お祝い、餞別はこっそり渡す

2018.06.14記事を更新しました。

長らくお世話になった得意先の課長が、転勤することになった。上司とその課長を訪問することになる。
あなたは上司からの指示で、デバートで商品券を買い、相手の会社のロビーで上司と待ち合わせることになった。
あなたはデバートの商品券売り場に行き、全国百貨店共通の商品券を買った。
デパートの店員は商品券をデパートの包装紙で包み、小さな手提げ袋に入れてくれた。
あなたはその手提げ袋を持って、待ち合わせの場所に向かう。
あなたが、相手の会社に着くと、すでに上司はロビーで待っていた。
ところが、上司はあなたを見るなり「えッ?」と驚くのだ。
あなたは、この上司の「えっ?」の意味がわかるだろうか?

 

実は、わからなくて当たり前なのである。
私自身も、サラリーマン生活で、お祝いや餞別の渡し方など誰からも教えてもらわなかった。
見よう見まねで覚えていった。
しかし、私はのちのち、誰も本当のところ、正しい渡し方など知らないことに気がついた。
自分で、これが最も適切だろうという方法を考えていった。
それを、あなたにお話しするので、ぜひ、ここは覚えて自分のものにしてもらいたい。

 

上司が「えっ?」と驚いたのは、あなたの方法では、相手先の会社の誰もが、あなたたちが餞別を渡しに来たことをわかってしまうからである。
あなたは、デパートの手提げ袋を持っているのだから、「餞別を渡しに参上しましたよ」とみんなに宣言しているようなものだ。
そうすると、受け取る側は受け取りにくいのである。それに、いまはどの会社も、社外の人からものをもらうということにはナーバスになっている。この方法では相手に迷惑をかけてしまうことになる。

 

デパートの手提げ袋ではまずいというところまではわかったとしても、それでは、どうするかである。
「えっ?」と驚いたあなたの課長だって、「おまえなぁ、商品券は自分のカバンにしまって、渡すときに取り出せよ」くらいにしか考えていない。
たぶん、あなたの課長と同様に、カバンに商品券を忍ばせておいて、渡すときに出すという方法を取る人が一番多いのではないだろうか。

 

結論から言うと、この方法もダメである。
なぜダメかと言うと理由は3つある。
1つは、それでは、「頭隠して尻隠さず」になる。デパートの手提げ袋はないものの、商品券を包んだ包装紙はデパートのままである。
これでは、お茶を運んでくれた先方の女子社員や、帰り際に渡す場合には他の社員にデパートの包装紙を見られてしまう。
デパートの包装紙を見られた瞬間に、中身は想像されてしまう。
2番目の理由は、こうして渡した場合、受け取った人は、それをどうするかいう問題が残る。
スーツの内ポケットにでもしまってくれればよいが、さすがに、いただいたものをすぐにスーツの内ポケットに入れる人はいないだろう。そうすると、そのまま自分の席にデパートの包装紙に包まれた商品券を持ち帰ることになるが、きっと抵抗感があるだろう。つまり、もらってから困ってしまうのである。
3番目の理由は、いくら包装紙に包んであるといっても、それは商品券という生の状態に等しい。
こういう状態を日本では「むき出しで渡す」という。これは相手に失礼なのである。

 

このように私が指摘すると、「よし、わかった」とばかりに、「自分の会社の大封筒に商品券を入れ、手渡すばいいじゃないか」と言う人がいるかもしれない。
この方法は△である。〇ではない。
なぜなら、受け取った相手は、封筒を開けると、いきなり商品券の包装紙を目にするからである。
むき出しよりはましだが、これでは、まだまだむき出しの部類に入る。まだ失礼なのである。

 

それでは、正解を言おう。
まず、デパートの包装紙に包まれた商品券を、あなたの会社の小封筒に入れる。
いつも思うことだが、会社の小封筒は、この商品券が入るサイズぴったりなのである。うまくできていると思う。
その上で、この小封筒を会社の大封筒の中に入れる。
小封筒が中に入った大封筒を渡すのである。
これなら、仮に人が目にしても、あなたの会社の封筒である。しかも、あなた方が帰ったあとも、受け取った側は、その大封筒を自分の席に持ち帰ることができる。 しかも相手に失礼にあたらないということになる。すべて丸く収まるのである。

 

さて、私が不思議に思っていることは、日本を代表する企業の社員であっても、ここで述べたことを実施している人はめったにいない。
せいぜい大封筒どまりである。そう考えると、こうしたことは、教える対象になっていないというよりは、語る対象にもなっていないのではと思う。
「営業とはこういうものだ」とさんざん議論したり、研修したりしているのにおかしなものだと思う。
ともかく、あなたはこの「技」を活かし、「あいつ、なかなか気がつくやつだ。気のつかいようは半端じゃないぞ」と評価を勝ち取ってもらいたい。
こんな評価が、仕事全体の評価に結びつくことも多いのだ。

 

そんなあなたのために、若干補足しておく。
個人へのお祝いは、できる限り、自宅に送るということを覚えてもらいたい。
昇格等のお祝いで、ちょっと高額の商品券を届けるときは、上司と相談のうえ送る人の自宅に届けてもらいたい。
本人が不在でもいっこうに構わない。
しかし、訪問する際には、かならず事前に電話しておく。きっと家族の人が出るはずである。
そのときは「〇〇様にいつもお世話になっている△△商事です。このたびはご昇格おめでとうございます。お祝いの品を持参したいのですが、××時頃、どなたかご在宅でしょうか」と聞いてもらいたい。
そうすれば、ご家族の人は待っているはずである。

 

なぜ、お祝いを自宅に送ったり、届けたりするかは、もう、あなたは理解しているだろう。
やはり、受け側の立場というものもあるからだ。
それに加え、送る側の立場というものもある。相手先の他の人から「やはりそうなんだ。あの会社はあの人と結びついているんだ」と思われたくないからである。
このように、お祝い、餞別というものは、ちょっとナーバスな問題も含んでいるのでその取扱いには慎重を期してもらいたい。
以上のことを総括すると、表現は悪いが、相手の気持ちに立ってこっそり渡すが基本である。
そして、お祝い、餞別を渡すとき、「本当によかった」「本当にお世話になった」という気持ちが大事である。

綾小路亜也

 

ポイント
①お祝いや餞別は受け取る側の立場や気持ちを大事にする。
②同時に、送る側の立場というものもよく考えた上で、慎重な対応が必要である。

 

 

 

 

「人と違った存在になる」ビジネスマナー

なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか

なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか

 

本の目次

 

スマホで読む方法

 

 

 

◆新百合ヶ丘総合研究所の「こっそり差をつけたい」人のための本

 

ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!

 

企業で働く 営業女子が輝く35のヒント

 

印象アップに踏み切れない人が、ある日突然注目を浴びるハンコの押し方

 

 

 

◆メルマガ「本に書かれていないビジネスの流儀」の情報
http://shinyuri-souken.com/?p=28756

 

 

◆忙しい方のビジネス書選びの参考にしてください。
おすすめのビジネス書
http://shinyuri-souken.com/?page_id=41933

 

 

 

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください