人のペースに惑わされない

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サラリーマンには、仕事の要領をマスターしたとしても、前途に立ちふさがるものがある。
その1つは、書類整理であり、前回お話しした。
そして、もう1つ、あなたの前途に大きく立ちふさがるものがある。
もしかして、あなたの業務が進まないのは、ここに原因があるのかもしれない。
それは、「人のペースに惑わされる」ということである。

 

あなたは今、デスクの前で黙々と業務をこなしている。
今日は自分で言うのもおかしいが、なにかとても集中力がある。処理のテンポもいい。「この調子だと、午前中にあらかたやるべきことは終わるぞ」と思いながら、ふと顔を上げると、そこに先輩が笑いを浮かべて立っている。
そして、顔があった瞬間に、「ちょっといいか? おまえの意見を聞かせてくれよ」と、フロアのミーティングブースの方に視線を向けるのである。
先輩は、上司から「現在実行している企画について、社内の反応を聞いてくれ」と頼まれたらしい。
あなたは、先輩から30分くらい意見を求められる。
しかし、そのあとは、「おまえ知っているか? 今、総務の林さんは大変らしいぞ」とか、「先日、常務が長野に出張したとき、長野支店の〇〇が余計なことを言って、大目玉をくらったらしいぞ」とか、「おれは、経理の斉藤をどうしても好きになれないんだ。この間も………」とこんな話が延々と続くのである。
気がつけば、時計の針は、12時を回っている。
そこで、先輩は言うのである。「おい、飯でも行こうぜ」と。
渋々ついていったあなたは、ランチのあと、エクセルシオールにもつき合わされて、そこでもさっきと同じような話を聞くのである。

 

やっと自分のデスクに戻ったあなたは、失われた時間を取り戻そうと焦る。
しかし、ペースはなかなか戻らない。
そして、さっきまでは、「午後は〇×商事に行き、新商品の提案でもしようか」と思っていたが、やり残した仕事を前にして、「まあ、〇×商事に行くのは、明日でもいいか」と先送りするのである。
夕刻、あなたは、ただただ過ぎ去ってしまった今日1日のことを悔やんでいる。そんな時にデスクの上の電話が鳴るのである。
さっきの先輩からである。
「これから、飲みにいかないか」との電話である。
結局、あなたは、その誘いにも応じ、翌日、二日酔いで会社に着く。
この体調では、とても外を回る気持ちになれない。ボーっとしながら、また1日を無駄に送るのである。

 

これがサラリーマン社会である。
サラリーマンの業務進捗を妨げる大きな大きな壁である。
この手の先輩や同僚は、どんな会社にもそしてどんな部署にもいる。
また、あなたのような社員も、どんな会社にもどんな部署にもいる。
それは、会社のミーティングブースを見ているとよくわかる。
ミーティングブースで打ち合わせをしている人の顔ぶれは、たいがいが決まっているからだ。
あなたが、いつものようにミーティングブースでこのような先輩と打ち合わせをしているときに、あなたの上司がその横を通り過ぎることがある。
そのとき、あなたの上司は、「よっ!」とあなたと先輩に視線を向け、軽く声をかける。
あなたは、この「よっ!」という声をどう解釈しているだろうか?

 

実は、私自身も勘違いしている時期があった。
私は、それを「おっ、二人でやっているね。ご苦労さん、ご苦労さん」という意味だと思っていた。
しかし、最初のうちはそうかもしれないが、毎日毎日、こんな打ち合わせばかりしていると、だんだん上司の眼と言葉の意味は違ってくる。
「おい、いつまでそんなことやってるんだ。早く外に出で稼いで来い!」とか、「おまえ、自分のやるべきこといっぱいあるんだろ。もういい加減にしろよ」という意味になってくる。
ここのところにまず気づいてもらいたい。
あなたは好意でやっているのに、こんなことで減点でもされようものなら目も当てられない。

 

さて、会社では協調性が大事という。チームワークが大事だという。またGIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』では、ギバーがいかに大事かということを述べている。
ぜんぶ、その通りである。そして、もしあなたが今の会社に入社して間もなければ、当然人間関係を大事にするだろう。
これも大事である。
しかし、それによりあなたの業務が阻害されているとすれば、それは別問題なのである。

 

自分の業務と人との協調。
この問題は難しいが、実は、長い間サラリーマンを続けたか、続けている人は、ここで取り上げたようなことを経験し克服してきた人ではないだろうか。この大きな壁を乗り越えた人ではないだろうか。
この問題について、私の考えをお話ししたい。
サラリーマンで成果を上げれるか否かは、今まで述べてきたような仕事の進め方のコツと、もう一つ、言葉は悪いが、いかに人に邪魔されずに、自分のペースを守っていけるかにかかっていると考えている。
それは、サラリーマンが一定の業務をやり遂げるには、集中力が必要だからだ。
好きな言葉ではないが、どの会社にもどの部署にも、みんなから認められている「できる人」がいる。
あなたの部署にもいるはずだ。
その人たちの特長を考えてみてもらいたい。
その人たちは、集中するときは、声もかけれないくらい集中して仕事をしている人たちなのではないだろうか。

 

私は、以前、「営業の神様」ってどういう人なのか研究したことがあった。
そのとき読んだ本が『営業の神様』だった。
著者である「営業の神様」ジョー・ジラード氏は、いったいどの部分が人と違うのであろうか?
それは、一言で言って集中力だった。仕事に取り組む集中力がまるで違うのである。
そして本の中でも、この項で述べたような人に邪魔されないことがいかに重要であるかが述べられていた。
私は、「なるほど」と思った。
みなさんも、ぜひ、この本を参考にしていただきたい。

 

サラリーマン社会は、社会と言われるように人の集まりである。
人の集合体であるから、そこには協調性が不可欠である。
しかし、自分の仕事まで犠牲にすることはない。あくまでも自分の仕事をやり抜くことが第一である。そして次に協調があるのである。
この順番は間違えない方がいい。
確かに人の仕事を手伝うことは、気持ちがよいものだし、とても大事である。
しかし、この順番は間違えない方がいい。表現は悪いが、「そこまでお人好し」になることはない。

 

仕事の進め方をマスターし、この壁を乗り越えることができたならば、あなたは必ず成果を上げれるビジネスマンになる。
十分注意して頑張ってもらいたい。

 

 

ポイント
①サラリーマンの業務進捗を妨げるものの一つに、「人のペースに惑わされる」ことがある。
②ビジネスの世界で成果を上げた人は、この壁を克服した人たちである。
③サラリーマンの世界では協調性も大事だが、その前に自分の仕事をやり抜くことが重要である。

 

 

 

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