忙しい素振りを見せる人にも、仕事は来ない

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「ビジネスマンの生き抜く技術⑫」

 

私は、仕事が来る人の条件は、今まで見てきたように、「あれどうなった?」と言われない人、「まだやっているのか?」と言われない人、「どこに行っているんだ?」と言われない人の3条件だと考えている。
この3条件さえ充たせば、仕事は来ると考えている。
しかし、補足するならば、+アルファというものも存在する。
その一つが、「忙しい素振りを見せると、仕事は来ない」である。

 

これは、みなさんも感覚的には理解できるのではないだろうか?
世の中には、忙しい素振りを見せる人がいる。あっちのデスクで誰かと口早に話したかと思うと、今度はこっちのデスクでまた誰かと口早に話している。そして、自分の席に戻ったかと思うと、電話を矢継ぎ早にかける。電話をかけたかと思うと、今度は、急にカバンを抱え、慌ただしく会社を出て行く。
会社に戻ると、「ふーっ」と大きなため息をつく。そんな人は、みなさんの周りにも必ずいると思う。

 

こういう人は、こちらまで気ぜわしくなってしまい、とても見ていられない。
しかし、当の本人は周りの人たちの反応をそうは思っていない。「自分はできる有能な社員に見られている」と思っていることが多い。だからこそ、より一層、忙しく振る舞うことに磨きをかけるのである。

 

そして、こんな人にも、仕事は来ない。
その理由はきわめてシンプルである。とてもそんな人に仕事を頼む気がしないからだ。また、だいいち、取りつく島がないではないか。

 

こうした光景は、わたしたちは、買い物などの場面でもよく経験している。
買い物に行くと、よく忙しそうにしている店員に遭遇する。店員の一瞬の隙を見つけて話しかけると、つっけんどんな答えが返ってくる。そして、答えを言い終わるかいなかのうちに、もうその場所にはいない。違う仕事をやっているのである。
そして、私たちは、「誰がこんな店で買うもんか」と心に刻むのである。

 

しかし、まるっきり、それとは逆の場合にも遭遇することもある。
こちらが、なにかを尋ねようと思うと、不思議に目が合う店員がいる。そして、にっこりとほほ笑みかけているではないか。
そんな店員がいるだけで、その店が好きになってしまう。そして、どうせ買うなら、きっと、その人から買いたいと思うのである。

 

ここで、私たちは、次のことを考えなければならないと思う。
それは、もしかしたら、実際に忙しいことと、忙しく振る舞うこととは別なのではないかということである。
すなわち、実際に忙しい人が、忙しく振る舞うかというと、必ずしもそうではないということである。
逆に言えば、忙しく振る舞う人が、実際に忙しいかと言えば、必ずしもそうではないということである。

 

それは、先ほどのにっこりとほほ笑む店員の例で言えば、やはりお客は、この人から買いたいと思う。また、こうした人には、お客の方も自然と近づいていくはずである。
ということは、このにっこりほほ笑む店員にこそ、お客が集中することになる。
お客が集中するということは、このにっこりほほ笑む店員こそ、忙しい人なのかもしれない。
しかし、こうした店員は、自分の忙しさを人に見せないのではないだろうか。

 

こう考えると、なにか腑に落ちるものがある。
それは、「仕事が集中する人」を見たとき、その人は、もうバタバタ状態でとても話しかけることができない人ではないからだ。
忙しい中にも、人が話しかけることができる余裕のようなものを持っていることが多いからだ。
こうした余裕を人に感じさせるから、人は、またその人に仕事を頼むのではないだろうか。

 

「仕事が集中する人」の特徴は、今まで述べてきたような「あれどうなった?」「まだやっているのか?」「あいつどこに行っているんだ?」と言われない仕事の進め方に加え、忙しくても忙しく見せない余裕のようなものを持っていると思うのである。
だから、「仕事が集中する人」には、また仕事が来るのだと思うのである。

 

そして、こうしたことを考えたとき、もしかすると、忙しい素振りを見せる人は、これ以上仕事がこないようにと、忙しく振る舞うことによって、新たな仕事をブロックしているのかもしれない。

 

いずれにせよ、仕事が来ないようにするには、忙しく振る舞うことであり、仕事が来る人になるには、忙しい素振りを見せないことになるのではないだろうか。

 

そして、もし故意に新たな仕事をブロックする気持ちがないのなら、忙しい素振りを見せることはやめた方がいいと思うのである。
忙しい素振りを見せることは、多くの場合、癖になっている。また、多くの場合、「自分はこれだけ大変だ」「自分は能力があるんだ」ということを人に見てもらいたいから、そうしていると思うのである。
しかし、人はそのようには思わない。
ただ、「その人に仕事を頼むのはやめよう」と思うだけである。

 

 

 

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