折り返し文を書かない

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前回、サラリーマン社会の要回答について述べた。
今や、どの企業でも要回答を取るときは、あらかじめ、excelやwordを使って回答欄が設けられていることが多い。
フリーの書式で回答を求めるということはほとんどなくなってきているのではないだろうか。
今回のテーマは、その回答欄への記入の仕方である。

 

あなたは、この空白の回答欄を見るとき、なにを考えるだろう?
まず、「埋めなくてはならない」と考える。
そして、「埋めなくてはならない」と考えるとき、同時に、「なるべく空白を残さないようにしなければならない」と考えているのではないだろうか。
その結果、回答欄いっぱいに書かれた折り返し文が登場することになる。

 

結論から言う。
折り返し文は、極力というより、絶対に書かないでもらいたい。
なぜなら、回答を受ける側は、回答欄にいっぱいに書かれた折り返し文を見るだけで、眼がチカチカする。
それだけで読む気にならない。
たとえ、辛抱して読み始めたとしても、頭に入っていかない。
おまけにこうした折り返し文は、主語と述語の位置が遠くなることが多い。
これだけでも、うんざりするが、なかには、主語がなかったり、主語が複数の人だったりすることもあるのである。
これに誤字脱字でもあろうものなら、それこそ読む方はたまったものではないのである。

 

そして、こうした折り返し文は、その人の素養がでやすい。
文章というものは不思議なもので、それまでその人が培ってきたものが全部出てしまう。
その人の好きな言葉や言い回しも出る。
そして間違って覚えた言葉の意味や使い方までも出てしまうのである。
すなわち、その人が書いた文章を見れば、その人のだいたいのレベルがわかってしまうのである。もっと言えば、その人がわかってしまうのである。

 

それでは、どうしたらよいかということになるが、現実問題、俄かにその人が培ったものを直すということは非常に難しい。
私も経験したが、文章指導を実施した場合、指導を受けた人は一旦は改善傾向を示すが、結局は、元の状態に戻るということが多かった。
私は、それよりも、文章スタイルを変えることが絶対に必要であると思っている。
この点はあとで詳述するが、折り返し文を書かないことが、文書スタイル変更の第一歩である。

 

折り返し文がもたらすものは、もう1つある。
それはセンスを見られるということである。
回答欄にびっしり書かれた文章を見て、人は、その文章がセンスあるとは、決して思わないだろう。
そして、もしあなたの周りに、文章の上手い人がいたら、その人が書く文章をじっくりと見てもらいたい。
多分、その人は、「余白」を非常に大事にしているのではないだろうか。
一つの文が終わっても、すぐに新たな文を続けるのではなく余白のことをいつも考えている、段落というものを考えている、改行の仕方を考えているのではないだろうか。
難しく考えることはない。つまり文章が上手い人は、いつも人が読みやすい文章を考えているというだけである。
しかし、これが、文章センスなのである。

 

この文章センスの怖いところは、仕事のセンスにもつながってくるところである。
つまり、なにを言っているのかさっぱりわからない文章を書く人は、往々にして仕事も、なにをしているのかさっぱりわからないことが多いのである。
焦点が定まっていないとも言える。
たった一つの文章でも、読み手は、こんなことを想像してしまうのである。

 

さて、この問題の解決法をお話したい。
元々文章作成が苦手な人に、「やれ段落替えだとか、主語の位置がどうだとか、簡潔な表現をしろ」と言っても混乱するだけである。
それよりは、文章作成が苦手な人は、回答欄への記入にあたっては、色々なことを考えるよりは、折り返し文を書かないことに専念してもらいたい。
なにがなんでも、文章を折り返さないで、枠の手前で文を止めてもらいたい。
また、枠の手前で止められるような文を書いてもらいたい。
そうすると、知らず知らずに、余計なことは切り捨て、簡潔な文になるはずである。
これが文章上達の秘訣なのである。
そして、以前、あなたが書いた折り返し文を読み返してもらいたい。
そこには、余計なことが、本筋とは関係がないことが、これでもかと書かれているはずである。

 

もう一つ注意すべきことがあるとしたら、回答欄の空白の状態である。
回答欄への記入を終わったら、この空白状況を見てもらいたい。
空白が適度にあり、「読みやすい」と、あなた自身が感じたらOKである。
くれぐれも言う。この空白を恐れてはいけない。「むしろ、空白部分はなくてはならないものである」とあなたの意識を変えてもらいたい。
これで、あなたは、文章の達人の仲間入りをするはずである。
さらなる達人への道は、次の項で説明したい。

 

 

ポイント
①回答欄への記入は、読み手が読みやすいように空白部分を多くとることが重要である。
②そのためには、折り返し文を書かないことである。

 

 

 

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