「成果」に当たりをつけると仕事の達人になる

このエントリーをはてなブックマークに追加

「ビジネスマンの生き抜く技術⑥」

 

今まで、「仕事の量をこなす」→「成果」と考える方が、行動を取りやすいし、仕事の量をこなしたという実績があるから評価用紙もスカスカにならず、よい評価を得られやすいと説明してきたつもりである。
そして、この方が、頭がすっきりし、「今日一日頑張ろう!」という気持ちが生まれてくるのではと思うのである。

 

しかし、この方式は、みなさんがお気づきのように、世に出ているビジネス書とは逆である。
みなさんが読まれたビジネス書では、「成果」→「そのためにどういう手段を取るのか」となっているはずである。
そして、不思議なことに、多くのビジネス書では、その手段より、「成果」を出す人の特徴に焦点があてられている。
「成功者は、朝早く起きて、会社に早く着いてメールを見て、自分だけの邪魔されない時間を持って………」というお決まりの特徴である。

 

その中で、外資系コンサル出身者たちの主張は、私は一本筋が通っていると思うのである。
それは、飽くまでも、手段、方法にこだわっているからである。
外資系コンサル出身者たちの著書のタイトルを見ると、「知的生産術」「知的生産」というタイトルがついている。
ビジネスマンの「生産」は、「結果」「成果」であるから、かれらは、「成果」「結果」を出す方法にものすごいこだわりを持っているということになる。
かれらがよく言う「仮説を立てる」も、その方法の一つである。

 

私は、かれらの姿勢に心から敬意を表するものの、その方法をはたして一般のビジネスマンにあてはめていいのかという疑問を持っている。
これが「ビジネスマンの生き抜く技術」の出発点である。
その理由は二つある。
一つは、一般のビジネスマンにとって、外資系コンサルのように、精緻に問題の本質、手段、方法を分析することなど不可能であるし、そんな時間などあるわけがないからである。
外資系コンサルの一人は著書の中で、「仮説を立て、検証し、結果が出なければ、次の仮説を立てて、検証する」と言っているけれど、そんなことをしていたら、その年度のビジネスマンの評価は終わってしまうのである。
もう一つは、問題の本質や、手段、方法を考えることは大変よいことであるが、一般のビジネスマンがここにあまりにも執着すると、「行動をしてなにかを生み出す」ということを忘れがちになるということである。それが怖いのである。
私は、こんな人たちが、結局、成果を上げれず、組織のお荷物になっている様を見てきたのである。

 

さて、前置きが長くなったが、ビジネスマンは、仕事を進めているうちに、とんでもないことに気づき、そこから急にジャンプアップすることがある。
私が推奨する「仕事の量をこなす」→「成果」方式は、やっているうちにこんなことに気づくはずだ。
それは、仕事の量をこなしているうちに、「こんなことをしたら、こんな結果が出るんじゃないか」と「成果」に当たりをつけられるようになってくることだ。

 

私が前回紹介した下記の成果を見てもらいたい。

 

組織運営
①残業が多い 「生産性向上打ち合わせ会」実施 月2回実施 チーム責任者○○
残業時間72時間(4月課内計)→37時間(3月末)
②お客さまからの電話による問い合わせが多い 「分析委員会」立ち上げ 月2回実施 チーム責任者△△
問い合わせ件数82回(4月課内計)→21回(3月末)

 

コンプライアンス
・月2回実施(第2、第4水曜日)月別テーマ ………
「お客さまからの苦情分析」①対応の遅れ6件 ②商品説明不十分7件 ③電話対応8件 (4月件数)
「改善委員会」の開催 6/7 9/2 11/3 1/18 2/21 実施
3月末状況 苦情 対応遅れ1件 商品説明不十分2件 電話対応1件

 

下線で記した成果は、行動の結果である。やってみた結果である。
しかし、「仕事をこなす、行動を起こしてみる」を日々積み重ねていくと、「こんなことをすると、こんな成果が出そうだな」とわかってくるのである。
つまり、結果がイメージできるのである。
結果がイメージできると、今度は結果に向けて、行動をかじ取りすることになる。
そうすると、もっともっと目に見える結果が出てくるのである。

 

これは仕事の達人の領域である。
しかし、仕事の達人の領域はもっともっと奥深い。
そして、みなさんだけにお話しすると、最高の達人は、仕事をこなした結果、予想できる効果を最初から目標に設定する人である。
例に出した組織運営、コンプライアンスでいえば、先に「残業時間の圧縮」「お客さまからの問い合わせ件数の削減」「お客さまからの苦情件数の削減」を目標設定してしまう人である。

 

みなさんの中には、こういう人が仕事の達人なら、やはり「成果」が先じゃないかと思われる人がいると思う。
しかし、仕事の達人たちは、仕事をこなすということが動作が身に付いているから、自分の経験則から、「成果」に当たりをつけられることを努々忘れてはならないと思うのである。

 

今まで述べてきたことは、ビジネスマンにとって、「成果」が先か、「仕事」が先かという根幹的な問題である。
ほとんどのビジネス書は、「成果」が先なのだろう。
しかし、私は、それでは、現在苦戦している人は、苦戦状況からいつまで経っても脱出できないと思うのである。「成果」という二文字に苦しみ行き場を見出せないと思うのである。
また、実際に「成果」を上げられる人は、「成果」を念頭に置く人か、「仕事」を念頭に置く人かという問題でもある。
ここも私は、「仕事」を念頭に置く人の方が「成果」を上げやすいと思うのである。
もう一つつけ足すならば、「仕事」を念頭に置いた方が、少なくとも最悪の答案を出すことはなくなると考えるのである。

 

これが「ビジネスマンの生き抜く技術」だと思うのである。
そして、一人くらい、ビジネス書とは違った意見を言う人がいてもいいのではと思うのである。

 

 

 

綾小路亜也のビジネス書
ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!

なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか

企業で働く 営業女子が輝く35のヒント

サラリーマンの本質

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です