ケーススタディ 「ベーコンレタスバーガー」

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ケーススタディテーマは「売上が落ちているときは業務品質を見よ!」である。
「戦略」と「業務品質」との関係を記述しているので、サラリーマンの人も、経営者の方も是非、参考にしていただきたい。

 

本日、本当にあった事実から話を進めていきたい。
息子と買い物に出かけて、ハンバーガーショップに立ち寄り、「ベーコンレタスバーガー」を買った。
ところがである。
家に帰り、食べている時に気づいた。 ベーコンが入っていないのである!
そもそも、「ベーコンレタスバーガー」を買う人は、ベーコンが好きだからこの ハンバーガーを買っている。
と考えると、このハンバーガーの主題は、ベーコンなのである。
つまり、肝心要のものが抜けているということになる。
流石に、息子は、ハンバーガーショップに電話して事情を説明した。 店側は、「すぐにお届けにまいります」という返答だった。

 

さて、ここで私は思い当たることがいくつか脳裏をかすめた。
2ヶ月くらい前だったが、やはり、「ベーコンレタスバーガー」を買ったことがある。
その時には、確かにベーコンが入っていた。 しかし、入っているのか入っていないのかわからない程度であり、失望した記憶がある。
およそ客というものは、商品を買うときにその商品についてイメージする。
その時、私は、バンズからはみ出るほど長いベーコンをイメージし、それがハンバーグやレタスと絡み合う味というものを期待していた。
当然ながら、失望した。値段も結構高かったはずだ。

 

そして、もう一つその日に気になることがあった。
それは、持ち帰って、家で包みを取ってみると、とても食欲をそそる状態にはなっていないことだ。
バンズは温度が冷めることによりしぼみ、中の具もグジャグジャになっている。 まるで、残飯のような有様だ。
以前は型崩れしない保温効果もある発泡スチールに入っていたはずだ。
多分、ケースを捨てなくてはならないという環境問題もあったと思うが、それならば、企業努力で、問題を克服すべきだったような気がする。

 

本日のことと、以前あったことを色々考えているうちに、 確か、新聞にこの会社の業績のことが載っていたことも思い出した。
ここからである。
今までのことを考えていくと、一消費者の立場から見て、この会社の「業務品質」は残念ながら、落ちていると言わざるを得ない。
しかし、私は、違うことも考えている。
それは、大きなお世話だが、この会社は業績低迷の原因をどう考え、どう処理しているのかという興味である。
全くの推論であるが、多分、「『戦略』が上手く機能しなかった、浸透しなかった」と処理されているのではないかと思うのである。
この会社の「戦略」とは、多分、高単価商品の販売による売上の増大、利益率のアップではないだろうか。
私が、購入した「ベーコンレタスバーガー」はその高単価商品の一つだろう。

 

私は、「戦略」が上手く機能しなかったと言えば、それはその通りだと思うが、 これは、「業務品質」の問題だと考えている。
企業は、「戦略」、「戦略」とよく言うけれど、またそう言うと、聞こえはよいが、 その下地には、「業務品質」がある。
一定の信頼できる「業務品質」の上に、「戦略」というものが成り立っているのだ。
それは考えてみればわかる。
例えば、デパートである企画(戦略)を実施する場合も、消費者は、そのデパートには一定の「業務品質」 があることを知っているから、企画に乗る人も多いのである。

 

以上のことから、何を言いたいかである。
企業は、売上が不振になるとき、すぐに「戦略」のことを持ち出す。
売上不振の原因を「戦略」に持っていきたがる。
しかし、真の原因は、「業務品質」かもしれないのである。
それを、ゴッチャにして処理する。
また、「業務品質」に問題がありそうだとしたならば、徹底的に「現場」をたたく。

 

ここが違うのである。
「現場」は、企業のトップが考えるほど不真面目ではない。
本社の指示を忠実に守る。これが日本の企業の大きな特徴である。
例えば、「高単価商品を売れ」「経費を削減しろ」「現場の利益率を高くせよ」 と「現場」は言われる。
「現場」は、それを一生懸命実行するのである。
そして、その指示が、「現場状況」と合致しなくなった時に、「現場」の「業務品質」が 落ちるのである。
例えば、要員不足等の場合にこうした現象は起きる。
もし、企業が、「戦略」という言葉を使いたいならば、「現場戦略」が間違っていたということになる。

 

さらに日本の企業には、上記例とは正反対に、毎日毎日しつこいくらいに、現場の「業務品質」にこだわる企業も多い。
ほとんどマニアックなまでにこだわる。
そして、少しでも売上が落ちるものなら、「詰まるところ、現場の業務品質に問題があった」と 総括してしまう。
こういう企業で働く「現場」のサラリーマンは疲弊し、「一体、そう言う本社は何をやってくれているんだ」 と思うようになる。
この企業の場合は、すべて、「現場」の「業務品質」でカタをつける。
つまり、今までとは逆にこうした企業は、「戦略」がない企業ということになる。

 

以上、売上が不振になったときは、「戦略」と「業務品質」両方を見なければならないのである。
それを、ゴッチャにしてどちらかに片寄せすることはダメである。
そして、その見極めは、絶えず、「現場」にある。

 

私は、拙著『サラリーマンの本質』の中で、「上手くいっているより、上手くいっていないが大切」
という見出しを立てた。(P80~)
その中で、ある地銀の頭取の話を紹介している。
その頭取は、毎日毎日、支店を訪問しては、支店長と話すのではなくパートの女子職員と談笑して本店に帰っていった。
その頭取の信条は「現場に神あり」であった。
「戦略」の問題か、「業務品質」の問題か、それは本社で座っていたり会議をしているだけでは決して見えない。
また、本社にいる報告上手な取締役や部長からの報告からは読み取ることはできない。
真実の姿は、「現場」にある。
この頭取の姿勢を是非、参考にしていただきたい。

 

 

(参考)『サラリーマンの本質』第三議題「組織への間違った指導」の中の2.「上手くいっているより、上手くいっていないが大切」を参照してください。

 

 

 

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