「できる社員」とはどういう社員なのか?

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「できる社員」というタイトルがついた本は多い。
また、「できる」というタイトルがついた本は山ほどある。

 

それは、本当に「できる」というのが、どういうことを指すのか、みんなわからないからである。
しかし、私は、ビジネスマナーの考察を通して、「できる社員」の実像が浮かんできた。

 

それを、『なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか』の最終見出しに書いている。

 

その見出しのサブタイトルに私は、「それは、いかにもその業種の人に見えない社員である」と書いた。

 

それが、私の結論である。

 

私の考えを、最終項目から、抜粋したい。

 

私が、「できる社員」と思う人は、その業界の人らしくない人である。

 

つまり、銀行員だったら銀行員っぽくない人、保険会社の人だったら保険会社の人っぽくない人、あるいはセールスマンならセールスマンらしくない人、営業社員だったら営業社員っぽくない人が、私は「できる社員」だと考えている。

 

しかし、その業界の人らしく見えない人になるということは、なかなか難しいことである。

 

それは、考えてみれば当然である。たとえば、銀行に入行すると、入行したその瞬間から、一人前の銀行員になるための教育が始まる。保険会社でも、商社でも、メーカーでもみんな同じである。

 

会社を挙げて、一人前の業界人に仕立て上げようとするわけだから、みんな同じような人になっていくのである。
同じような色のスーツを着て、同じようなネクタイを締めて、同じようなビジネスバッグを持って、手帳までも同じようなものを持っている。考え方もきわめて似てくる。

 

その結果、私たちは、一目で、「あの人は銀行員だ」「あの人は保険会社の人だ」とわかってしまう。
また、職種においても同様である。セールスの人は、一目でセールスの人とわかってしまう。また、電車の中で、ビジネスマンやビジネスウーマンに遭遇したときも、「この人、たぶん営業の人だな」とわかってしまうのである。

 

しかし、一方で、企業のトップの人や、トップクラスのセールスマンを見ると、「この人、いったいどこの人なんだろう」と思わせる雰囲気を持っている。
すなわち、その人が属している業種がわからないのである。

 

それは、その人たちは、業界や企業、職種のトップの人で、どんどん実務色が褪せていっているから、そのように感じるのかもしれない。
しかし、もっと私たちの身近な人、たとえば、優秀なセールスマンと言われている人、できる営業社員と呼ばれている人たちも、どこの業種の人かわからない雰囲気を持っていることはないだろうか?

 

長谷川千波さんは、営業マンのセールストークには段階があり、「プロっぽいトークではまだまだ未熟であり、最終段階は、『営業臭さが感じられない、自然な話し方』」だと言っている。(『人見知り社員がNo.1営業になれた 私の方法 』祥伝社)
営業出身の私もまさに長谷川さんの意見に同感であり、セールストークだけでなく、この「営業臭さが感じられない」人が本当のプロだと思うのである。

 

そして、私は、なぜその業種や職種に見られない人が「できる人」なのか、真剣に考えてみたのである。

 

それは、いかにも銀行の人、いかにも保険会社の人、いかにもセールスの人、いかにも営業の人、いかにも経理の人と相手が思うと、ビジネスや業務の範囲が限定されてしまうからではないだろうか。そして、相手も身構えてそれなりの応対をするからではないだろうか。

 

たとえば、相手にいかにも「この人は保険会社のセールスの人」と思われると、相手は、「いつかは絶対に保険を勧誘される」と身構えるだろうし、話自体も保険の話に限定される。
これでは、とても契約を取ることは難しいと思うのである。

 

それが、どこの業種や職種の人だかよくわからないようなタイプの人だと、相手は、業種や職種を飛び越えて話しができるのではないだろうか。相手もなにか安心感のようなものを持ち、心を開くのではないだろうか。
そして、ビジネスは不思議なもので、そんなときにこそ伸展するのではないだろうか。

 

しかし、私はそう思いつつも、一方で、その業種や職種の人に見られないことは、やはり難しいと思うのである。それは、先ほど述べたように、企業ぐるみで業界人、その会社の人に仕立て上げようとしているからである。

 

そして、なおかつ、企業ではビジネスマナー研修などを通じて、ますます画一的な業界の人、その会社の人にしようとしているからである。
みなさんも、ビジネスマナーの本を読むと、その本の挿絵などに登場するビジネスマンやビジネスウーマンの模範形は、ほぼ同一であることに気づくだろう。

 

たしかに、ビジネスマナーの習得度合により、「差」は生じるだろうが、それでは人は超えられないのである。
画一の姿から一歩超えたところで、大きな「差」が生じていると私は思うのである。

 

実は、このことが、本書を書いた動機となっている。

 

「できる社員」は、いかにもその業種の人に見られない人である。

 

 

なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか  から抜粋

本の目次

40-1

 

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