「〇〇しているようで〇〇していない」にならない

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「ビジネスマンの守る技術⑪」

 

新年度に入り、会社の方針と施策が発表された。
あなたが所属する部でも、会社方針と施策を受けて、今年度の部の目標、施策が決定された。
部の職員全員が会議室に集められ、部長から、部の目標と施策の意味を聞いた。
あなたの課長も、席上で、課として目標達成に向けた具体策を発表した。
そして、あなた自身も、自分の今年度の目標と具体的行動を、課長に提出している。

 

あれから1か月が経とうとしている。
しかし、あなたは、なにか目標に向かっているようで、向かっていないような変な気持ちになるのである。
もちろん、目標のことは忘れることはない。しかし、目標に向かってまい進しているという実感が湧かないでいる。

 

この問題について、一緒に考えてみよう。
あなたは、限りなくいい問題に気づいている。
サラリーマン社会で、成果を上げれる人、結果を出せる人になれるか否かは、この問題に集約されている。
そして、多くのサラリーマンは、実は、「〇〇しているようで〇〇していない」ケースが多いのである。
これは組織でもまったく同じである。

 

この問題をより体感するために、この「〇〇しているようで〇〇していない」のケースをどんどん挙げてみよう。
「目標に向かっているようで、目標に向かっていない」「仕事をしているようで、仕事をしていない」「営業をしているようで、営業をしていない」「徹底しているようで、徹底していない」………
無限に、湧いてくる。

 

最初の「目標に向かっているようで、目標に向かっていない」は組織でもよくある話である。組織が目標を決める。みんなでその目標に向かうことになる。ところが、1人1人の1日の動きを見てみると、到底、目標に向かっているようには思えない。
組織が停滞しているときは、この言葉を思い出してもらいたい。

また、「仕事をしているようで、仕事をしていない」という言葉も、サラリーマンの日々の動きを見ていると、よくあてはまる。

「営業をしているようで、営業をしていない」 これも、営業マンなら毎日がその連続ではないだろうか。得意先を訪問しては談笑する。そして、得意先回りの途中、「疲れた」と言って、ベローチェやエクセルシオールに立ち寄る。頭から営業目標が飛んでいる。

「徹底しているようで、徹底していない」これもよくある。組織で、あることを徹底させる。ところが、いまだに徹底したはずのことが行われていないのである。

 

これが実社会なのである。
多くの人は、ビジネス書や成功者が書いた本を読む。読んで、「よし、オレもやってみよう!」と思う。
しかし、なかなか、自分がやってみようと思ったことができないのが、実社会なのである。
実は、この「こういうことをやってみよう」あるいは「こういう目標を持とう」までは、誰でもたどり着く。
問題は、ここからなのである。
ここから、「どうやるかが」まさに問題なのである。

 

サラリーマンが、「決めたことを実行できない」の奥に潜む原因は、実は、まさにサラリーマンという職務特性による。
別にあなたが決めたこと、組織が決めたことを実行しなくても、いい評価は得られないかもしれないが、あなたは飯を食べられなくなることはない。また、組織も俄かに倒産するということはない。ここに真の原因が存在するのではないだろうか。
あなたは、ここで読んだ本のことを思い出し、「それは確かにあるかもしれない。しかしオレは決めたことを実行できないのだから、やはり意志力が弱いんじゃないか」と思うかもしれない。
しかし、ここで深く悩まない方がいい。
あなたが読んだビジネス書の主人公、著者のことを考えてもらいたい。
あなたが読んだ本の著者は、起業家や、生保や自動車ディーラーのスーパーセールスマンではなかっただろうか?
かれらは、サラリーマンではないのである。生保やディーラーのスーパーセールスマンは、手数料をベースに生活している。
「〇〇しているようで〇〇していない」などと呑気なことを言っていたら、飯を食っていけなくなってしまう人たちなのである。
あるいは、起業家なら、倒産の危機に直面してしまうのである。
要はサラリーマンとは違うということだけを頭に入れておいてもらいたたい。

 

 

さあ、議論の収束に向かおう。
生保やディーラーのスーパーセールスマンの話は、サラリーマンとは違う話だが、参考となる点は1点に集約される。
それは、目標に向かう凄まじいほどの意志力を持っているということである。
こんなことを言うと、精神論に聞こえるかもしれないが、最後まで聞いてもらいたい。
すなわち、彼らの成功体験から学ぶと、「〇〇しているようで〇〇していない」状態は、目標に向かう意志力、パワーというものが弱いから生じている現象であるということになる。
そして、サラリーマン社会は、彼らスーパーセールスマンとは違う世界なのだが、その中でも、「結果をだそう」「成果をだそう」と強く思う人がいる。
要は、サラリーマン社会でも、「結果をだそう」「成果をだそう」と強く思う人や組織は、結果、成果、目標にまい進する。そして「〇〇しているようで〇〇していない」にはならないのである。
そうではない人や組織は、「そうは言っても、今の業務忙しいし、手一杯だ。おれがほかの仕事をやったら、今の仕事は誰がやるんだ?」と反論する。
「〇〇しているようで〇〇していない」になるか否かの差は、実は、これだけの差なのである。

 

しかし、ここで議論を終えたら元も子もなくなるので、さらに現実的なアドバイスも加えたい。
私は、かって、サラリーマン社会で、必ず結果を出す人、成果を出す人の特徴を色々調べてみたことがあった。
意志力のほかに、1点だけ共通点があった。
それは、その人たちのスケジューラーだ。
その人たちのスケジューラーには、ちゃんと、目標に向けた予定が書いてあるということに気づいた。
通常の業務とは「別枠」でその行動予定-訪問とか打ち合わせが入っていたのである。

 

このことは、次のことを意味している。
多分、「目標に向かう『意志力』が重要である」と恰好がいいことを言っても、現実には、サラリーマンには日々のルーティンワークがある。
それがいかに大変で忙しいかは、私もサラリーマン出身なのでよくわかる。
そして、自分が作業に打ち込んでいるときに、よく社内からも「ちょっと、打ち合わせしたいことがあるから、今から行っていいか?」という電話もかかる。
そんなこんなの打ち合わせ、電話対応、そしてその合間を縫うようにして自分の業務を処理しているうちに、1日は、瞬く間に経ってしまうのである。
これでは、現実問題、目標には向かえない。
これが、「〇〇しているようで〇〇していない」の業務上の原因と考える。

 

こんな現象を防ぐための解決方法は2つである。
1つは、目標に対する具体策を頭に思い描くということである。
ここはあまり最初から難しく考えないことだ。
先ほどの「徹底しているようで徹底しない」の例で言えば、そのためだけに、課員を集めてミーティングを開催するというありきたりの思いつきでもいいじゃないかと思う。
要は、そのために何かをやったということが重要であり、そのうち、より効果的な方法を思いつく。

もう1つは、それを「別枠」でスケジューラーに入れるということである。
この「別枠」がスケジューラーに入って埋まっていくと、目標に向かっているという感覚になる。
そして、この感覚が得られたときは、もう実際に目標に向かっているのである。

 

ぜひ、試してもらいたい。
この「別枠」が、目標に向かう一歩である。

 

 

ポイント
①「〇〇しているようで〇〇していない」にならないためには、目標に対する具体策を頭に思い描くということが大事である。
②そして、具体策を頭に思い浮かべることができたなら、それを「別枠」でスケジューラーに入れることが重要である。
 この「別枠」がスケジューラーに入って埋まっていくと、目標に向かっているという感覚になる。

 

 

 

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