自分の立場に固執しない

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あなたは課を代表して会議に出席することになる。課長が出張のためだ。
課長が出張に行く前に、あなたは、課長から「何ごとも経験だ。頑張ってこい。ウチの課の立場をはっきり言ってこい」と言われた。

 

だから、あなたは、会議の進行を注意深く見守る。
「自分は課を代表しているんだ。ちょっとでもウチの課に関係していることは聞き逃してはならない」と神経を集中させる。
そして、「もし、ウチの課にちょっとでも不利な取決めがなされそうなときは、課の立場をはっきり言わなければならない」と身構えるのである。
そう身構えているとき、はたして、あなたは意見を求められる。
あなたは、こう答える。
「ウチの課の現状は………です。ちょっと、それは難しいです」ときっぱりと答える。
そう答えて、あなたは、ほっとする。
そして、会議中ずっと、あなたは、こうした調子で、あなたの課を守り通したのである。

 

どうだろう?
これもサラリーマン社会では、よくある光景である。
代理出席したあなたの評点はどうだろうか?
一緒に考えてみよう。
ここで注意しなければならないことは、全体で〇とか×という話ではないことだ。
あなたの行動を一つ一つ分析して考えてみることが必要である。

 

まず、あなたは、「課を代表している」という意識では〇である。
ちゃんと、課の現状もおさえている。
そして、意見を求められたときも、しっかりと課の現状を伝えている。
なんでもかんでも、「できます。やります」といい加減な返答をするよりはよほどいいだろう。
こんなことを言うと、叱られるかもしれないが、あなたが、出張から戻った課長にこの日の返答内容を報告した場合、課長は嫌な顔はしないだろう。
多分、「そうか……。よしわかった」と言うのではないだろうか。
これが世のビジネス書には記載されることがない現実の姿である。
色々異議を唱える人はきっといると思うが、直属の上司である対課長という点でも、あなたは〇である。

 

しかし、あなたは重要なことを忘れている。
それは、会社という全体感である。
もっと平たく言えば、その日の会議は「何かを決める会議」であったはずだ。
その会議の席で、厳しい表現にはなるが、あなたは、自分の課を守り通しただけとも言える。
会社と言う視点、よく言われる全社視点はなかったはずだ。
しかし、それを経験の浅いあなたに要求すること自体が酷なのかもしれない。
問題の本質ではないが、もし、あなたの課長が会議に出席していたならば、ここら辺を考慮して上手く答えたかもしれない。

 

それともう1つ。
それは、会議に出席していた他の人が、「あなたをどう見たか」という視点である。
一般的に、この日のあなたの返答内容から人はこう思うだろう。
「よく頑張ってるな」と思う人がいる一方、「なんだ、あいつの態度は。『できない、できない』の一点張りじゃないか」と思う人も結構いるはずだ。
そして、ここでのあなたへの印象、評価というものが、のちのちあなたへ影響してくることが多いのである。
これが、サラリーマン社会の現実なのである。
これに対しても、「そんなこと、ものごとの本質じゃない」と言う人はきっといると思う。また、世のビジネス書には決して、そんなことは書かれはしないだろう。
しかし、現実は現実なのである。

 

実際、私が勤めていた企業では、管理職登用の他薦制度というものがあった。
これは、自分の直属の部下以外の人を、管理職に推薦するという制度であった。
その用紙も用意されていた。その用紙には、自分と推薦する人とどういう関係だったのか、選択肢に〇をつけるようになっていた。そして〇をつけたあとで、推薦理由を書くことになっていた。
確か、選択肢は、①かっての部下 ②プロジェクトを共にした ③会議で一緒だった ような気がする。
注目すべきは選択肢の③である。そう、会議は、あなたの部署外の人があなたを見る絶好の機会だということがわかると思う。
このことを忘れてはならない。

 

それでは、あなたのこの日の発言はどうすればよかったのかという問題が残るが、これについても話しておく。
確かにあなたは課の代表者だが、あまり、肩を怒らせて、あなたの組織やあなたの立場に固執しない方がいい。
あなたは課の代表者であるとともに、会議の参加者でもあることも忘れてはならない。
会社全体の案件に自分が参加し、関わっていると考えれば、自分の組織、自分の立場への固執も和らいでいく。
そう、会議に参加しているという気持ちを強く持つことが大事である。
そして、もし、あなたがその場で返答できないような内容だったら、きまりは悪いかもしれないが、「課に持ち帰って検討させていただきます」と答えればいい。
少なくとも、あなたは嫌われる必要はないのである。

 

 

ポイント
①組織を代表して会議に出席する場合でも、会議の参加者であるという意識は忘れない方がいい。
②会議はあなたの部署外の人があなたを見る絶好の機会である。
 そして、そこでの印象がのちのちあなたに影響を与える。

 

 

 

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