ビジネス書の著者には「思い」と「思い込み」がある

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どんなビジネス書の著者にも「思い」がある。もしこの「思い」がないとしたら、それは「売る」ための道具にすぎない。
しかし、ここでみなさんと考えなければならないのは、「思い」と同時に「思い込み」もあるのではないかということである。

 

このことについては、常々考えていたが、高城幸司氏の『できる人の超★仕事術』を読んでいた際、下記内容が目に止まった。
「人は誰しも、自分の考えに対しては甘いものである。やってみてうまくいったことがあったら、それが自分の勝ちパターンだと早とちりしてしまいやすい。
だが、それはたまたまうまくいったものであったり、ある条件の下においてのみ成功するものであったりする」(P133)

 

どうだろうか? 考えてみればビジネス書の著者やセミナーの講師は、自身が「これをやってみてうまくいったから」、それを本にしたり、セミナーの題材にしているのではないだろうか?
この気持ちというか、動機は、私自身、とてもよくわかるのである。
それは、私自身が、まず、『サラリーマンの本質』という本を書き、またこのようにしてブログ等で、ビジネスマンの「仕事のやり方」や「考え方」を書いているからである。
しかし、私自身、たえず、私が言っていることは自分は適していると思っているが、それよりも、もっと適したやり方があるのではないかと考えている。
すなわち、こう言ってしまうのは大変勇気がいるが、「自分の思いこみ」の部分がないか探しているのである。
それだから、いつも他のビジネス書作家が書いた本を読み、ブログなどで紹介しているのである。

 

そして、私はこう考えている。
さすがに、ビジネス書の著者やセミナーの講師には、「たまたまうまくいったもの」ということはないと思うが、「ある条件の下に」というものは、絶対にあるのではないかと思っている。
だから、私は、「ビジネス書を読むときは、どの世界の話なのかを見極める」というブログを書いた。
つまり、ビジネス書の読者は、しっかりとどの世界の話、どういった条件下で「うまくいったか」を考えなければならないと述べたつもりである。
たとえば、外資系コンサルタント出身者が書いた本ならば、「それ以外の世界で通用する話」なのか、あるいは、セールス出身者が書いた本ならば、「それは特定分野のセールスの話ではないだろうか」をよく考えなくてはならないということである。
私の本も然りである。

 

また、それ以前に「たまたまうまくいったもの」かどうかは、十分に検証しなければならないと思う。
その参考基準は、長年にわたり、成果を出し続けている人かどうかである。
それは、2年や3年のスパンでは、あるいは一発という世界では、「たまたまうまくいったこと」があるからである。
また、その成果自体のレベルも十分に考えなくてはならないと思う。
その意味で、保険業界で知らない人がいないほど有名な柴田和子さん(以前、『柴田和子 終わりなきセールス』を紹介している)などは、「たまたま」という世界とはまったく無縁の人であり、成果も日本一を長年続けていたというより、世界レベルの人である。

 

さて、問題の根幹となるのは、ビジネス書の著者やセミナーの講師は、自分が「これをやってみてうまくいったこと」は、一般的に通用するのではないかということで、本を書いたり、セミナーを開催していることである。
それを外資系コンサルタントは、「普遍性」と呼んでいる。
しかし、この「一般的に通用する」という思いが強すぎると、それは「思い込み」になってしまうのではないかと私は考えているし、心配している。

 

考えてみれば、ビジネスマンは、一人たりとも同じ環境、条件で働いていないのである。
やっている仕事も、一人たりとも同じ人はいないのである。
だから、「普遍性」が大事ということになるかもしれないが、私はそれは著者側、セミナー講師側の考えではないだろうか?
そして、この世の中に、絶対的に正しいやり方や考え方などは、存在しないのではないかと思っているが、いかがだろうか?

 

私は、ビジネスパーソンには、やはり一人一人に合ったやり方があると考えている。
最終的には、やはり読者側が自分に合ったやり方を見つける必要があると思っている。
そして、ビジネス書やセミナーの役割はその「気づき」のお手伝いなのではないかと思っている。
参考事例の紹介だと思っている。

 

また、もしビジネス書の著者やセミナーの講師の言うことをそのまま受け容れ実行したとするならば、そこには、自分がいないのではないかと思うし、それに、人が教えてくれたことは、そんなに長続きするものだろうか?
また、人と違うことに気づいたから、ビジネス書を書いたり、セミナーの講師になっているのではないだろうか?
それを自分のやり方を100%真似よと言っても、どこか本末転倒になっているような気がしないだろうか?

 

さらに、私が思うことは、営業のやり方についてである。
営業のやり方などは、絶対に人それぞれ環境も違うし、業種も違うし、立場も違うし、セールス形態も異なるものだと思っている。
営業のやり方こそは、自分で自分のやり方を見つけた人が勝ちではないかと思っている。
そこには、自分が見つけたという自信があるはずである。自信があれば、またそこから発展もあると思うのである。
そして、営業の成功者は、みんな、自分で自分の営業のやり方を見つけた人だと思うが、みなさんは、どう考えるだろうか?
(参考:私は営業で一番重要なものは、営業に対する考え方だと思っている。ここが腑に落ちると、自分で自分の営業スタイルを作ることが作ることができると思っている。『サラリーマンの本質』営業の本質 参照)

 

 

 

 

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