに、これらのブランド本が日本でのコンサルの実績を示すことがほとんどないことは不思議なことであると思っている。

また、すごく真っ当な意見として、世の中そんな甘いものではないと思っている。
外資系コンサルの成果で企業がすべて上手くいく、これらのブランド本を読んで、ビジネスマンやサラリーマンがすべて上手くいくとは考えずらい。
本は、ブランドで成り立ち、売れるかもしれないが、商売、ビジネス自体は、ブランドとは関係ない世界なのではないだろうか。
ここをごっちゃにして考えない方がいいのではないかと思う。


ビジネス書ジャパン運動の展開について

運動自体はシンプルである。
「よいものはよい」と言い、「悪いものは悪い」という運動である。
そして、みなさんの手で、日本のビジネス書を探し出し、紹介しあうという運動である。
もちろん、「よいものはよい」という観点でブランド本で参考となる部分は共有することも必要である。
しかし、本の選択自体は、ブランド本の営業戦略に乗らず、読者自身の手に戻すという運動である。

なぜ、この運動を思い立ったかと言うと、
1つは、日本のビジネス書のアイデンティティーの確立である。
もう1つは、読者自身がこういう選り分けをしないと、あまりにも、「外野の声」「雑音」が多くなり、あなたの友人も何が何だかわからなくなってしまうからである。
混乱してしまうからである。

趣旨賛同の方には、ぜひ、忌憚ないご意見そしていい本の紹介をお願いしたい。

最後に、世の中、「ブランド、ブランド」と言うけれど、日本のサラリーマンやビジネスマンのブランドは、マッキンゼーでもハーバードでもない。
「一生懸命頑張っている」ということが、「あなたのブランドである。あなただけのブランドである」と強く思うのである。