マッキンゼー本にはアダプターが必要である

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神田昌典氏の『仕事のヒント』を読んでいるとき、「なるほど」と思った箇所があった。
次の箇所である。

[原因思考の罪]

問題が起こったとき
「なぜ」と質問をすると、
組織における
より大きな問題の引き金を引く。 P107

そして、次のように解説している。
「原因追及は、過去を掘り返すことになり、意図せず担当者の批判につながることが多い。その結果、チームワークが崩れるという『組織の病気』を引き起こす。クレームや問題が起きたときは、原因を追求する『原因思考』ではなく、得たい結果に焦点を合わせる『結果思考』をしてみよう」

 

どうだろう? あなたが読んだ外資系コンサルタントの本とは、大違いではないだろうか。
そして、マッキンゼーでは、「なぜ、なぜ、なぜ……」を5回繰り返せという。
神田昌典氏は、みなさんよくご存じの通り、アメリカの大学院や大学で、経済学修士や経営学修士(MBA)を取得しているにもかかわらず、そんなことを微塵たりとも出さず、「顧客獲得実践会」で中小企業の経営者と共に、実践というよりは実戦で活躍した人である。
最近、書店に行けば、同氏の『禁断のセールスコピーライティング』が積まれている。
この箇所を読み、私は、なるほど実務でビジネスに真向いしている人だけあり、実際の会社組織というものをよく知っているなと感心した。
同時に、常々思っていることだが、外資系コンサルタントが書いた本を、そのままの形で、実際の現場にあてはめてしまうと大変なことになるなと改めて思った次第である。

 

もちろん、外資系コンサルタントが書いた本の趣旨を十分に咀嚼すればそんなことはないだろうが、一般の人にとっては、なかなか実際の現場への変換作業が難しいのではないのかと思うのである。
それは、外資系コンサルタントが書いた本は、あくまでもコンサルタントという業務を遂行するにあたっての展開作業であり、それを、一般の会社の現場に適用するには、相当な置き換え作業が必要だからである。
しかし、ことわっておくが、コンサルタントの問題解決手法は、非常に参考になる。
考えてみれば、これも当たり前である。コンサルタントは、ある一定の問題を解決するために業務を請け負っているわけだから、その手法にこだわるのは当然と言えば当然なのである。
しかし、世の中の会社は、このようにある特定の問題だけが存在しているということは滅多にない。
もっともっと、様々な問題と人が入り組んだ動態社会なのだと思う。

 

さて、私も、最近、マッキンゼー本を読んだ人たちの気になる行動がある。
そのうちの1つが、外資系コンサルタントが言う「結論から話す」である。
これは、意見を求められたときや、レポートを提出するときには、まさに正しいと思う。
しかし! である。
実社会で、報告する際に、「結論から申し上げます」というのは、ちょっと違和感がある。
そして、あまりにもマッキンゼー本が「結論、結論」と言うから、本当は、「結果報告」なのに、「結論から申し上げます」と言う人が増えてきている。
その結果、こんな光景が生まれているのである。
「結論から言いますと、今月数字は行きません」「結論から言いますと、予約はとれていません」「結論から言いますと、アポはとれていません」
これでも意味は通じないことはないが、多分、こういう言い方をすれば、実際の現場では、張り倒されるか、ぽかーんと口を開けられるか、開き直りと受け取られるかのどちらかであろう。
この「結論」を「結果報告」と言えばいいだけである。
このことを、当HPのブログ「『なぜ結果-原因の順で報告するか』を理解する」で取り上げているので、詳しくは、参照願いたい。

 

次に気になるのが、外資系コンサルタントがあまりにも「ファクト! ファクト! ファクト!」と言うものだから、報告する人の頭の中が「ファクト、ファクト、ファクトを話さなければいけない」ということでいっぱいとなり、上手く報告できないというケースも生まれている。
ここも本来、「ファクト! ファクト! ファクト!」は、問題解決の出発として、まず事実を正しく認識する事から始めるという意味だが、一般の人がそれを上手く実際の現場に変換できず、鵜呑みにすると、こういう事態になる。
このことも、当HPのブログ「まずは結果に直接関係する事実を報告する」で取り上げているので、詳しくは、参照願いたい。

 

さて、以上みてきたように、マッキンゼー本は、ある一定のテーマの問題解決方法としては非常に参考になるが、いつもさまざまな問題を同時並行的に持っている一般の会社、一般のサラリーマンにそのまま当てはめるということは、相当難しい。
また、そのまま当てはめてしまうと、話は、とんでもない方向に行きかねない。
どうしたらよいだろうか?
一つの参考意見として、マッキンゼー本と同時に、神田昌典氏のような実践から得た答えをベースにしている人の本をあわせ読みしたらどうだろうか?
そして、どちらが、あなたにピンとくるかフィットするかである。そしてそれを決めるのはあなたである。
もしかすると、こういう実務の本が、マッキンゼー本のアダプターになるかもしれない。
また、こんなことを言うと、きっとお叱りを受けると思うが、理論は理論、実務は実務という考え方もある。両方のいいところ取りは、できないだろうか?
そんなことを、ぜひ、考えてもらいたい。
最後に宣伝になってしまうと思うが、当HPは、たえず問題解決の糸口は現場にあり、失敗の裏に本質が隠されている、と考えている。
すなわち神田昌典氏の考え方に非常に近い。ぜひ、新百合ヶ丘総合研究所トップページのコンセプトを参考にしていただきたい。

 

 

 

 

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