追い込む動作

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「追い込まれる動作」「追い込まれない動作」というものを書いた。そこには必然的に「追い込む」主体が存在している。
今回は、その「追い込む動作」というものを考えていきたい。
ここでの着眼点は、「追い込まれる」側は、必ず、「追い込む」側から、督促や確認を受けているということである。
逆に言えば、督促や確認を受けているから、「追い込まれる」という状況になる。
我々は、どうやら、「追い込む」側の研究もしなければならない。そして、どうしたら自分に有利に仕事を展開できるかということも考えなければならない。
それが、今回のテーマである。 「追い込む」という言葉はあまりいい言葉ではないが、仕事ができるという人は、みな実行していることである。

 

それは、皆さんも薄々感じていることだと思うが、朝の時間帯の活用にある。
サラリーマンの朝は、勝負の時でもある。一斉に社内外から電話が鳴る時でもある。
それは、よくよく考えてみれば、当たり前のことかもしれない。みな、頭が冴えている朝に、「あれはどうなったのか」「あのことを確認しておこう」という気持ちになるからだ。また、前の晩、自宅に帰り、ふと、「そういえば、あのことは、どうなっているのか」と思い、忘れないうちに電話をかけるということもよくあるからだ。
しかし、よく職場を見渡してもらいたい。
電話を一方的に受ける人と、電話をかける人との両者が存在していることを。
みなさんも経験があることと思うが、こんな電話対応を実施しているうちに、あっという間に午前中が終わってしまう。そして時計の針を見て、「もう11時半だ。食事に行って、午後からの仕事に取り組もう」と考え、モヤモヤ感を持って、仲間と連れ立って食事に出かけるのだ。

 

一方、電話をかけまくった人は、午前中にあらかた確認を終え、充実した気持ちになっている。
そして、午後の時間を、自分の仕事に専念しようと考えている。
この差は、あまりにも大きいのではないだろうか。ここには、攻撃に回った側と防御に回った側との大きな差がある。また、自分に有利に展開した側とそうでない側との大きな差がある。
そして重要なことは、サラリーマンの1日は、この午前中の早い時間で戦いの決着がついてしまうということである。この差が、毎日毎日続いたとしたならば、途方もない大きな蓄積の差となっていく。

 

「そんな話簡単じゃないか。自分も明日から、朝、電話をかけまくって、自分に有利に展開する」と言う人がいるかもしれないが、そういう気持ちを持つことは非常に大切だが、現実には、意外とできないのではないだろうか。
それは、朝を試運転として慣らしている人と、朝を勝負の時と考える人との歴然とした蓄積の差があるからだ。
何が違うのであろうか。
ここを解明することは非常に難しいことだが、朝、職場に立つ時の、「目的」の差にあるのではないだろうか。
「今日、これだけは解決してやる」「今日は、こういうことをやる」という「目的」を持っていることが、「そうだ、そうだ、あの件は聞いたままだったな」とか、「あの件が片付かないと、これは進まないな」ということにつながり、電話確認という動作になるのではないだろうか。
また、「目的」を持ってデスクに座った時に、そのことを思い出すのではないだろうか。
この「目的」がないと、「自分から電話をかければいいんだろ」という気持ちになっても、そうはいかないということを示しているのではないだろうか。
もちろん、それ以上に、大きな「目的」を持っている人もいる。「オレはこの職場で一番と呼ばれたい」「いい評価を受けたい」「出世したい」という「目的」が、朝、その人を動かす場合もある。

 

さて、この朝の時間の使い方は、みなさんもビジネス書を読んで感じているかもしれないが、多くの書でも言われていることでもある。
このHPで紹介した『営業の神様』ジョー・ジラードの朝の身構え、確認、集中というものはすごいものがある。また、『ワン・シング』でも目標に向かう際の、朝の時間の重要性が記述されている。
そう、我々は、それは、わかっているのだ。わかっているけれど、なかなかできない範疇に属する。

 

私は、ジョー・ジラードのようなスーパーマンにはならないまでも、この朝の、「目的意識」というものを、まず持つことが先決だと思っている。
そこから、自然と朝の時間帯の活用が変わるはずだ。
人は、人から言われたことからでは、なかなか変われない。自分が感じ取らないとなかなか変われない。そして、自分が自然に感じたことから変わっていく。この自然に感じるということが必要であると思っている。拙著『サラリーマンの本質』も、「ああしろ」「こうしろ」とは決して言っていないつもりである。コンセプトは、「本当はこういうことではないのか」「こんなことではないのか」と気づいてもらうことに主眼を置いている。

 

本題に戻ろう。
なんでもいいから、1日の仕事の「目的」を決める。その「目的」は、1つでも全然構わない。そして、その遂行を考えてみる。
この遂行をイメージするということが重要である。
すると、遂行をイメージすると、何かしらの確認事項が出てくるのではないだろうか。
これを朝、確認するということからスタートすることが出発点として現実的な気がする。
これは、課題を前に前に進めている状態にほかならない。この前に前に進めている状態を感じる自分の気持ちというものが非常に重要である。
社内に対しては、「先日、頼んだ仕事、できている? え、まだ? 今週の水曜日までには仕上げげくれよ」と言って、電話を切る。
社外に対しては、「先日、お持ちした書類でご不明点はなかったですか。ご不明点がございましたら、いつでも言ってください」と先制攻撃をかける。
なにか、それだけでも、気持ちが清々しくなってくる。そう、前に前に、先に先に進めているからだ。
そのうち、もっともっと先のことまでも、確認し出すに違いない。
社内には、「9月に予定されている会議だが、日程決まっている?9月15日がいいな」と電話をかける。社外には、「10月にお客さまのご契約は満期を迎えますが、事前に更新のご説明にお伺いしましょうか」と電話をかける。
思考が前に前に、向かっているから、心の余裕も生まれてくる。そして先に先にと向かっているから、どんどん仕事がはかどっていく。
そして重要なことは、これこそが、自分に有利に展開しているということなのである。
また、「目的」を持つことが、メッセージ発信につながっていることを頭に入れてもらいたい。
まずは、1日、1つの「目的」を持つことから出発してもらいたい。

 

 

(参考)人は、人から言われたことからでは変われない。自分が、感じ取ったことから変わる。
『サラリーマンの本質』は、「ああしろ」「こうしろ」ではなく、感じ取っていただくことを目的にしている。

 

 

 

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