第六議題(営業の本質)

このエントリーをはてなブックマークに追加
営業とは何か
・不思議なことに、私たちは、「営業のやり方」自体を、誰からも教わっていないのです。
「営業の考え方」ということも、聞いたことがありません。
世の中の本は、「お客さま視点を絶えず持てば、必ず売上は伸びます」とか「クレーム処理を重視しなさい」と説きますが、それはそうかもしれませんが、日々の営業活動をどうすればいいかという疑問は残ったままとなります。

実は、営業そのものの「やり方」「セオリー」は、確実に存在しています。
根底に「営業としての考え」をシッカリ持っていないと、成果を上げることは難しいのです。

・色々な見方、定義の仕方があると思いますが、
営業とは、「見込み」と「目標(予算)」との「差」を埋める活動
定義すると、営業での実行性が高く、成果に結びついていきます。
        

考え方に触れます。

・どの営業部署でも、「目標(予算)」に向けて、売上見込みを積み上げていきます。
しかし、どうしても、そこに不足分=「差」が生じます。
この「差」は、企業が絶えず業績伸展を図っているので、必ず生じます。
すなわち、営業部署に与えられた「目標(予算)」は、会社業務の伸展のため、概ね、前年売上を上回る設定となっているために、単純に現在の売上見込みを加算しただけでは、届かない数字となっています。
この「差」をハッキリと認識し、どうしたら、この「差」を埋めることができるか、具体的行動を起こすことが「営業」です。

従って、汗をかきながら外回りをすることが営業ではありません。得意先と談笑するのが営業ではありません。それは、単なる「動作」に過ぎません。
「見込み」と「目標(予算)」との「差」を埋めるという目的意識をシッカリ持って、その目標に向かって行動していなければ営業ではありません。その意識がない場合は、それは単なる外を回るという動作、お客と話すという動作にすぎません。
これが、「営業の原点」です。


営業のやり方
・それでは、「見込み」と「目標(予算)」の「差」をどうしたら埋めることができるでしょうか。
これが、「営業のやり方」です。

「見込み」と「目標(予算)」に「差」が生じたということは、まだまだ、「見込み案件」の数が少ないことを物語っています。すなわち、「見込み案件の玉数」を増やす行動が、営業だと言い換えることができます。

では、どうしたら、「見込み案件の玉数」を増やすことができるでしょうか。
結論から先に言うと、最も大切なのは、そして必要なのは、「連想力」です。
この「連想力」の広がりこそが、「見込み案件」を増やしていきます。

「連想力」の変遷を、下記オフィス向けの機器販売会社の営業担当の例で見てください。

フェーズ1 営業担当者は、「A社は、本当にウチだけ使ってもらっているのだろうか」と考え始めた。
      (「既存顧客」自体のカバーの確認)
フェーズ2 「ウチは、A社の総務部に納品しているが、経理部はどうなっているのだろうか」と
      考え始めた。
      (「既存顧客」を軸に横展開)
フェーズ3 A社をインターネットで調べてみた。子会社にD社というものがあるのを知った。
      「総務部長に紹介してもらおう』と考え始めた。
      (「既存顧客」を軸に上下展開)
フェーズ4 A社の納入会社や下請け会社まで調べだし、紹介してもらおうと考え始めた。
      (「既存顧客」の取引先まで工作展開)
フェーズ5 A社に対して、会社ごと一括発注の仕組みとメリットを説明する。
      併せて、インターネットを利用したA社各部門から直接発注できる仕組みも提案する。
      (最後にまた「既存顧客」に戻る)

*「見込み先」が、左右上下に拡大していることに注目してください。

このように「連想力」が働くと、「見込み案件」の不足に悩むことはありません。
当然、売上も、大きく伸びていきます。

「連想力」を鍛えるには、下のようなボード等を活用してください。
毎朝、みんなで、「見込み案件」を書き出していくのです。
最初は、ボードに「見込み案件」を、ほんの数件しか書けませんが、毎日やることによって、次第にボードが埋まっていきます。最後には、ボードは真っ黒になり、これ以上書くことはできなくなります。
その時、売上は、目標(予算)を遥かに超えているはずです。
・着目すべきは、営業担当者は、誰に言われるまでもなく、自分の頭の中で、自然に上記1~5を思いつき、ボードに書き出していきます。是非、その「変遷過程」に注目してください。
最初は、辛い作業ですが、身に付けば、一生ものです。どの部署に行っても、成果をあげる人材となっていきます。

