同じ失敗は繰り返される

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「ビジネスマンの守る技術⑫」

 

あなたは、先日、大事な会議資料で、出席者の氏名を間違えて記載した。
会議終了後、あなたの会社の社長以下、役員、部長が、その出席者の席に駆けつけ平謝りした。
あなたは、「もうこんなミスは絶対にしない」と心に誓い、それ以来、人の氏名を記載する際には、念入りにチェックを実施していた。
ところが、今度は、あなたの得意先へ社長名の生花を出す際に、社長名が違っていたのである。

 

実社会では、こうしたケースは非常に多い。
つまり、同じ失敗は繰り返すされることが多いのである。
最初の失敗のあと、あなたは、原因を考えたはずだ。
その原因は、パソコン入力の際の変換ミスであった。
パソコン入力では氏名を打つ際に候補が何個も出るので、その人の名に近い候補先を眼が捉えてしまい、カーソルを当ててしまったことが原因だった。
一方、社長名の名前が違っていた件は、あなた自身もしっくりきていない。
業者に電話で、「サトウは、普通のサトウです。ジュンイチのジュンは純粋の純です。イチは数字の一です」としっかり伝えたつもりなのである。

 

あなたは、2つの原因は異なっていると考えるかもしれないが、実社会の結論は1つである。
同じ氏名の間違いなのである。あなたは、重要な人の氏名を2度間違えたということになる。
そして実は、後述するが原因も1つなのである。たまたま発生形態が違っただけの話である。
あなたは、「それでは、どうすればいいんだ?オレも最初の失敗以来、細心の注意を払ってきた。それ以上、やりようがないじゃないか」と言うかもしれない。
しかし、そのやり方では、また失敗が繰り返される可能性があるのである。
なぜなら、それは、あなたの注意力、集中力というものに対策が委ねられているからである。
確かに、細心の注意力を払うことは重要なことだが、人がやることには限界がある。いつまた同じミスをしないとも限らないということなのである。

 

ビジネスの世界では、ミスを引き起こしてしまった場合、再発防止策ということが論議される。
本件で言えば、あなたは、人の名前を書くときには、今まで以上に細心の注意を払うという再発防止策を掲げた。
しかし、これでは、ダメなのである。また繰り返されてしまうのである。
どうすればいいかと言うと、今までとは違った「やり方」を再発防止策に入れなくてはならないのである。
本件で言うならば、たとえば、氏名を記載した資料を作成するときには、他の人とダブルチェックするとか、新たな「やり方」を入れなくてはならないのである。

 

それでは、「生花の件はどうしたらよかったんだ」と思われるかもしれないが、
これも、氏名確認が甘いから起きた問題なのである。
業者の人も悪いが、2人でダブルチェックをすれば起きなかった問題である。
業者の人は、ジュンイチと言われたら、頭の中は、「順一」を即座にイメージしていたのかもしれない。
ジュンスイの「純」と言われても思い込みが固まっていたかもしれないし、この人が、実際に名前を書く人への伝達の際に間違えたのかもしれない。また、名前を書く人が思い込みをしていたかもしれない。
ここは、絶対に先方から、「あなたの会社の会社名と社長名を記入した」確認ファックスを送らせるべきだったのである。
万が一、緊急を要する場合だったら、ジュンスイの「純」で片づけないで、ジュンジョウの「純」などをつけくわえ、糸偏のジュンであるとも言うべきだったのである。

 

ここまで来ると、2つの原因は、1つだということに気づかれたことと思う。
その原因は、氏名確認が甘いということである。
実は、この項ではたまたま、氏名確認のミスを取りあげたが、ミスというものは、その人の苦手な分野で繰り返されることが多い。
それを、多くの場合、再発防止策を、「細心の注意を払う」「今後、気をつける」と片付けてしまうが、元々その人の業務の弱い部分でミスが発生していることを見逃してはならない。
再発防止策には、新たな一手が必要なのである。
弱い部分を補う新たな策が必要なのである。

 

さて、いままでシリアスになるから書かなかったが、ビジネス社会でミスをすることは仕方がないが、同じミスを繰り返したとなると、話は違ってくる。
それはミス以上のものを、人は思い浮かべるからだ。
「だらしがない」「たるんでいる」「どうしようもないな」………。
言うまでもなく、そう思われないことがぜったいに必要である。
そして、ここが肝心なのだが、色々努力、注意しても、ミスというものは、絶対に起こりうるものなのである。
そのときに、「そこまで、注意したのに、仕方がないな」と思わせることも必要なのである。
この例で言えば、「〇〇さんとダブルチェックをしました。それでも二人とも見逃してしまったんです」と言われれば、報告を受けた方は、「仕方がない」と思うだろう。
それが、ただ、「細心の注意を払ったんですが、またミスをしてしまいました」と報告を受けたら、人はどう思うであろうか。
「いい加減にしてくれよ」とか、「細心の注意を払わなかったから、またミスが発生したんだろう」と思うに決まっているのである。

 

再発防止のためには、違う一手を織り込む。そしてこのことが文字通り再発を防ぐとともに、万が一のとき、あなたを救うのである。

 

 

ポイント
①いくら細心の注意を払っても、同じやり方をしている限り、また同じ失敗は繰り返される。
②再発防止のためには、今までと違ったやり方、新たな一手が必要なのである。

 

 

 

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