異動希望先に人事部と書かない

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サラリーマンの一番の関心事といったら、それは、やはり人事異動だろう。
それにより、自分のサラリーマン人生が大きく影響を受けるからだ。
そして、そんな従業員のために、多くの会社は、「自己申告制度」を導入している。
従業員は、「自己申告制度」の中で、異動希望先、本人、家庭の事情など会社に知っておいてもらいたいことを申告する。

 

今、あなたは迷っている。
あなたは、今の営業部門に来てから、4年になろうとしている。
「来年は、絶対に異動だ。もう営業はいい。営業部門だけには絶対に行きたくない」と確固たる思いは持っているものの、それでは、他の希望先をどう自己申告の用紙に書いていいのか迷っている。

 

あなたのようなサラリーマンは非常に多い。
やはり、「営業は大変だ。数字に追われる世界はもうこりごりだ」と思っている人は非常に多い。
そして、たいがいの人が、営業以外の職務を、どう自己申告の用紙に書いたらいいかを迷っているのである。

 

しかし、日本のサラリーマンは、会社が考えるよりは、ずっと賢い。
「自己申告制度」は、自分の思っていることをストレートに書いていいことはわかっている。
それはわかっているけれども、やはり、現在の職務と直接関係ない異動希望先を書くことに抵抗感を持ち、その理屈付けを必死に考えるのである。

 

そして、出てきた回答は、次のようになる。
「私は、営業を長く経験してきました。この経験を活かし、また営業で感じ取ったものを活かし、業務部門に行きたいと思っています」
「私は、現場で学びとったものを活かしたいと思っています。そして、私は、営業の進め方、あり方というものにも自分なりの考えを持つようになりました。そうしたことから、営業推進部に行きたいと思っています」
「私は、現場にいながら、いつも会社のあり方というものを考えてきました。そんなことから次は経営企画部に行きたいと思っています」
「私が学んだことを、ぜひ、若い職員の指導に活かしたいのです。人事部に行きたいと思っています」………

 

どうだろうか?
上司からこんな答えが返ってきそうである。
「おまえ、営業を経験したって言うけれど、いったいどれだけ経験したんだ?」
「おまえ、今の営業だって、満足にこなせなかったじゃないか。それが、営業のあり方、会社のあり方、そして職員の指導? いったい、どうなっているんだい?」………
そして、上司は、勘づいているのである。「とにかく、営業は嫌なんだろ……」と。
実は、私自身も、こんな答案によく出くわしたのである。
私も、部下が書いた異動希望先欄を、息を呑むというか、目を剥くというか、しばし見つめていた経験がある。

 

ことわっておきたいが、自己申告欄には、なにを書いても構わない。自分の思ったことを書けばいい。
されど、ここでのテーマは、「それでも………」ということである。
取ってつけたようなことを書いて、いいのかということである。その場逃れのようなことを書いて、いいのかということである。

 

私は、こう思う。
まず、自分の現在の状態というものを冷静に考えてみる必要がある。
「営業を経験した、営業を卒業した」と言っても、本当にそうであろうか?
本当に独り立ちして、成果を上げる営業を身に付けたのであろうか?
この問いかけは、自分自身にだけすればいい。だから、本当のことを自分自身に投げかけてもらいたい。
もし、「いやぁ、実は、まだまだなんです………」ということならば、それはそれでいいじゃないか。
私は、「それだから、次の異動希望先も営業と書け」とは言わない。
しかし、自分の状態を知るということが、やはり出発点なのである。

 

そう考えると、その中でも、自分がしてきたこと、自分が一生懸命取り組んできたものが見えてくる。
もし、あなたが、「営業はいまいち」と本当のところ思っていたとしても、
販売店向けニュースだけは、現在まで、気合いを入れてずっと作成してきた、ということがあるかもしれない。
また、販売店向け研修会だけは、自分が責任者となり、よく事前に業務部門と打ち合わせを実施し進めていた、ということがあるかもしれない。
そんなことを思い浮かべることができたなら、それは、あなたが業務部、営業推進部を希望したとしても、自分自身にも、人にも違和感がない。
そう、肝心なことは、自分自身に違和感があるかどうかということなのである。
また、自分が一生懸命取り組んできたということは、あなたが、そのことが得意であったり、そのことに関心が強かったのかもしれない。
そんなことを思い浮かべ、異動希望先を書けばいい。

 

しかし、ここは、問題の本筋から外れるが、長年サラリーマン社会にいた私の感覚では、やはり異動希望先に、人事部、経営企画部と書くことに対しては違和感というか抵抗感がある。
もし、あなたが、「私は、ずっと、新入社員の〇〇さんと、入社2年目の××さんの指導を実施してきました」ということだったら、確かに所轄は、人事部かもしれないが、研修の方に重点を置いて、そのことを申し添えた方がいいと思うのである。
いきなり、人事部というと、「えっ?」と感じられ、「こいつ、言うに任せて何を考えているんだろう?」と思われる恐れがある。

 

あなたも、十分におわかりと思うが、人事部や経営企画部は、会社の主軸部門である。
こんなことを言うと、また色々な人からお叱りを頂戴するかもしれないが、こうした部門への配属は、会社が決めることである。
会社が従業員を見渡して、この人ならと思える人を配属する部署である。
よく、ここのところを勘違いして、社会人を対象にした経営大学院に通う人がいるが、そのこと自体は、本当にいいことだとしても、仮に目的が部署狙いだったとしたら、それほど、会社は甘くない。
もちろん、参考にはすると思うが、そのことだけをもって配属することは、決してない。
考え方、パーソナリティー等すべて含めて決定することが多いのである。
それよりは、私は、今いる職場で、なにかに一生懸命取り組む、なにかを積み重ねるといった方が重要だと思うが、どうであろうか?

 

 

ポイント
①自分の現在の状況を冷静に考えてみることが出発点となる。
 そうすると、自分がしてきたこと、自分が一生懸命取り組んできたものが見えてくる。
②そうした作業を実施すると、自分に違和感がない異動希望先が見えてくる。

 

 

 

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異動希望先に人事部と書かない」への1件のフィードバック

  1. 新しく配属になったばかりの今の職場でやっていけるか自信がなくて逃げることばかり考えてました。
    将来は人事部で働きたいですが、まずは今の部署で自分にできることをしっかり行い、実感できるよう勤めるようにしてみます。
    とは言うものの、なかなかすぐに自信はわきませんが…(; ̄ー ̄A

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