  

考察
この営業担当者の「連想力」の変遷過程が重要です。
この営業担当者は、まず、「既存顧客」自体の点検から入りました。
その後、「既存顧客」を軸として、他の営業部、子会社、納入先、下請け会社に、「連想力」を拡大していきました。
「見込み先」が左右上下に拡大して行っているのが特徴です。

そして、再び、「既存顧客」へと帰り、「提案営業」を実施したのです。
実際の営業では、この担当者は、フェーズ3あたりから、見込み客が増えだし、目論見も当たってきます。売上も増えだし、営業の醍醐味を感じ始めます。


間違った営業の指導
・営業部門では、「新規を取ってこい」「提案営業をしろ」という言葉をよく聞きます。
ただし、新規が突然、天から降ってくることはありません。また、提案営業というと、形だけやる傾向が強くなります。

営業は、限られた時間の中で、効果を上げるというゲームですから、アテのない新規獲得活動、
形だけの提案営業は、効率的とは言えません。

その中で、参考になるのは、前述のオフィス向け機器販売会社の営業担当者の例です。
彼は、まず、「既存顧客」から入り、立派に新規獲得、売上拡大に成功したと思います。
そして、最後には、シッカリと、「既存顧客」に「提案営業」を実施しているのです。

要は、あまり、「新規、新規」「提案営業、提案営業」と言わずに、ジックリと、営業担当者の連想力を醸成した方が得策ということになります。

重要なことは、営業担当者に、ジックリ考えさせることです。そして、毎日毎日、連想力を働かせることです。最初は、見込み客を思い描けず、辛いと思いますが、ここを辛抱し続けると、どこの部署に行っても立派に成果を上げ続ける営業社員となります。
一旦、体に染み込んだ営業姿勢は、消えることがないのです。

見込み違いの本質
・営業には、「見込み違い」という、どこの会社でも、どこの部署でも発生する現象があります。
この現象は、営業担当者や組織が、最後まで、「見込み案件」を手離なさなかった時に生じます。

そして 月末になって、「見込み案件」が入らなかったと報告されます。
こうして数字は見込みとは狂ってくるのです。

この問題の本質は、実は、「見込み案件数」にあります。
「見込み案件数」が少ない営業担当者や組織は、成約の可能性が低くなった見込み案件を手離すことができません。手離せば、自分の手元がスッカラカンになってしまい、それを恐れるからです。
この問題の根本の解決策は、やはり原点に戻り、「見込み案件数」を増やすしかありません。

営業とは目標残の輪を縮めるゲーム
・結論から言うと、売上数字の管理は、絶対にやらなければなりません。それも、組織と担当者双方でやることに意味があり、さらに毎日やることに意味があります。

要は、営業には、目標数字が確固と決められている訳ですから、その目標数字に対して、現在の進捗状況はどうなっているのかを確認することは、当然必要な作業となります。

毎日やることによって、進捗状況が悪い時には、原因を探ると共に、「違う一手」を早く講じることができます。
例えば、見込んだ案件が、今月入りそうもないとわかった場合は、代替案件を探すことができます。

また、組織で言えば、担当者全員が揃って順調な月などありません。好不調が月ごとに変わるのが現実です。
そんな時に、不調な担当者の不足分を、他の好調な担当者で埋めることができないか、組織検討する必要があります。
それだからこそ、売上管理は、組織と担当者、双方でやることに意味があるのです。
前述の「見込み違い」は、双方で毎日実施していれば、生じにくくなります。

そして、数字の進捗をただ漫然と見てはいけません。「目標残が縮まっているか否か」の視点から見ることが重要です。

それは、営業は、元々目標を追うゲームですから、目標残を知らなければ、目標に行くはずはないのです。
毎日、「目標残が縮まっているか否か」の確認を行うということは、目標達成に向かっていることにほかなりません。
そんな空気は、必ず組織自体を目標達成に向かわせます。