自分の意見を言う前の空白の時間を耐える

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あなたは、「報告する際には、必ず自分の意見を言う」ということを多くのビジネス書から学んだはずだ。また、実際に多くの人から言われてきた。
だから、あなたは、たえず「自分の意見を言う。自分の意見を言わなければならない」という強迫観念が頭にこびりついている。
そして、強迫観念が強いために、報告を終えたあと、すぐに自分の意見を言う。
ところが、自分の意見を言ったあと、こんな展開になったことはないだろうか?
上司は言うのである。
「そうかぁー。オレは違うと思うな………」
あなたは、急にしどろもどろとなり、前言を繕うのである。

 

この問題に対して、多くのビジネス書にはこんなことが書いてあるはずだ。
「間違っていようといまいが、自分の意見を言うことは重要である」と。
この点についても、まさに、「自分の意見」というくらいだから、その通りだと思う。まったく否定しない。
あなたの意見があり、上司の意見がある。それは当然である。
だからこそ、議論がある、次の展開を図れる。
しかし、報告を受ける側から違う意見を言われた場合、多くのサラリーマンは慌てふためき前言を取り繕うことでいっぱいとなるのである。

 

なぜ前言を取り繕うとするのであろうか? それはどんな場合に起きるのだろうか? 共に考えていきたい。

1つは、自分が気づかなかった視点を言われた場合である。
もう1つは、自分が考えた手段や方策が稚拙だと、自分自身で悟った場合だ。
そして、引っ込みがつかなくなるのを恐れて、前言を取り繕うとするのではないだろうか。
ここで杓子定規の見解を示せば、「そんなこといいじゃないか。自分の意見は自分の意見。自分の意見を言ったのだから、それでいいんじゃないか」ということになる。もっと言えば、「前言を取り繕うことは必要ない」ということになる。
これもその通りだと思う。

 

ここで取りあげた問題は、本質的な問題ではないかもしれないが、それでも、自分の意見と上司の意見とがまったく異なったときの気まずさ、持って行き場のなさというものは、私もサラリーマン経験があるからよくわかるが、耐えられない問題なのである。
ここも世のビジネス書の中身を修正しなければならないと考える。
よくよく考えてみれば、あなたが読んだ本は、ビジネスコンサルタントが書いた本であり、「自分の意見を言う」という部分は、コンサルタント会社に入社したてのコンサルタントが社内等で学んだ……。そんな内容だったのではないだろうか?

 

実務での解決法を2点提示したい。
1つは、やはり、サラリーマンやビジネスの現場で頑張っている人は、「報告を受ける側は、いったいこの問題をどう捉え、どう考えるだろうか?」ということを推測した方がいい。
この学習を積み重ねることは、ズバリ、サラリーマンを続けていくうえで必要である。
サラリーマンの必要なスキルとも言える。
それは、このスキルは、単に報告という場面にとどまることではないからだ。
ビジネスの現場では、たえず相手の視点に立った見方というものが重要である。
「お客さまは一体何を考えているのか、どう思っているのか」ということとまったく同じだからである。

 

もう1つは、やはり、報告をスピーチと考えないで、「対話をするんだ」と思えば、ここで述べたような前言の繕いや慌てふためくことにならない。
「自分の意見を言う」ということを念仏のように頭の中で唱えていると、どうしても、早く自分の意見を言いたくなる。しかも一気に言いたくなる。
ここでも、前に議題に取りあげた「聞かれたら答えるというスタンスも重要」「全部を話そうとすると上手く話せない」同様に、「間合い」というものが必要となる。

 

多分、あなたは報告が終了して、自分の意見を言う前に、静かな「空白の時間」が訪れる瞬間を経験していると思う。
それは、あなたの報告の余韻が漂う、そして、上司がその問題について考える瞬間でもある。
私も経験があるからよくわかるが、サラリーマンなら、この「空白の時間」は嫌なものである。怖いものである。
そして、その怖さゆえ、一気に自分の意見を言うのである。
だから引っ込みがつかなくなる場合が多くなるのである。
ここは、耐えてもらいたい。
ここで相手の反応が出る、そして相手の考え、意見が出る。
ここを耐えることにより、対話が生まれる。
ここを耐えれば、引っ込みがつかなくなるという現象は起きない。

 

ビジネスの世界では、「相手がどう考え、どう思っているか」を推測することは極めて重要である。
考えてみれば、この「空白の時間」は、まさにそれが表れる瞬間なのである。
ここを活かさない手はない。
自分の意見を言う前に、この「空白の時間」を耐えてもらいたい。

 

 

ポイント
①ビジネスの現場では、相手が問題をどう捉え、どう考えるかを推測することが必要である。
②自分の意見を言う前に、相手の反応、考え、意見が出る場面を作ることが重要である。

 

 

 

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