お手上げをした人と組織は救われる

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お手上げをした組織と人は、意外となんとかなるということを言っている。
タイトルは変だが、サラリーマン社会の一面を示す現象として紹介しておきたい。
こんな現象は、もし、みんさんが管理職だったら、「そんなこと確かにあるよな」と思う人が結構いるのではないだろうか。
前もってことわっておきたいが、決してお手上げ状態となることを推奨しているわけではない。
むしろ、そんなことにならないように努力しなければならない。
しかし、もしお手上げ状態になった場合は、そんな状況を早く上司に、あるいは上部の組織に報告した方がいい。そういう話である。
そして、そうした場合、 意外と、救われるのである。

 

人と組織のケースがあるが、まずは、組織の場合から考えてみよう。
組織がお手上げ状態になる場合は、たいがいが、現在の体制では仕事をこなせないで、にっちもさっちもいかなくなっている場合であろう。
例えば、要員の欠員、要員の経験と能力不足、突発的な事件発生による対応、急にある業務が舞い込んできた場合等がある。
そんなとき、この組織の長が、上部の組織に対して、「今、お手上げ状態である」と申告した場合、その上部の組織はどういう反応を示すであろうか。
確かに、そんな報告はおもしろいはずがない。なんとか現体制で頑張ることはできないかと思うはずだ。
加えて、他の組織でも要員が同じように逼迫しているにもかかわらず、頑張っているのに、なぜできないのかと思う。
しかしである!
日本のサラリーマン社会は、上部の組織は、そんな話を聞いて面白くはないが、それよりは、「なんとかしなければならない」と強く思うのである。
一旦、問題を受け止めた以上は、なんとかしようと強く思うのである。
ここら辺が、日本人のそして日本のサラリーマン社会の極めて真摯なところである。

 

そして、こんな場合、上部の組織は具体的な行動を次々に起こすのである。
まずは、現場の状況を見るということから始まるだろう。現場の職員へのヒアリングも実施するだろう。
並行して、人のやりくりも考えるだろう。
他の組織の人を異動させ、補充することはできないか、当座の応援体制をどう敷くかを考えていくだろう。
要は心配で心配でいられなくなるのである。
その結果、お手上げした組織は、なんとか当座をしのぐことができるのである。

 

これは、人の場合でもそっくりあてはまる。
お手上げをした職員をどう支援するか、組織全体で真剣に考えるのである。
きっと仕事の分担も見直すだろう。
こんな状態を『サラリーマンの本質』では、「みんなでリヤカーの荷物が落ないようにしながら、前へ進むイメージに似ている」と、表現している。
そして、お手上げをした人も、なんとかピンチを防ぐことになるのである。

 

ここで重要なことは、サラリーマン社会では、意外と、お手上げ状態を申告した人や組織は、なんとかピンチを防げるということである。
しかし、一方で、お手上げ状態を申告しなかった人や組織が、ゆくゆくは、大きな問題を引き起こすことが多いというのも現実にあるのである。
こんな話をすると、「そんな非合理な話ってあるか。途中で自力解決を放棄した人や組織が救われて、最後まで頑張り通した人や組織が問題を起こすなんて話はおかしいじゃないか」という人はきっといると思う。
その通りであるが、しかし、現実は、こんな場合が多いのである。

 

なぜだろうか。
それは、『サラリーマンの本質』にも記載したが、会社や組織としての判断は、ある人や組織が、何も発しないで業務を遂行している時、「多分、上手くいっているだろう」と思うからである。
これは、そう判断する会社や組織の方が間違っていると思う。しかし、そう判断するのである。
どこの世界でもそうかもしれないが、特に日本の社会では、「上手くいっている」ということを前提に考えたがる。
その証拠に、よく会社の上の人は、職場を訪ねたり、部下に会ったりしたときに、こんなことを言ってはいないだろうか。
「おい、どうだ。上手くいっているか? 」と。
これは、日本人の口癖のようなもので、挨拶がわりに交わされる。
こんなときに、あなたは、いつもどう答えているか考えてみてもらいたい。
多分、「おかげさまで」とか、「まあまあです」と答えているのではないだろうか。
これで安心する方も安心する方だが、答える方も答える方なのである。

 

つまり、こんな挨拶がわりの「上手くいっているか? 」という問いに否定しなかったり、ピンチの発信をしない限り、上の人と組織は、上手くいっていると考えるのである。
しかし、内情は、火の車になっている人や組織はきっとあると思う。
また、そこをぐっとこらえて、頑張り通す気持ちも痛いほどよくわかる。
だが、ここのところは、よく考えてもらいたい。
前述したが、日本のサラリーマン社会は、極めて真面目な集団である。
ピンチの信号が発せられた場合は、組織ぐるみで真摯に解決に向かうことを忘れてはならない。

 

自分や、組織は精一杯の努力を払わなければならない。
しかし、それにもかかわらず、ピンチに陥った場合は、早めの信号発信も必要なのである。
そして、加えて言うならば、『サラリーマンの本質』で強調したが、上の人は、あまり「上手くいっているか? 」と聞かないことである。
それよりも、「多分、現場は苦労しているだろうな」「上手くいっていないことが多いのではないか」と思う気持ちが必要である。

 

 

(参考)『サラリーマンの本質』は、この問題を一つのテーマとして掲示している。詳しくは、第三議題「組織への間違った指導」の中の2.「上手くいっているより、上手くいっていないが大切」を参照願いたい。
また、「上手くいっている」より、「上手くいっていない」が大切は、『サラリーマンの本質』のコンセプトの一つである。

 

 

 

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