野村証券のビジネスマナー:トイレは入り口から遠い方を使う

このエントリーをはてなブックマークに追加
野村證券のビジネスマナー:トイレは入り口から遠い方を使う

 

ビジネスマナーはさりげなく、あとで、その気づかいをジーンと感じさせる方がいい。
だが、さりげないビジネスマナーを探すことは、けっこう難しい。
ビジネスマナーの本などを見ると、そこには、さりげなさではなく、目立つ、突飛な提案が書かれていることが多く、実際のビジネスの場や雰囲気とはおよそかけ離れている。きっと机上で考えたのではないのかと思う。

 

この「さりげない」「あとで気づかいを感じさせる」ビジネスマナーを考えるとき、格好の材料となる記事がある。
野村ホールディングスグループCEOであり、野村證券取締役会長でもある永井浩二氏が書いた記事だ。
2017年5月1日発行のプレジデント「できる大人の満点マナー」に掲載されていた。

 

野村證券を含む野村ホールディングの社員は「お手洗いで、手前を人に譲る」と書かれてあり、その理由を「入り口から近いところは忙しい人のためのもの。急いでいないなら、自分は奥を使ったほうが相手に失礼がなく、かつ合理的」と説明している。
男性トイレの場合のことを述べているが、「さすが、天下の野村證券」「それゆえ、野村證券」とうなりたくなってくる。

 

 

男性トイレの場合、使用する人は間違いなく手前を使いたがる。
ささっと済ませ、ささっと出ていきたいからだ。急いでいる人にとっては、なおさらだ。
あまり人の目につきたくないということもあると思う。
だから、手前を使うということは、自然の動作なのだ。
そんな誰もが使いたいと思う手前を、人のために残しておくということは、ひと手間、ひと気づかいをかけたことになる。
これがビジネスマナーではないかと思う。

 

永井氏は、急いでいる人のためと説明されているが、それ以外の感覚も野村ホールディングの社員はきっと持っているはずだ。
来客者がトイレに入って、手前が詰まっていると、奥に回らなければならない。人の会社のトイレで奥に回ると「『あれ、この人どこの人?』と思われはしないか」と要らぬ気もつかったりする。
つまり、来客者にとって奥に回るということは、ひと手間、ひと気づかいをしたことになる。
また、手前が詰まっていると、トイレに入った瞬間、視覚的に威圧感も覚える。
こんなことすべてを、野村ホールディングの社員は考えていると思うのだ。

 

こんな気づかい、心づかいというものは、すぐには結果に出ない。
しかし、来客者はトイレを利用しているうちに、「なぜ、私は毎回、手前のトイレを使用することができるんだ?」と気づく瞬間がやって来る。
そこには理由が存在するのだ! その理由に、はたと気づいたお客は、この会社からけっして離れることはないだろう。
これが、ビジネスなのだと思う。

 

 

私たちがビジネスマナーの本に書かれている提案に違和感を持つのは、「そんなこと、やって大丈夫なの?」という不安が心にあるからだ。
その不安の原因をたどっていくと、名刺交換の場での過度な自己紹介のように、自分のために、ひと手間かけてしまっていることがある。
そうではないのだろう。
自分のためにひと手間かけるのではなく、人のためにひと手間かけることが、ビジネスマナーなのだ。

 

綾小路亜也

 

 

 

 

「お手洗い」は、入り口から遠いほうを使いなさい の記事

 

 

 

 

◆新百合ヶ丘総合研究所の「こっそり差をつけたい」人のための本

 

 

ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!

企業で働く 営業女子が輝く35のヒント

印象アップに踏み切れない人が、ある日突然注目を浴びるハンコの押し方

 

 

メルマガ「本に書かれていないビジネスの流儀」の情報
http://shinyuri-souken.com/?p=28756

 

 

◆忙しい方のビジネス書選びの参考にしてください。
おすすめのビジネス書 http://shinyuri-souken.com/?page_id=41933