問題の難易度を上げない

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「ビジネスマンの守る技術⑭」

 

あなたはここまでの考察で、だいぶ頭が整理できてきたのではないだろうか。
要は早くやる、早く取りかかる、早く形を作り上げる、早く1つのことにカタをつける、課題をできる限り並べない、先手を打つ、余計なことをしない、課題にストレートに向かう……… そして注意しなければならないことを学んでいったはずだ。
もし、あなたがこのうちの1つでもすでに実施していたならば、「いままでと違うあなた」を、周囲の人は感じ取っているはずだ。
しかし、こんな経験をしていないだろうか?
それは、「まったく、こんなことになるんだったら、先に連絡しとけばよかった」と思うことを。

 

それは、こんなときに起きる。
あなたは、だいぶ「すぐやる」に慣れてきたので、できる限り、その場その場で対応することを心掛けている。
しかし、それでもやることは複数あるので、優先順位をつけなければならない。
そんなとき、あなたは机の上の1枚の電話メモを見る。
その電話メモには、「〇×商事の△△さんから電話がありました。9時12分高橋受」と書いてある。
あなたは、「あの件だな」とすぐにピンときた。
その件は、電話1本で済む話だったので、あなたは違う仕事に手を出したのである。
あなたが手を出した仕事は、意外に手間取る仕事だった。
そして、あなたはひと仕事終え、さっきの電話メモを手に取るのである。時計の針は、もう午後の4時を回っている。

 

そのとき、あなたは、どう思うだろうか?
折り返しの電話をしなかったことを、きまり悪く思うのではないだろうか。
そしてあなたは、ある決断をし電話機を取るのである。
「△△さんですか?すいません。ちょっとバタバタしていたのでご連絡が遅くなってしまい………。ちょっと遅くて恐縮ですが、これから説明しにお伺いしてよろしいでしょうか?」
そう、あなたは、「行って説明する」という選択肢を選んだのである。

 

さあ、この問題をよく考えてみよう。
あなたは、当初は、「こんな話たいしたことがない。まあ、あとで電話1本でも入れておくか」と考えたはずである。
それが、「行って説明しなければならない」課題に問題の難易度を上げてしまったのである。
その理由は単純である。きまりが悪かったからだ。
これが、相手から「なぜ連絡をよこさないんだ!」というクレームに発展した場合は、きまり悪さの訪問どころの話ではなくなる。
お詫び訪問となり、その後のフォローも大変である。
こういう状態になってしまった場合は、問題の難易度を上げてしまったどころか問題を昇格させてしまったということになる。

 

そう、あなたは、仕事の優先順位を間違えたのである。
仕事の進め方にはコツがある。
「簡単なもの、すぐにできるものから取りかかり、カタをつけてしまう」のだ。
これができないと、問題の難易度を上げ、そのために時間をかけてしまうことになる。
このことは、社内でも同じである。
電話1本や簡単なメールで済む報告も先延ばしていると、「いまさら、こんな簡単な報告はできないな。ワードにでもまとめて報告するか」になってしまう。

 

しかし、現実には、なかなかできないものでもある。
それには訳があるからだ。
それは、われわれは入社以来、会社から、上司から、そして研修の場で「仕事は優先順位をしっかりつけて取り組みなさい」と言われ続け、その解答として、「仕事は、重要なものから取り組むものだ」と教わり続けているからだ。
この洗脳は、ちょっとやそっとでは消えない。
今回の例でも、あなたの頭はきっとそう言われたことが刻まれていて、体で違う仕事に反応したかもしれないのだ。
現場での鉄則は、世の中で言われていることとは違うのだ。

 

さて、このように「簡単なもの、すぐにできるものから取りかかり、カタをつけてしまう」ことができないと、どういう現象になるのだろうか?
今回の例でも、きっと、あなたは、カバンに書類を詰め込み、パソコンもオフにしないまま、「ちょっと、オレ、出かけてくるわ」と周りの人って、急ぎ足で先方に向かったはずだ。
そう、なにかバタバタしているのである。バタバタせざるを得ないのである。
こんなあなたの仕事ぶりを会社は、上司は静かに見ている。
「あいつ、なにかいつもバタバタしているな。落ち着いてデスクに座っていることってないよな」というように見られてしまう。

 

実は、私はサラリーマンになったときに、「あっちに電話したかと思うと、こっちに電話をし、今度は、急に出かけたりする先輩」を見て、「あ、この人有能なんだ。これが社会人なんだ」と感心したことがあった。
しかし、管理職になったとき、がらりとこういう人の評価が変わったのである。
「まったく、なにいつもバタバタしているんだ」と。
もし、あなたが自分でもなにかバタバタしていると感じたならば、もしかして、その原因は、ここで述べたことにあるのではないかと検証してもらいたい。

 

 

ポイント
①仕事のコツは、簡単なもの、すぐにできるものから取りかかり、カタをつけてしまうことである。
②これができないと、問題の難易度を上げることになる。
③些細なことでも、すぐにやらないと、問題の難易度を上げ、トラブルに発展する。

 

 

 

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