紹介営業の限界

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「紹介営業」については、古くから言われてきたことである。
私がサラリーマン生活を開始した30年以上も前から「紹介営業」のことは言われていた。
そして、その時の論点は1つ。 地道にやり続けることということだった。
この「紹介営業」の有効性は今も変わらない。
そして、論点自体も変わらないのである。
つまり、古くから言われ続けた営業手法の一つである。

 

最近では、山本正明氏が『奇跡の営業』(サンマーク出版)という本を出してその成果を披露している。
本当に、地道な、そして継続的な取り組みに頭が下がる思いである。
(本HP 「書評」で『奇跡の営業』を紹介している。 また、「書評」では、ジョー・ジラード氏の『営業の神様』も紹介している。 本項目の議論の際に必要なのでお目通しいただきたい。
また、『サラリーマンの本質』の中の「営業のやり方」(P154~)をお読みになった方は、 この「紹介営業」は、内容的にはかなり似ていると思われたのではないかと思います。 ただし、後述しますが、大きな違いがあります。

 

しかし、もし、私が、「紹介営業に限界はあるのか」と聞かれれば、「ある」と答える。
私が知る限り、どの本にもこのことが記載されていないので、考察を試みたいと思います。

 

およそ、営業、セールスに従事している人で、徹底、展開の取り組みの差はありますが、「紹介営業」を実施していない人は、まずいません。
これは、営業、セールスに従事している人は、そのことを当たり前に考え、当たり前に実行しているのです。
多分、その時々で、優秀な業績を挙げられている方は、みな、「紹介営業」の成果だと思います。
特に、セールスマンが壮年期の場合、面白いように、成果が上がっていきます。
例えば、生命保険や、損害保険のセールスの方ですと、ある人の自動車保険をご契約いただいた。 そのご契約いただいた人から、ある人を紹介いただき、今度は紹介された人の家の火災保険を成約した。 あるいは、生命保険のご契約をいただいた方から、PTA関係の人を紹介され、その人の生命保険を成約した。
次から次に、面白いように契約が取れていきます。
これを、業界では、「紹介の連鎖」と呼んでいます。

 

ところがです!
20年ぶりに、当時大変な成果を上げていた人に再会してみると、見る影もなく精彩を欠いていたということがよくあります。

 

どうしてでしょうか?
「紹介集団」と関係があります。
セールスマンの方が、壮年期ですと、契約者層、紹介を受ける層も、だいたいその人と同じ壮年期層なのです。
その時には、契約者、紹介を受ける人たちは、まさに、家を建てたり、車を買ったり、海外旅行に出かけたり、子供が生まれたり、次から次に何かを生んでいきます。
保険のセールスをしている人から見れば、まさに一人一人が次から次に保険資源を生んでいる状態ということが言えます。
当然ながら、セールスマンの方は、この時に、業績のピークを迎えます。
それから20年経つと、セールス環境は激変します。
契約者層や紹介層は、今度は、車を手放したり、一戸建てを売って、夫婦2人だけのマンションに引っ越したり、 定年を迎え、月々の支出を見直す時代に突入します。
新規契約は途絶えるとともに、既存契約の解約、見直しの憂き目にもあいます。

 

つまり、何を言いたいかというと、確かに紹介営業は無限に近い可能性を持っていますが、 紹介を受ける層は、変動し、膨れたり縮んだりしているということです。

 

「それならば、若い世代の紹介をもらえばいいじゃないか」と言う人もきっといると思いますが、
そんな若い世代の紹介は確かに得られるかもしれませんが、若い世代は若い世代で、サークルを形成しています。
その人たち自身が考える適切なセールスマンがまたいるということを念頭に置いてもらいたいと思います。
それでは、「『営業の神様』のジョー・ジラード氏は高齢でも、スーパーセールスマンではないか」と言う人 がいると思いますが、私は、彼が、ディーラー内に自分の事務所を構え、ディーラー訪問者をターゲットに していることに注目しています。
すなわち、見込み客は、次から次にディーラーを訪れ、それを類まれな営業姿勢とスキルを持つジョー・ジラード氏が成約まで持って行っているのです。見込み客は来るのです。

 

さて、それでは、どうしたらよいのかという問題です。
私は、こうしたケースでは、道は2つだと考えています。
一つは、法人化するなりして、若い世代を入社させ、紹介者層の世代間交代をスムーズに行うこと。
もう一つは、契約のアタック先をライフプランの影響がない法人客に向けることだと思います。

 

最後に、『サラリーマンの本質』との違いをお話しいたします。
「資源の開拓」という観点では、紹介営業と視点は全く同一ですが、 もっと、資源を幅広く見つめる必要があります。
紹介も有力な資源発掘の一つの方法です。

 

『サラリーマンの本質』では、「連想力」にこだわっています。
「連想力」により、紹介を受けるという行動を起こす場合も当然ありますし、 自分から資源に気づき、アクション、提案を起こす場合もあります^
つまり、「連想力」を働かせると、自らが資源に気づき、自らの意思でその資源に向かって行動する場合もあるのです。
それを、何が何でも「紹介営業」と考えてしまうと、自らの行動を狭めてしまいます。
『サラリーマンの本質』に記述しましたが、営業は、資源にいかに気づき、いかにその数を増やしていくかのゲームです。
資源は、無限にあります。既存顧客を中心に、資源を考えていくと、上下左右に資源は膨らんでいきます。
こちらの方が、なにか、空間的な広がりがあるように思えませんか?
もっともっと、資源そして、資源に向かう行動を幅広に考えた方がいいと考えます。

 

また、もう一つの違いは、『サラリーマンの本質』は、どんな営業、セールス形態にも対応できるように記述したつもりです。
山本さんを始め生命保険関係の人で、よくビジネス本に出てくる人は、独立起業型の営業セールスマンです。
すなわち、一般の企業に属するサラリーマンの方とは、ちょっと立場が異なると思います。
現実の世界で、圧倒的に多いのは、企業に属するサラリーマンの営業職です。この人たちは、ある会社に入社し、配属が営業部門となった人たちです。
そして営業部門にいるサラリーマンは、謂わば企業というバックの下で営業を展開しています。
そこには、あまり、契約者層、紹介者層の年齢ということは関係ありません。
企業をバックにしているわけですから、どんな層にもアタックが可能なのです。

 

さらに言えば、この「連想力」を鍛えれば、あまり、セールステクニック、セールススキルというものは関係ありません。
言ってみれば、「連想力」さえ鍛えれば、どんな人でも成果を上げることができるという 普遍的なものです。
サラリーマンの人には、こちらの方が、わかりやすいのではと思います。

 

『サラリーマンの本質』を読み返して、「紹介営業」との比較を是非、実施してください。

 

(参考)『サラリーマンの本質』第六議題 営業の本質 の中の2、営業のやり方 で「連想力営業」について詳細に記述している。ぜひ、参考にしていただきたい。

 

 

 

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