ハンコの「お辞儀押し」は本当にビジネスマナーなのか?

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ハンコの「お辞儀押し」は本当にビジネスマナーなのか?

 

ハンコのお辞儀押しとは、上司に決裁をもらうとき、ハンコを左斜めに傾けて押すことである。
押されたハンコを見ると、まさに上司にお辞儀をしているように見える。
これが、ビジネスマナーだというのだ。
ぜったい、おかしくないだろうか?

 

ハンコの「お辞儀押し」は、2015年11月8日放送のバラエティ番組「スクール革命!」(日本テレビ系)が同日取り上げた、「知らないと恥ずかしい大人の常識クイズ!」で紹介された。

 

その中に「上司に出す印鑑の押し方より良いのは?」というビジネスマナーのクイズがあった。
あるマナー研究家の方が「これは実際に官庁や金融系などでビジネスとして使われているビジネスマナー」とことわったうえで出題した。

 

解答の選択肢が画面に映し出された。A左斜めに傾いているハンコ Bまっすぐなハンコ C右斜めに傾いているハンコ のうちから正解を選ぶものだった。
マナー研究家の方は、正解はAとし、「まっすぐはもちろん間違いではなく、大丈夫なんですが」とことわった上で、「本当に見たまま押された印鑑を見ると、上司にお辞儀をしているように見えるのでAが正解」と理由を述べた。
そして、「本当に少し気をつけていただけると、おしゃれな押し方になる」とコメントを付け加えた。

 

この放送を受けて、ネットで批判の声が上がった。
それは、書類の上でも上司にお辞儀をするのかという驚きの声であり、それではごますりではないかという声であり、まっすぐ押すのがやはり正しいのではないか、という声だった。
また、自分が勤めていた会社にもこのような「お辞儀押し」はあったという声、逆に金融機関に勤めていた人でも、そんなことはなかったという声もあった。

 

 

結論から言う。
それは、ビジネスマナーであるはずがない。
そのマナー研究家の方はマナーは気づかい、敬意を表す作法と考え、上司に決裁をもらうときは、ハンコをお辞儀押しし、気づかいと敬意を示すと考えたのだと思う。

 

逆なのである。
上司に決裁をもらうときは、自分のハンコをきれいに、まっすぐ押すのが、上司への気づかいと敬意なのである。
そして、内容をよく確かめ、上司に「ご確認お願いします」とひと声添えて、書類を上司の向きにして渡すのがビジネスマナーなのである。

 

 

だが、実際に官庁や金融機関で行われているハンコのお辞儀押しをどう解釈すればいいのだろうか?
ここも、マナー研究家の方の「これは実際に官庁や金融系などでビジネスとして使われているビジネスマナー」と、「ビジネスマナー」であると決め打ちしたことが真実を見えなくしている。
正しくは、「これは実際に官庁や金融系などビジネスとして使われている」であり、ここで止めておくと真実が見えてくる。
それに、すべての官庁や金融機関たちがハンコのお辞儀押しをやっているわけでもない。

 

ハンコのお辞儀押しは、一部の官庁や金融機関に勤める人が行っている表現方法である。
それは、その人たちの表現方法であるから、外部の人がとやかく言う筋合いではないが、暗くジメジメしていて、あまりいい表現方法ではない。
その人たちの表現方法であるから、それはビジネスマナーではなく、慣習、あるいは因習である。

 

 

この放映を通して、考えなければならないことがある。
最近、マナー研究家やビジネスマナー研究家の方は、次々にマナーやビジネスマナーを生み出している。
マナーを思いやり、気づかいを基軸にすれば、マナーやビジネスマナーは無限に生まれてくる。
だが、それが本当にマナーなのか、ビジネスマナーなのかということは考えなくてはならない。
一部の人だけに通じる話ならば、それはマナーというよりは慣習である。
その見極めの格好の例が、ハンコのお辞儀押しだったと思う。

 

綾小路亜也

 

 

印象アップに踏み切れない人が、ある日突然注目を浴びるハンコの押し方より抜粋

 

 

 

 

 

 

 

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