「いきなりアウト」の時代を生き抜く

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私は、今のビジネスマンは、「いきなりアウト」の時代を生きていると考えている。

 

それは上司との関係が希薄になったからである。
現在、多くの企業が、年度ごとに目標制度というものを採用している。
確かに、目標設定時、中間評価時、期末評価時には、上司との対話があるのだが、所詮それだけにすぎない。
そして、年度の終わりに、上司からこう言われるのである。
「オレは、こう思っているんだ。君はこれとこれの意識が足りない。また、この項目は不十分だ」と。
これを野球にたとえれば、打席に立ったものの、一球目、二球目、三球目とも瞬きもできないほどの剛速球で、バットに当てることすらもできずに、呆然とベンチに引き揚げるといった状態である。
つまり、「いきなりアウト」といった状態である。
そして、「アウト」と告げられたあと、あなたを待っているものは、配置転換や異動かもしれない。

 

唯一「いきなりアウト」という状態にならない方法は、「気づき」である。
日ごろから上司や職場の仲間の言動に注意を払い、自分を改善する方法である。
しかし、自分のことは、意外にわからないものである。
自分のどの部分を直さなければならないのか、わからない。これが現実である。

 

昔のことを言ってもしようがないが、昔は、「いきなりアウト」ということにはならなかった。
それは、今ほど、ビジネスマンの業務密度というものが濃くなかった時代があったからだ。
つまり、上司、部下とも、まだまだ業務に、気持ちに余裕があった時代があった。
そこには、「飲みにケーション」なんて堅苦しい名前がつかない自然と湧き出た上司との飲み会もあったし、日常業務でも上司から先輩から、よく指導を受けることができた。
先ほどの野球にたとえれば、こんな状態だったのではないだろうか。
まず打席に入る前に、上司からこと細かに注意をもらう。
バッティングフォーム、相手投手の球種、癖なども教わる。
そして、一球目が来た。速い。手が出ない。思わずあなたは、ダッグアウトの中の上司を見る。
上司は、微笑んでいる。頷いている。
そして、あなたは、2球目を待つ。今度も速い。見逃した。
また、あなたは、ダッグアウトを見る。上司は、なにか言っている。そして、あなたは、そのなにかがわかった。
3球目を待つ。速い。しかし、あなたは、今度は、バットに当てることができた。
そして、試合が終わる。上司は、あなたのところに駆け寄り、先ほどの打席のアドバイスをするのである。

 

いつから上司と部下との関係が形式的になり、希薄になっていったかは、定かににはわからない。
1996年から始まった日本版ビッグバンあたりではないかと思っている。
規制緩和が始まり、さまざまな企業が事業領域を大きく拡張した。参入障壁の撤廃が始まった。
それまでは、銀行と言ったらわれわれがイメージするままの銀行だった。生命保険会社といったら文字通り生命保険を取り扱う会社であった。
また、多くの企業が社名そのままの事業を行っていた。
ところが、その頃から、規制緩和とともに各企業の事業領域が拡大していった。そしてその流れは、今も受け継がれている。
この点は、専門書に譲るとして、言いたいことは一つ。ビジネスマンは、忙しくなったのである。

 

上司も部下もさまざまな業務が加わり、忙しくなっていった。業務密度が濃くなっていった。
そして、その流れは今も変わっていない。
また、日本の企業は、その後も、ITバブル崩壊、リーマンショック等の危機にも遭遇するのだが、たえず経営努力といった形で乗り越えてしまう。
その力は、本当にすごいと思うが、ビジネスマンは果てしない業務の拡大、業務効率の改善に取り組まなければならなくなる。
平たく言えば、ビジネスマンは、これからも、忙しくなるということだ。
こうした環境の激化により、部下は、業務外での「飲みにケーション」を好まなくなったのではないだろうか。
へとへととなった上に、会社の延長線上の飲み会など勘弁してくれと思うようになったのではないだろうか。
一方、上司も、幅広く課題と責任を持つこととなったために疲れている。会社業務が終わると、一刻も早く家に帰り疲れを癒そうと思うようになったのではないだろうか。
つまり、上司、部下双方疲れているのだ。「飲みにケーション」を始めとするコミュニケーションの場は著しく減っている。

 

こんな状態の中で、あなたは、会社から上司から評価を受けなければならない。
「結果宣告」だけの厳しい時代である。
それには、あなた自身で自分の業務の進め方に気づき、修正していかなければならない。
しかし、自分で自分のことを知るということはなかなか難しい。
その気づきのパートナーの役割を果たすのがブログ「守る技術」、そして『サラリーマンの本質』と考えてもらえば幸いである。
私は、決して名選手であったわけではない。
エラーも、三振もよくした平凡な選手である。
ぜひ、みなさんの仲間だと思っていただきたい。
そして、 打席に入ったあなたが、わからなくなったときにダッグアウトの中にいる監督を見るように、活用いただければ幸いである。

 

 

 

 

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