人はビジネスマナーに書かれていないところで失敗する

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人は、ビジネスマナーに書かれているところで本当に失敗するのだろうか?
お辞儀の角度、名刺の渡し方、アポ、訪問、席順、挨拶、接待……。
おそらく、これらがしっかりできていないと、確かに失礼にはあたるだろう。
また、できていないことが極端だと大きな問題に発展することもあるだろう。
ビジネスマンにとっては、「失策」といえば「失策」だろう。
しかし、長年ビジネスマン経験してきた私からすれば、ビジネスマナーを欠いたことが、致命的になるかと言えば、それは極めて稀であると思うのである。

 

致命的な失敗は、もっと違うところに存在すると思うのである。
非常に甘いかもしれないが、ビジネスマナーは、新入社員でも、常識的範囲の中でだいたいができているものである。
確かに、ビジネス経験が浅い場合は、ぎこちなさというものがある。また、知らないが故の失敗というものがある。
しかし、それでも、得意先を訪問した際には、挨拶をし、また辞去する際には、ちゃんとお辞儀をし、お礼の言葉を言っているものである。
また、接待を経験することは少ないかもしれないが、そんなときでも、ちゃんと接待側の一員に回っていると思うのである。
そんな中で、確かに、名刺交換の際、片手受けになってしまったり、お辞儀もペコリという感じになったり、応接間に案内され場合でも、どの席に座ってよいかわからず、相手に席を示されることもあるだろう。
しかし、それが相手にとって致命的かと言うと、私は、絶対にそんなことはないと思うのである。
こんなことを言うと、「そんな小さなところを相手は見ているんだ! そこで差が生まれるんだ!」とビジネスコンサルタントの方は言うかもしれないが、それはそうかもしれないが、私は、そんなところで致命的な失敗になることは「ない」と言いたいのである。

 

むしろ、致命的な失敗になるケースは違うところにある。
上手く表現できないが、人としてのいやらしさを感じさせるとき、本当の気遣いが見えないとき、背景に自分勝手が見え隠れするとき、人の感情部分にに立ち入ったとき……、こんなことを相手に思われたときこそが、私はビジネスマンの致命的な失敗だと思うのである。
仮にビジネスマナーが完璧にできていても、致命的な失敗なのである。

 

たとえて言えば、こんな場合である。
得意先を交えたゴルフコンペ。
スタート前の一服、そして昼食、帰りのお土産手配まで完璧だったとする。
しかし、その日、得意先の一人が恥ずかしくなるようなスコアをはたいた。
そして、プレイ終了後の表彰式。その人のスコアを見て、「いったい、どうしちゃったんですか?」と笑いながら駆け寄る人は、ビジネス社会にはいるのである。
その得意先の人にとっては、辛い辛い表彰式の場なのに、いつまで経っても、その日のゴルフの話をやめない、おまけに帰りの車の中でもずっと、ゴルフの話をしている。
そんな行為は、ビジネスマンとして致命的な失敗なのである。

 

また、商談の場合でも、こんなことがある。
自分をやり手と思っているA部長。得意先の担当役員に合うためにアポ取りの連絡をする。
「いつもお世話になっている○○商事の△△です。お元気ですか? この間はお世話になりました。あそこの料理いけたでしょ。またお持ち帰りいただいたさけ茶漬け、あそこの名物なんですよ。また、お付き合いください。
そうそう、ちょっと××さんにお話ししたいことがあるんですよ。明日の3時いいですか? それではお伺いします」

 

そして、商談が始まる
「おかげさまで、ウチも業界1位になりました。この経済誌にも大々的に取り上げられましてね、それから、記者も毎日のように来るんですわ。忙しいのにたまりませんわ。そうそう、今日は××さんにウチの新商品の案内に来ました。おかげさまで、評判が良くて、色々な雑誌に取り上げれれているんです。先日もテレビの取材を受けました。ライバルのB社の部長にこの間、あるところですれ違いましたが、『もう、勘弁してくれ』と言ってましたわ。 ワハハハ」

 

どうだろう? 自分勝手きわまりないのである。また、接待の話など恩着せがましくしているのである。こんな人とつき合いたくなるであろうか?
これは、ビジネスマンとしては致命的な失敗なのである。

 

こうして考えると、本やセミナーで説かれているビジネスマナーの失敗と言うものは「目に見える失敗」である。
しかし、例えに出した失敗は「目に見えない失敗」なのである。
注意しなければならないことは、「目に見えない失敗」ゆえに、行為者そのものがわからないことが多いということである。
そして、この「目に見えない失敗」の内容はというと、ディープであり、致命的になる恐れがあるということである。

 

こうして考えると、ビジネスマンで苦戦している人は、なかには目に見える失敗を繰り返して苦戦している人もいるが、おそらく、苦戦している人自身が苦戦している理由をわからないでいるのである。
私は、そのことを長いビジネスマン生活の中で学んでいった。

 

(参考:苦戦している理由がわからない人のために『サラリーマンの本質』を書いたのである)

 

 

 

 

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