上司の状況を見て報告する

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さあ、ここから報告篇に入る。
業務遂行編であなたは仕事のコツをマスターしたはずだ。それだけでも見違えるような仕事ぶりとなるのだが、報告の技術も重要だ。
なぜならば、あなたが今、一生懸命に取り組んでいる仕事は、周囲の人はうすうすはその進捗を感じているが、やはり伝達手段というものがないと人に正しく伝わらない、正しく評価されないからだ。
その伝達手段が報告である。
サラリーマンの仕事は、行動と報告で回っている。まさに車の両輪である。
そして、報告には口頭による報告と文書による報告の2種類がある。どちらも大事である。
その皮切りとして、口頭による報告ー「上司の状況を見て報告する」からスタートしたい。

 

あなたはこんな経験がないだろうか。
あなたは、上司に報告し相談したいことがある。
サラリーマンなら、こんな気持ちになったら一刻も早く上司に話しかけたいものだ。その気持ちはよくわかる。
しかし、あなたの上司は、さっきかかってきた電話の件が、すごく気になっているようだ。
その電話以来、あなたの上司はそわそわしている。パソコンのキーボードを叩いているわけでもなし、さりとて、書類を整理しているわけでもない。ただただ、手帳のページを見ては、それをデスクに置き、デスクに置いたと思ったら、しばらくするとまた手に取って見ている。
あなたは、そんな上司の姿を見て、今、報告しようかと迷うのある。
しかし、あなたは、この待つという動作が耐えられなかった。
そこで、あなたは意を決めて、上司に報告し、相談するのである。
そして、10分後、あなたは「やはり、今、相談しなかった方がよかった」と強く思うのである。

 

この問題に対して、世間でよく言われていることがある。
それは、「緊急の場合は、なによりも早く報告すること」「よくない話は、なによりも早く報告すること」
あるいは、「何か起きたらすみやかに上司に報告すること」………。
あなたは、入社以来そんなことを教えられてきたはずだ。また、色々な本にもそんなことが書いてある。
それは、その通りである。
そして、そこには、「報告を受ける上司たる者ー自分の状況がどうであれ、部下の報告を何よりも優先して受けることがその職務である」という意味合いが込められているように思えるのである。

 

しかし、ここでその議論を終了するほど野暮ではない。
この問題は、上司側の身にもなって、考えてみる必要があると私は思うのである。
確かに、緊急事態発生の場合は、なによりもその報告は優先されるべきである。
しかし、これにも、最低限のマナーがある。
たとえば、あなたの上司が他の人と打ち合わせしているときに、その緊急事態を伝えなければならない際には、やはり一言ことわるべきである。
こんなことを言うと、「そんなこと必要ない。危機管理はそういうものではない」と言う人はきっといる。
確かに本質的な問題ではないが、「すいません。緊急事態が発生しました」と言えば、上司も身構えるごとができるのである。
世の中には、前触れもなく「〇〇商事は、他社と契約するようです」といきなり、上司が人と打ち合わせしていようが、話していようが、切り込む人がいるが、「すいません。緊急事態が発生したんです」と、場の空気を変えることわりくらいは、私は必要だと思うのである。

 

さて、こうした緊急事態ではない場合も、部下は、早く上司に報告しておきたいという心理が働く。
つまり問題を手持ちしたくはないときだ。私もサラリーマンが長かったのでその気持ちはよくわかる。
そして、結論から言うと、こんな場合でも上司は部下の報告を優先して聞かなければならない。
しかし、である。
上司も人の子なのである。そこのところを考えてもらいたい。
長い会議を終えて席に戻ったばかりの上司にすぐに報告・相談に駆けつける、色々なことがあって思索を重ねている途中にある上司に長々と報告する、上司がまさに会社を出ようとする瞬間に「いけない!帰ってしまうぞ」とばかりに報告する、いかにも体調が悪そうな上司に難しい相談を投げかける。………。
こうしたことは結構行われているのである。
問題は、緊急、重要な場合を除き、報告を手持ちしたくないという自分の気持ちと上司への思いやり、どちらを優先すべきかということになる。
あなたには、ぜひ、 このことを考えた上で決めてもらいたいのである。

 

そして、こんな問題にもコツがある。
それは、あなたが上司に報告する際に、「いま、よろしいでしょうか?」とことわりを入れることである。
その癖を身に付けてもらいたい。
そして、このように上司はことわりを入れられると、「△△君、悪いな。おれ、ちょっと疲れてしまった。明日の朝、聞くからそれでいいか?」とか、「ごめんな。オレ今日色々あってな。ちょっと頭が働かないんだ。気分転換に一杯、飲みに行こうか?」などと、本音が出るのである。

 

世の中には、どんなときでも上司は、部下の報告、部下のことを優先しなければならないという風潮がある。
そしてそんなトーンで書いている本も多いはずだ。
本当に人の上に立つ人は大変だと思う。
しかし、そんな上司も人の子なのである。
あってはいけないことかもしれないが、年がら年中、自分の状況への思いやりがない部下をおもしろく思うはずがない。
だいいち、上司に色々事情がありそうなときに、報告、相談した場合、いい結果にはならないことが多いのである。

 

実は、私は先日、ある企業の管理職の方のお話を聞く機会があった。
それは、部下のことについての相談だった。
そのとき、その管理職の人は、自分の部下の最大の欠点をこう言ったのである。
「うちの部下は、場の空気というものを読めないんです。だから平気で、私が立て込んでいるときに報告や相談に来るんです」と。
この話を聞いて、わたしは、「やはりな」と思った。
私自身も管理職が長かった。「確かに私にもこの人が話すような部下がいたな」と当時を思い出した。
あなたも、上司への報告や相談のタイミングには注意してもらいたい。

 

 

ポイント
①上司のその時々の状況を思いやる気持ちが大事である。
②上司に報告する際には、「いま、よろしいでしょうか?」とことわりを入れることはマナーである。
③そして、上司に色々事情がありそうなときに、報告、相談した場合、いい結果にはならないことが多い。

 

 

 

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