ポイントポイントをおさえながら進む

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「ビジネスマンの守る技術⑨」

 

さあ、ここからは、実戦編だ。
やってみてわかるケースを取り上げる。
いままで、あなたは、「人は頼んだことへの早さで信頼度を決めている」、「スピードとは簡単なものを処理する速さ」と考える、「やった」という動作はたえず重視される、「なぜ上司はせっかちなのか」を理解する、早く問題、課題から手離れする、完璧主義より完結主義をめざす、問題文をよく読み、余計なことをしない、ルールを理解するなど、十分に事前学習を積んだ。
しかし、実戦では、さまざまな上手くいかない場面にも遭遇するはずである。
そこで起きる問題について、あなたと一緒になって分析、解明していきたい。

 

朝一番、あなたの上司が、あなたをチラチラと見ながら電話を受けている。
どうやら、あなたの顧客からのクレームらしい。
そのとき、応対している上司の話の内容から、あなたはその顧客の名前を知る。
あなたは驚く。「えっ?オレが一生懸命やっている顧客じゃないか。毎日のように訪問しているし、いったい何が不満なんだ?」と腹立たしくさえ思えてくる。
また同時にこんなことも思う。「オレってつくづくついてないや。オレが一生懸命やったってもこれだもんな。先日も上司から呼ばれたが、オレのことなにもわかっていないもんな」

 

これは、サラリーマンが最も陥りやすい現象の一つである。
確かに、あなたは一生懸命頑張っている。しかし、なぜか評価されない。
サラリーマンの評価に対する不満はこの1点に集約される。
どうしてなんだろうか?
結論から言うと、一生懸命頑張っているのだけれど、仕事のポイントをおさえていないのである。
重要なことの確認など、仕事のポイントをおさえていないケースが多いのである。

 

こう言うと、あなたはきっとむくれるかもしれない。
「オレだってそのくらいのことはわかっているよ。だから一生懸命やっているんじゃないか」と言う。
どこまで行っても、「一生懸命やっている」の一点張りで、ここに議論はとどまってしまう。
そう思うのも、実は、わからなくもないのである。
それは、この仕事のポイントというものは、言葉ではなかなか説明しづらく体感で学ぶ要素が大きいからである。

 

少しでもこの仕事のポイントの体感を得るために、最近私が経験したことを紹介したい。
私は、最近、家のリフォームを業者の人に頼んだ。
その業者の担当者は大変真面目で、リフォーム工事に入る前は、毎日のように訪問してくれて色々な説明をしてくれた。
ところがである。
ある日曜日の朝に、突如として非常に大きな音のする工事が始まったのである。
私は、近所の手前、慌てて「音の出る工事は、今日だったんですか!そんな話聞いてないですよ」と電話をした。
その業者の人は、「そうなんです。工事日程が詰まっていたので、そうしました」と答えたのである。

 

これが仕事のポイントなのである。
そのとき私は、当然ながら工事前に色々説明してくれたことへの感謝の気持ちなど吹っ飛んでいる。
こう言っては悪いが、そんな説明は、どうでもよかったのである。
それよりは、この工事が近隣に及ぼす影響をしっかりと聞きたかったのである。
もし、この音の出る工事を事前にくどいくらい聞いていたならば、事態は全然違う方向に行ったのである。
当然、私も事前に近所の人に説明しただろう。
近所の人は、事前にきっちりと説明したならば、多分こう言うだろう。「いいですよ。お互いさまですから」と。
そして、音が出ても、予測の範囲内ということで収まってしまうだろう。

 

多分、世の中には、この担当者と正反対のタイプの人がいる。
その人は、重要な局面が予想されるときのみ訪問し、ポイントを絞って、くどいくらいに説明して帰っていく。
さあ、あなたは、どちらの担当者に〇をつけるだろうか?
答えは決まっている。後者の担当者に決まっている。
これが「ポイントポイントをおさえながら進む」ということなのである。

 

なんとなくおわかりいただけただろうか?
それでは、この問題をもう少し掘り下げて考えてみたい。
あなたが現在やってる業務。それは会社から一定の使命を受けて取り組んでいるものもあるし、顧客対応だったりする。
それを徹頭徹尾、同じような集中力でこなせるかという問題でもある。
そう考えてみると、「相手の関心ってなんなんだろう」ということに頭が巡ってくる。
この関心がわかったならば、道は開けてくる。
その関心について、事前説明、事後報告をしっかりとすればよいということになる。
これが、実は、「ポイントポイントをおさえながら進む」ということなのである。

 

先ほどの私の工事の例で言えば、私の関心は、近隣への影響であるから、そこにポイントを当てて事前説明する。
無事、工事が終わったならば、「近所のみなさまからの苦情は幸いながら受けていません」と事後報告をするということである。
会社で言えば、上司に、自分が今取り組んでいる業務をわからせることが必要である。
「私は、今、こんな業務に取り組みたいと思っています」と取り組みのポイントを上司に事前説明することが重要である。
上司は、それを聞いて、きっと組織目標と照合する。そして、「うん、ここのところ気をつけてな。ここを重点的にやってくれよ」とアドバイスをくれるかもしれない。このアドバイスをもらえるようだと、それは、上司とあなたの関心がピタッと一致したことを示している。
そして、その業務がひと段落ついたら、事後報告するのである。

 

要は、ポイントとは、相手との関心の共有である。
この関心を共有していないと、いくらあなたが一生懸命やったとしても評価されることはない。
そして、間違っても、こんなことを言われてはいけない。
「あいつ、出張しているって聞いたんだが、なにしに出かけたんだ?」
「あいつ、今、なにやってるんだ?」
これでは、いくらあなたが出張先で会社のために孤軍奮闘していたとしても、評価ポイントは0である。
いくら、残業を重ねて、あることに取り組んでいたとしても評価ポイント0である。
サラリーマンが陥りやすい現象なので、ぜひとも注意してもらいたい。

 

 

ポイント
①相手の関心がわかれば、仕事のポイントは見えてくる。
②そして、相手と関心を共有すると、仕事は上手く進み、評価につながる。

 

 

 

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