「結果が大事か、プロセスが大事か」に終止符を打つ中野麻由美さんのトップセールス術

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「結果が大事か、プロセスが大事か」に終止符を打つ中野麻由美さんのトップセールス術

 

結果が大事なのか、プロセスが大事なのか、世の中これだけ進歩しているというのに、ビジネスの世界ではいまだに議論されている。
現に、評価面接の場で、「プロセスはよかったのですが、結果はいまひとつでした」とか、「プロセスは評価してください」などと話し合われている。

 

TOYOTA営業スタッフで、直販・割賦販売台数全国1位の中野麻由美さんは「目標は『必ず達成すること』が重要であり、プロセスは目標達成のための道のりにしか過ぎない」と述べている。
中野さんは、2007年に営業スタッフとなったが、4年目には年間販売台数が160台を超えて全社で1位となり、そこから連続してトップセールスを続けている。
160台といえば、およそ2日に1台、車を売っていることになる。

 

中野さんが書いた『トヨタトップセールスレディが教える 永遠にトップをいくためのセールス術』は車のセールスで結果が出ないセールスマン向けに書かれたものなのだろう。
しかし、この本を読むと、プロセスとはどういうものなのか逆にわかってくる。結果とプロセスの間を行き来しているビジネスマンやビジネスウーマン共通の解があるはずだ。

 

最初に目標を立てるーその目標を達成するために月に何台売らなければならないか、週に何台売らなければならないか逆残していく。
週に売らなければならない台数がわかったら、何件の商談約束をとらなければならないか、過去の商談成約率から算出する。
商談件数がわかったら、呼び込み件数を考える。ここも過去の呼び込み決定率を基に算出する。
そうすると、いま! 全力で取り組まなければならないものは、呼び込みということになる。
このように、ロジカルに考えることが重要なのだ。

 

思わず、ディーラーのショールームで、セールスマンとお客さまとが話し合っている光景が浮かぶ。
私たちは、そんな光景を漠然と見て、こんなことから車の成約が生まれるんだろうなと、また漠然と考えている。
しかし、その光景は車の成約に向けた一場面にすぎない。
その大元にあるのは、お客さまを商談へと導く呼び込みだ。そして、呼び込み件数が成約台数を決めているのだ。

 

だが、このことは、営業では意外に忘れがちになっている。
数字に苦労する。あるいは、見込み会議を延々と開催する背景には、見込み客の数がある。
見込み客が少ないと、成約に至らない場合、すぐに営業不振に陥ってしまう。

 

中野さんの本を読んで、深く感じ入る言葉は「シナリオ」だ。
中野さんの場合は、お客さまごとに、成約に向けたシナリオができている。
お客さまからの情報に基づき、シナリオを立てられるから、呼び込みへ、商談へと移り、成約に至るのだ。
このことも忘れがちになる。売る方がシナリオを持たずに、漠然とお客さまと接していただけでは、時間の無駄にもなるし、けっしてクロージングに向かうこともない。

 

もう一つ、中野さんをトップセールスに向かわせている大きな理由がある。
それは、「3年残価ローン」である。
「3年残価ローン」を簡単に説明すると、残価を設定することで、約半額分の支払いを将来へ繰り越すローンである。そのため、月々のローン支払いは半額になる。
中野さんは、この「3年残価ローン」を最大の武器としている。
この話には、営業を考えるとき、重要な要素が含まれている。
それは、営業の世界で優績者と言われている人たちは、自社商品のある部分に強烈に惚れ、その部分を、自信を持ってお客さまにアピールすることで実績を上げていることが多いからである。
生命保険のトップセールスも、そんな特徴を持っている。

 

考えてみれば、このことはおもしろい現象と言えないだろうか?
「3年残価ローン」は、べつに中野さんだけでなく、トヨタのセールスはみんな武器として持っているはずだ。
それなのに、なぜ中野さんが……、というところが、営業の差なのである。
べつに「3年残価ローン」でなくてもかまわないが、自社商品の仕組みを理解し、そこから自分自身がヒントを感じ取った人がトップセールスとなる。これは、普遍的な話ではないかと思う。

 

 

車の販売の世界には、「営業の神様」と呼ばれている人がいる。
車を1年間に425台、15年間で13,001台を売り、ギネスブックに登録されたジョー・ジラード氏だ。
注目すべきは、ジラード氏が言っていることと、中野さんが言っていることとはよく似ているということだ。
ジラード氏が所属しているディーラーは、稼ぎどきである土曜日に店を閉めることになった。

そんな状況下、ジラード氏がやったことは次の4つである。

1 景気の悪さを埋め合わせるべく、かける電話の本数を増やした

2 紹介による顧客の開拓にいっそう力を入れた

3 ダイレクトメールの数を増やした

4 地元銀行に働きかけ、有利なローン条件を引き出した

 

そして、ジラード氏は、準備万端で一日、一日を迎えた。

 

中野さんの、「リーマンショックもデフレも関係なし!」という言葉が思わず浮かぶ。
中野さんも、お客さま宛てのオリジナルなダイレクトメールをよく出している。そして、有利なローン条件も出している。
営業のトップセールスは共通しているのだ。
あとは、「やるか」「やらないか」である。

 

 

 

トヨタトップセールスレディが教える 永遠にトップをいくためのセールス術

 

 

(参考)

営業の神様

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拙著です。
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本の目次

スマホで読む方法

 

 

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