やがて、あなたの意見は気づかいに変わる

上司と一緒に居酒屋に行くと、メニューを見てもなかなか決められない。
「昼食、どこに行く?」と聞かれても、すぐに答えられない。
会議などで意見を求められても、ちょっと間をおいて「べつにありません」と答えてしまう。
こうした現象は、頭の中が空っぽだから自分の意見を言えないのではなく、相手の心を読むことでいっぱいになっているから言えないのだ。

 

出世を目指すあなたには、人から意見を求められたときはスパッと答えてもらいたいが、出世の過程において、あなたの意見が気づかいに変わるときが必ずくる。
なぜ、意見を求められたとき、すぐに言った方がいいのか、やがて、意見が気づかいに変わることとはどういうことかお話ししていきたい。

 

 

考えてみれば、意見がない限り反対意見もない。意見がない限り、選択、判断のしようがないのだ。
居酒屋のオーダーだって、誰かがなにかを言うから決まるのだ。昼食だって候補を言ってくれるから、自分が食べたいものも言え、その結果店が決まるのだ。会議だってそうだ。誰かがなにかを言うから、それに対する意見が出て決まっていくのだ。
自分の意見を言ってくれる人ほどありがたい存在はないのだ。

 

 

しかし、自分の意見を言えなかった人が、気持ちを切り替えるだけで言えるようになるかといえば、そこまであまくない。訓練が必要なのだ。
もし、あなたが自分の意見をあまり言えないということならば、次のような訓練を実施してもらいたい。
たとえば、自分一人で昼食に行くときがある。その日によって食べたいものは違うはずだ。そのときに自分の頭に浮かんだことを実行に移すことだ。
カレーと考えたならカレーの店に、イタリアンと考えたらイタリアンの店に、天丼と考えたなら天丼を出す店に行くことだ。
ここを「なんでもいいや」と考えないことだ。
日々、自分の頭に浮かんだことを実行していくと、居酒屋のオーダーでも、昼食の候補先を聞かれた場合でも、会議で意見を求められたときでも、自分の意見を言えるようになる。
自分の頭に浮かんだことを、具体化するようになってきているからだ。

 

また、自分の意見や考えを「どうせ、こんなもの」と思わないことだ。
「どうせ、こんなもの」は自分の判断なのだ。
人にとって、「どうせ、こんなもの」が貴重なヒントになったりすることは山ほどあるからだ。
そして、人のどんな意見や考えにも関心を示すことだ。
人の意見に関心を示すと、自分の意見も言えるようになる。

 

 

あなたは、やがて、自分の意見を必ず言わなければならないときを迎える。
出世するとは、どういうことだろう?
出世すればするほど、多くの部下を持ち、多くの人と関わるということだ。
それは、いろいろな人から意見を求められるということである。
意見を言うことが、あなたの責務となる。
そして、役職が進むにつれ、あなたの意見は重要視される。
あなたの信頼度が増してきているからだ。
信頼度が増してくると、仕事以外の意見も求められてくる。
部下からは、家庭の問題や不動産の購入の件で意見を求められるかもしれない。

 

トップとの距離も縮まってくるとプライベートの話も出る。旅行やレストラン、ホテルの話だったり、ゴルフ用品などの買い物の話かもしれない。
得意先からの信頼感も厚くなってきているから、得意先が立てた施設に案内されたり、購入した美術品なども見せてくれるかもしれない。
パーティーなどへの出席も多くなる。
あなたが見たもの、聞いたものの反応を、みんなが期待する。
そんなときに無言というわけにはいかない。
あなたが意見を言うことは、話した人、案内してくれた人、見せてくれた人へのマナーになる。
そして、人に求められなくとも、意見を言うことが気づかいとなるのである。

 

その日のために、いまから準備しておかなければならないのだ。

 

綾小路亜也

 

 

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