お詫び訪問では、出されたお茶を飲まない

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あなたは、業務遂行編-報告編-会議出席編-評価・面接編-上司との関係編を通して、「守る技術」を修得したと思う。
これだけでも十分と思うが、サラリーマン社会には、知らなければ、わからない対応というものがある。
もっと言うと、知らなければ、失敗してしまうという対応がある。
そして、不思議なことに、誰もそのことを教えてくれない。

 

私は、この「知らなければわからない対応」について、なぜ、上司や先輩は、そのことを教えないのだろうかと、ずっと考えてきた。
そして、一つの結論に至った。
それは、上司も先輩も、「教えない」のではなく、本当のところはわからないのである。わからないから、「教えられない」という結論である。
確かに、この編で取り上げる題材は、色々な人の考えがある。
逆に言うと、色々な人の考え方があるから、いまだに正解というものが確立していないということになる。
しかし、ここで、あなたと一緒に真剣になって正解を考えみよう。
もし、あなたが、解にたどり着くことができたら、他の人より、絶対にアドバンテージを持てるはずである。
皮切りは、比較的、正解にたどりやすい題材を取り上げた。

 

あなたは、上司とあるお客のところにお詫びに来ている。
応接室に通された。
先方の女子社員が部屋に入ってきて、無表情にあなたと上司の前にお茶を置く。
そして向かい側のお詫び先である先方の部長と課長が座ろうであろうテーブルの前にも、お茶を置いて軽くお辞儀をして出て行った。
先方の部長と課長はなかなか現れない。
出されたお茶も、冷めていく………。
あなたの喉は、これからこの応接間で展開されることを想像しただけでカラカラになっている。
思わず、この冷めたお茶に手を出しそうになる………。

 

サラリーマンなら、こうした場面は必ず経験する。
そして、こうしたケースでは、必ず、待たされるのだ。
今、あなたが、心の中で思っているとおり、このお茶に手を出してはいけない。
なぜだろう?
この理由を、一緒に考えていこう。お詫び訪問という意味が理解できるはずである。

 

もし、あなたがお茶に口をつけた場合のことを考えてもらいたい。
先方の部長と課長が部屋に入り、向かい側のあなたの茶碗を見る。お茶は減っている。
おかしくないだろうか? そう、おかしいのである。
こうしたケースでは、先方の着席を、ひたすら待つということが絶対に必要なはずだ。
そして、ひたすら待ったあとで、先方の着席を待って、お詫びを申し上げることが必要なはずだ。
しかし、その前に、お茶が減っているということは、何を意味しているのだろうか?
神妙に待っていなかったことを示しているのである。
先方は、絶対にいい印象を持たない。だから、絶対に飲んではいけないのである。

 

次のシチュエーションも考えてみよう。
今度は、先方が着席して、なかには、「まあ、どうぞ」とお茶をすすめる人がいる。
こんな場合でも、絶対に飲んではいけない。
お茶を飲んでお詫びするなんていうことは、ビジネスの世界では、絶対にありえないのである。
もし、飲みながらお詫びをしたならば、それはお詫び訪問ではないと考えてもらいたい。

 

こうしたケースはあまり難しく考えない方がいい。
一番重要なことは、お詫びする気持ちである。
「心から申し訳ない。すまない」と思っている人は、お茶など飲むわけないと考えてもらえばいい。
もし、お茶を飲んだならば、お詫びを受ける側は、「形だけ来あがって。お詫びの気持ちなど全然ないじゃないか」と思い、かえって関係がこじれるだけである。

 

そして、もう一つ注意しなければならないことがある。
それは、あなたの服装である。
お詫びに気持ちが入っていないと、派手な色のスーツにカラーシャツあるいはストライブのシャツ、そして、レッド系のネクタイをするなんていうことが考えられる。
特に、自分は悪いと思っていないとき、いやいや上司に連れてこられたとき、こんな服装になる。
ここで、相手がどう思うか、説明する必要もないだろう。
しかし、実際、こんなことが頻繁にあるのである。
どうしてだろうか?
それは、お詫び前日の心構えが影響していることが多い。
前日、遅くまで飲んで朝を迎える。すると、アイロンがかかっているシャツが派手目なものしかなかったということもあるのである。
私の例で恐縮だが、私は、前日の夜に、白いシャツと濃紺あるいはダークグレーのスーツ、そして地味なネクタイを用意しておいた。
もし、前日に、白いシャツがないとわかったならば、買いにいくくらいの気持ちを持っていただきたいと思っている。
そして、重要なことは、そんな心の準備をしているときは、翌日のお詫び訪問は上手くいくことが多いのである。
それは、相手にも気持ちが通じるからである。

 

いままでちょっと細かいことを言っできたが、要は、お詫び訪問で一番重要なものは、気持ちである。
お詫びの気持ちがあれば、色々言われたり、色々な過程を踏まなければならなかったとしても、結局は相手に意が通じる。
それは、決して言葉ではないのである。
いかに言葉巧みにお詫びしても、お詫びの気持ちがなければ、相手は受け容れないだろう。
相手は、お詫びする人の体全体から発散される気持ちを感じ取ろうとしているのである。
ぜひ、この原点を忘れないでもらいたい。

 

 

ポイント
①お詫び訪問で一番重要なものは、お詫びの気持ちである。
 相手は、お詫びする人の体全体から発散される気持ちを感じ取る。
②お詫び訪問の際に、お茶を飲んだり、派手な服装をしているということは、お詫びの気持ちがないということになる。

 

 

 

 

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